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デジタルデザイン業界を可視化する。デザインデータブックを作ったワケ

こんにちは!Goodpatchの佐宗です。
先ほど「ReDesigner Design Data Book」というデジタルデザイン業界の今を可視化するレポートを公開しました!

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このnoteではなぜGoodpatch・ReDesignerがこのデザインデータブックをつくろうと思ったのか、そこに込めた想いと、データから読み取れることを少し書きたいと思います。
(ちなみにLPはSTUDIOで作っています。いつも助かってます!)

はじめに

実は去年のDesignshipで今回のデザインデータブックをチラ見せしました。
noteにサマリーを書いたところ、有り難いことに様々な方から反響をいただき、今回ようやく正式に公開できました。(お待たせしました!)

デザインに求められる役割が目まぐるしく変化していく中で、

・日本のデジタルデザイン業界を見える化したい
・デザイン投資に関するリアルなデータが欲しい!
・デザイン人材って本当に価値上がってるんだっけ?(あげていきたい)

という課題感から、デザインの価値がどのように変化しているのか、今後のデザイナーの採用やキャリア、さらには投資する際の意思決定に少し役立つといいな思い、普段お世話になっている企業100社にデザイン投資に関するアンケートに協力していただきました。改めて、ご回答いただいた皆さんありがとうございました!

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日本のデザイン投資を増やしたい

つい先週、Goodpatch Europeメンバーとも話していたんですが、欧米ではデザインの重要性を企業は当たり前のように認識していて、さらにそこから一歩踏み込んだSDGsやPlanet-Centered Designが重要だ!と話していました。

実際、デジタルデザインの成熟度が高い海外だとDribbbleが公開したGlobal Design Surveyや、InVisionが公開したDesign Maturity Modelなどでデジタルデザイン産業の数字が可視化されています。恐らく読んだ人も多いんじゃないかなと思います。

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一方、日本では様々な統計データを見に行っても意匠としてのデザインと、デジタルデザインの区別がされてなく、結局知りたい情報がないという経験をしたことがあるのは自分だけじゃないと思います。(ありますよね・・?)

特にデザイン業界を線で見ることは難しいと感じていて、デザイナーと企業の間に立っている私たちだからこそできることがあるんじゃないか?と思い、国内初のデジタルデザインデータブックを作ろうと、ある種の使命感としてGoodpatchとして取り組みを進めました。

今回アンケートに協力いただいた企業はReDesignerが普段お世話になっている方々やスタートアップも多いので、もちろんある程度の偏りが出てはしまってますが、IT中心に企業がデザイン投資に活発なのは間違いはないのでトレンドを知る上で参考にしてもらえると嬉しいです。

データからわかる3つの潮流

デザインデータブックのLPでも少し触れていますが、データからわかる個人的に気になった3つの潮流を紹介してみたいと思います。

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①デザイナー採用はブティック型に
デザイナーの採用が細分化していくことは明らかで、UI/UXデザイナーは引き続きニーズが高く、欧米で増えているデザインストラテジストやUXリサーチャーの需要も予想以上に増えているなあということがわかりました。こうやって職種が細分化・抽象化していく中で、デザイナー採用を担当する人の「デザインリテラシー」が非常に求められるようになり、人事と現場との役割分担がさらに重要になってくると思います。

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②創業時のデザイナー採用・デザインエグゼクティブの有無が差別化に
皆さんも肌感で感じていると思いますが、スタートアップが創業期にデザイナーを採用するケースが増えていて、それが初期のプロダクト開発に優位性を与え、会社のブランド力も高まり、採用に繋がるケースが増えています。これはデザインエグゼクティブの文脈でも同じことが言えると思います。
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③ブランドとプロダクトデザインの融合が加速
デザイナーパートの「今後伸ばしたいスキル」の中で、アートディレクションとブランディングが上位にランクイン。実際、ReDesignerがお付き合いしている企業でもProduct DesignとBrand Experience双方を求める求人が徐々に増えてます。特にBrand Experienceはうちの会社でも非常に注目している分野で、組織デザインとも密接に関わっていて、共感力・言語化力が重要だよね、という話を社内で多々聞きます。
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そしてデザイン投資が増えていくとこんな課題が出て来るのではと予想してます。

・インハウスデザイン組織の、デザイン(いわゆるDesignOps)
・職種別のデザイン教育プログラム(どこまで内部でやるか)
・デザイン会社/戦略コンサルの在り方(どうやってバリュー発揮するか)

ReDesignerとしてはこのような課題に対する支援までできるようになりたいし、Goodpatchとして挑戦している分野でもあります。

おわりに:今後やっていきたいこと

そろそろ締めます。
まず、このレポートは単発では終わらせず、毎年実施していきたいと思ってます。例えば、ジョン・マエダさんが監修しているDesign in Tech Reportのように数社を招いて、このレポートを見ながらディスカションをしたり、デザイナーの意見を聞いてみたいとも思ってます。

他にも例えば、今後レポートを作成していく時に各社から寄稿をいただいたり、リクルートワークス研究所のように、ReDesignerがデジタルデザインに関する研究機関を作り、デザインに関する様々なレポートの公開や、ReDesigner for Studentを活かした産学連携・共同研究など、国内・海外でやっていきたいことは本当にたくさんあります。個人的には日本のデザイン業界とアジアのデザイン業界の架け橋になりたいと思っているので、ゆくゆくはアジア編を作りたいなという気持ちもあります。

全ては、デザインへの投資がさらに活発になり、社会にデザインの力を証明することがゴールです。そのためには1社で活動をしていくよりも、読者の皆さんとコラボレーションを活発にしていきたいと考えています。

まずは、レポートを読んでいただき、感想をSNSや私たちにいただけると嬉しいです。こんなコラボしてみない?というお声掛けも是非お待ちしております!ともに、デザインの力を社会に証明していきましょう。

※マーケティングを担当してくれる仲間も募集してます!



最後まで読んでいただきありがとうございます!