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進んでバグになれ

リアルな組織とバーチャルな組織

NewsPicksで僕は、2つのチームでリーダーをしています。一つがクリエイティブチームで、もう一つがソーシャル編集部です。

クリエイティブチームは、NewsPicksのオリジナルコンテンツに掲載するインフォグラフィックや画像類をつくるのが主な仕事です。

ソーシャル編集部は、TwitterやYouTubeなどSNSコンテンツのデザインや編成が主な仕事です。クリエイティブチームが組織図上にあるリアルな組織なのに対し、ソーシャル編集部はクリエイティブチームの有志メンバーとマーケティングチームや動画チームメンバーなどが集まってできたバーチャルな組織です。

どちらのチームも、全員が顔を合わす機会はほとんどなく、Slackを中心にコミュニケーションをし、メンバーは自立分散的に動いています。ただ、かと言って、目指す方向性が違うとチームである意味が失われてしまうため、全体を方向づけるガイドラインとなる言葉をいくつか設けています。

よりよくする

その中で、もっとも大事にしたいのがミッションで、チームの存在意義を定めるものになります。

たとえばクリエイティブチームでは、チームミッションを「よりよくする」としています。この意味は、クリエイティブチームの力が加わることで、80点だったものを100点に、100点だったものを120点にといった具合に、何かしらの価値を高める=よりよくすることを約束するものです。

ミッションとセットになるのがステートメントで、約束を果たすために意識する3つのことを宣言しています。

(1)やるか、やらないかにする
80点を100点に、100点を120点にするには、中途半端に関わるのではなく、深くコミットする必要があります。これは、『スター・ウォーズ』のマスター・ヨーダの言葉「Do, or do not. There is no try.(やるか、やらないかだ。やってみるってのはない)」に由来しています。

(2)うのみにしない
誰かに言われたままにやったり、すでにあるものを基準にしたのでは、80点すら望めません。高みを目指すためには物事をうのみにせずに、自分の頭で考えて答えを見つけるようにします。

(3)自分らしくやる
人が、もっともパフォーマンスを発揮するのは、自分らしさ全開の時だと考えています。よりよいものを生み出すためには、自分らしいアプローチで主体的に動くことが欠かせません。

最近、AppleのCEOティム・クックの評伝を読んだ際、印象的だったのが、次の言葉です。

自分がなれるのは、自分自身だけだということを理解しています。私は最高のティム・クックになるよう努力しているのです。

偉大な前任者スティーブ・ジョブズと比較されることが避けられない中で、このスタンスは重要だと感じました。

別の本に書いてあったのですが、ディズニーはウォルト・ディズニーが亡くなった後、残された人たちは「彼だったらどう考えただろう」という思考に陥り、低迷期に入ったそうです。

進んでバグになれ

ミッションやステートメントは普遍的な概念で、中長期的に行動を導くものです。それに対し、短期的な概念として、スローガンがあります。

今年は新たにチームに加わるメンバーが多く、どんなチームにしたいかをあらためて考える機会がありました。

そんな時に読んだのが『ニュータイプの時代』で、そこに出てきたアリの話にインスパイアされ、スローガンを作りました。

働きアリは、エサを見つけるとフェロモンを出して、エサまでの道のりを他のアリに教えます。あるアリのグループは、フェロモンを正確にトレースできるマジメアリばかりで構成し、別のグループには道を間違えてしまうマヌケアリを混ぜます。

すると、最終的にエサをたくさん得られるのは、道を間違えるアリが一定数混ざっているグループの方という研究結果があるそうです。マヌケアリは非効率を生む迷惑な存在に思えますが、彼らは道を間違ったついでに、ひょんなことから正規ルートとは別のもっといいルートを発見することがあるそうです。

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プログラムにおけるバグみたいな存在が、全体にとってよい偶然をもたらすという話で、おもしろいと思いました。

何かを正確にすることはもちろん大切だし、多くの場合、例外的な動きはマイナスに働きます。でも、このアリの話を知って、自分やチームがどちらのアリを目指すことがNewsPicks全体にとってよいかと考えた場合に、答えは明白でした。

せっかく“クリエイティブ”と名のつくチームにいるのだから、他のチームとは違う、バグのような動きをする存在でありたい。そんな風に思って、多少の誤解を含む言葉だと思いつつも今年のクリエイティブチームのスローガンを「進んでバグになれ」としています🐜

Photo : Joshua Ganderson via Flickr / Creative Commons

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インフォグラフィック・エディター/ソーシャル・エディター🦓NewsPicksで働きつつ、個人でも活動中。サイト『ビジュアルシンキング』運営。コミュニティ『ビジュアルシンキングラボ』主宰。📚著書に『たのしいインフォグラフィック入門』『図で考える。シンプルになる。』 ほか。