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僕のひこうき雲 10

某月某日

昨夜、妻が朝食後と夕食後に服用している、痙攣どめの薬が不足していることに気付いた。

慌てて昨夜中に病院に連絡したところ、退院時に次回外来時か入院時までの薬を処方し忘れた病院側の不手際なのだが、夜間に薬の調剤は対応しておらず、明日脳外科の受付に来てくださいとのことだった。

明日の朝食後服用分まではあるので間に合うため、言いたいことは山ほどあるが、無用なやり取りはせずに電話を置いた。

そして本日朝一番に病院に出向き、病院から詫びを受けながら処方箋を受け取り、隣の調剤薬局に駆け込んで事なきを得た。

もうこんな思いをするのはたくさんだと猛省した。

すべて病院に任せていれば安心だと甘えていた。

まずは薬の錠剤数は自己管理しよう。

午後は、これまでの経過説明と仕事の引き継ぎを行うため、久しぶりに出社した。

ひとり家にいる妻の様子が気になり、携帯のメッセージ機能できっとうるさいくらいに連絡を取り合わせてもらいながら、打ち合わせをこなしていった。

一旦仕事の引き継ぎが完了し、退社する際に担当役員から、「消極は感情、積極は意志」との言葉をいただいた。有り難かった。

夜に妻が頭痛を訴えた。

あらかじめ痛み止めの薬は処方されていたが、妻は麻痺させるだけの薬は要らないと、頑として服用しなかった。

必ず耐えられなくなる前に教えて、その時は飲ませるよと言いながら、結局妻の表情に右往左往しているだけの自分が情けない。

積極のせの字にも及んでいない。

僕も成長しなければ。

妻に失礼な態度を取りたくはない。

※本文は投げ銭記事です。投げ銭は妻の医療費に充てさせていただいております。何卒、宜しくお願い致します。

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妻が倒れてから、感情を言葉にすることの大切さを実感している。拙くても不器用でも、妻への思いは送り続けたい。