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僕のひこうき雲

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とある広告会社の総務部に勤務するしがない中年男です。このまま化石になりたくはないと日々足掻いています。
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2020年12月の記事一覧

しばしば近い人に、お前が倒れたらお終いなんだからと発破をかけられる。心配してくれて有り難いとなあと思う反面、その場にふわりと浮く言葉だけが見える気がしてしまう、自分の器の小ささに落胆する。寒風の中で可憐に咲いた水仙の花言葉は自己愛。反意語は自己嫌悪。

今日の幸せ。
朝の散歩で、いつもよりたくさん猫に会えたこと。
妻が服用している薬について、お互いの気持ちを交換、尊重できたこと。
高畑勲さんのかぐや姫を見て、感動したこと。
息子がお風呂で流行りの曲を歌っていること。
昔、幸せってなんだっけ?ってCMがあったなあ。

冬の夜空に浮かぶ月にしばらく目を奪われる。

寒さで下を向きがちな家路、ふと上空に月の気配を感じる。

見上げると、自然と深呼吸して冷気がぐんと肺に入り、体の中にあるわだかまりが白い息となって解け出していくとき、月と挨拶する。

冬の小さな儀式だ。

いまこの瞬間を大切に。
人はよく言うけれど、負の気持ちからの切り替えは、窓を開けるようにはできない。
それでも、じめじめした気持ちを伝染させたくないと思うから、自分に頑張れーとエールを送って笑顔を作る。
偽物笑顔も知らないうちに本物になってくれる。

朝日に今日の平穏無事を祈ります。
猫さんと一緒に。

よく目を凝らせば、冬ほどカラフルな季節はないのではないか。
薄曇りの空からやわらかな日差しが世界を優しく包み込む。
例えば風が吹けば色彩の強さは一から十まで変わる気がする。
猫もこれまたカラフルに呼吸している。

夜と朝の狭間。吐く息が白い。月も白い。冬は白の世界。