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Inuaの内側へ 〜Nomaが東京へ後編〜

前編はこちら
短いあいだに2回行くと、流石にスタッフが覚えてくれていた。
この店の事、料理の事、たくさん質問したら、誰もが快く、情熱的に答えてくれるので、またその姿に感動する。良い店だなあ。

英語が話せてほんと良かった。
スタッフに質問しまくったが、一番多くの質問は、Thomas本人に。Welcome backと覚えてくれてたので、なんで蜂の子がメインなのか、料理をどう感じたか、短い接触時間で喋り捲った。
「蜂の子は確かにリスキーだ。でも、挑戦とはそうでなくてはいけないだろ?」
「この店の目標は人気店になる事ではないはず。Thomasの表現を、皆味わいたいんだ。誰かのレビューなんか無視だよ。」
そんなやりとりをすると、少し真面目な顔でうつむいた後、「ありがとう。下の階を見てみないか?」と言われた。
下の階、が個室か何かだと思っていたら、なんと裏方、バックステージだった。

幸運にも、Inuaの裏側を見せてくれた。普通の客にこんなとこ案内するなんて!自由だなあ。北欧ぽい!
(因みに現在はスウェーデン、1つ前はドイツの会社に勤め、先月北欧巡りをしてきたばかりなので、その話もよくした。)
これは素材を発酵させているところ。

とにかく下の階は、素材の発酵、熟成がずらり。こんなにもありとあらゆるものを熟成させているとは。。。手間恐るべし。

わざわざ日本語で案内してくれた彼は、名前を失念してしまったが、両親が日本人ながらオーストラリア育ちで初めて東京に来たという好青年。キッチンスタッフでは最も日本語が話せる1人。だがもちろん英語ネイティブ。

次に取り出したのは、薔薇と味噌を発酵させているもの。一体どこでこんな発想を。。。

スナックパインももちろん熟成中。

ところで大きな疑問その1「この店はNomaの2号店なのか、それともThomasが独立しただけで関係はないのか?」
の疑問については、スタッフによって答えが違ったものの、ようやく理解できた。
「別の店、だが、Nomaの文化継承の意味でも、またReneとThomasの個人的な関係からも、本来以上にNomaが協力している」と。精神的な姉妹店とでもいうような。
まず本店からスタッフが派遣されている!これが驚いた。じゃあ2号店じゃん!て思うけど、それに対する答えは「人も足りないので心配で、、、」友達の発想!!ビジネスじゃなくて友達!さすがこの辺りがNomaぽい。

受付に、遠目からもわかる華やかでオーラのある方がいて、話しかけてくれたので聞いたら、Noma本店で働いている日本の方!本店から期間限定で来てるとのこと。もらった名刺はかなり宝。
例の蜂の子に関するエピソードとして「本人もスタッフもかなり悩んでいた。反対もとても多かったけれども、とにかく最後に決まった理由は「美味しい」という圧倒的な事実」と。うわ最高。自信持って全てを決断できたわけでなく、彼ほどの人でも悩み、相談し、そして決めて行くんだと。
因みにRene本人も食べたとの事。2人でどんな会話をするのか、、、まさに「神々の戯れ」状態。
てか本人が応援に来てたのか。独立した店に対してそれって、すごいなぁ。

こちらはテストキッチン。メニューの研究をする所。シンプルなデザインは変わらず、でも綺麗。多分Thomasは神経質な綺麗好き。

棚には様々な食材の瓶詰め。絵になる。

食材メモ?

これだけ見ても、食材を研究し尽くしているのがよくわかる。

面白かったのが、食の本に紛れて、ゴールデンカムイが!!
北海道の歴史、文化をも理解しようと努めたのか!?右端にアイヌの本があることから、あながち冗談ではなさそう。日本の食を理解した上で、メニューを考えている事がよくわかる。

料理への恐ろしい繊細さや情熱を見せながらも、人当たりが良く全くフラットに接してくれるThomas。変化して行くメニューが楽しみ。次回は10月の予定。
ここには載ってないけど、「これが日本のポーズだろ?」と言ってダブルピースしてくれた。お茶目。

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