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思い残すことの無い人生よりも、たくさん思い残したまま死にたい。〜グループ展「Art is…」を振り返って〜

今年の5月にアート合宿で出会った仲間とグループ展「Art is…」を開催することになりました。先日、無事に4日間の会期を終えることが出来たので、振り返ってみようと思います。

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アート合宿のこと、高校の美術の授業以来26年ぶり(!)に絵を描き始めた経緯はこちら▼

わたしのこと▼

佐竹潤子です。
子どもに「お帰りなさい」が言いたくて働き方を変えた主婦です 。
10年以上大学病院で臨床検査技師として働いていましたが、ふと「自分の人生このままでいいのかな?」と思ったことをきっかけに副業で起業しました。 
それまでは「結婚して子どもも生まれて…」って、社会とか環境に合わせて生きてるうちに、いつのまにか狭い世界に閉じこもって生きてたような気がします。
今はどうにか、自分が理想としていた働き方を実現できるようになりました。
具体的には、教材を作って販売したり、SNSの使い方をコンサルティングしたり、そもそも「自分が本当はどうしたいのか?」ってのを引き出すコーチングみたいなことをやったりしてます。
 副業が軌道に乗ったので、2018年末に大学病院を辞めて個人事業主として独立しました。「すごい」って言われたりもするけど、それほど難しいことではなくて。 必要なのは才能でも勇気でもなくて、「小さな挑戦を積み重ねること」だけだと思ってます。

2020年のコロナ休校がきっかけで5年生だった長男が不登校になり、そこから9ヶ月かけて学校に行けるようになった記事は2500名以上の方に読んでいただき、反響をいただきました。

自分の体験から得た気づきを文章で伝えていくってことも、ライフワークの一つになりそうです。

静かで居心地が良くて刺激に溢れた場所

今回のグループ展はJR大崎駅(東京)から徒歩5分のギャラリーボルケと言う古民家を借りて開催しました。建具やすりガラスも昭和感満載の、まるでおばあちゃんちみたいな雰囲気のある空間。私は大阪在住なので搬入や作品の展示は仲間にお任せして、会期の2日めに会場入りさせてもらいました。

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会期も2日目となる12日の午後、ようやく会場入りできた私。ちょうどお客さんも少ない時間だったこともあり、会場に入るなり仲間が飾ってくれた自分の展示そっちのけで、みんなの作品に作品に見入ってしまいました。(自分の展示に関心無さすぎて、6枚の絵のうち2枚が天地逆になっていたことに翌日気がつきました)

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これは7人それぞれの作品を一枚ずつ展示した「合作」△

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左からみづきちゃん、ゆかさん、はるかちゃん。△

「すごいなー、みんなすごいなー。」って、まるでお客さんのように一つ一つのブースをじっくりと鑑賞しました。

半年前のアート合宿の時を知っているからこそ、それぞれ絵に向き合った痕跡が見てとれるのが重色い。作品を見ていると、仲間がそれぞれに進化していることが手に取るように伝わりました。「自分もこんなふうに描いてみたい」とか「次はこんな色使ってみたい」とか、展示を見ながらまた絵を描きたくなっている自分がいました。

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マリンダさんの「お部屋」みたいにほっこりする展示△

私は主催する側の一人だったけれど、鑑賞する立場としてたくさんの刺激も受けました。会場にいる時間も長かったしね。3日間ずっと見ていると、毎日絵から受け取る「感情」とか「理解」が変わりました。

私にとってグループ展「Art is…」の会場は、大好きな仲間がいて、居心地が良くて、たくさんの刺激を受け取れる場所でした。

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絵を人に見てもらうこと

「展示会をしたり、自分の絵を人に見てもらうことが怖くなかったですか?」

そう聞かれることがあったけれど、私は怖くも抵抗も全くありませんでした。
当たり前だけど、それは自分の絵が上手だと思っているからではなくて、誰かに評価されることを前提に描いてないからだと思います。自分が、好きで楽しくて描いた絵を、自分がお金を出して場所を借りて展示する、ってだけの話なので。

長くSNSをやってるせいか、「自分の作ったものをどう評価されるか?」みたいなことはあまり気にならないのかもしれません。受け取るのは「相手の自由」だし。そもそも絵を描くプロでもない私たちの、こんなこじんまりした展示会に来てくれる人って、私たち自身に関心を寄せてくれている人でしかないから。

貴重な時間を使って会いに来てくださって、絵を見て、絵からのメッセージを受け取ってくれて。それを言葉にして、また私に渡してくれて…

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こんな贅沢なことって、あるのか!?っていうくらい、感謝が溢れました。

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もう何ヶ月も前から「絶対見にいくからね」って言ってくれて、前日2時間しか寝てないくらい忙しいのに仕事の合間を縫って本当に来てくれたり。

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「Facebookで投稿見て、行けそうだったから!」って、タクシーで駆けつけてくれたり(次のアポもはいってるのに!)。

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他にも、会えなくてもお花を送ってくださったり家族で遊びに来てくれたり、メッセージを送ってくれたり。

思うんですが。絵に限らず文章でもなんでも、自分が表現したいと思うことをSNSなり今回みたいなリアルな場なりで表に出すことって、本当に自由で。それにかかるコストは多かれ少なかれあったとしても、自分が「本当に表現したいと思うもの」を出したら出しただけ、受け取れるものがあるんだなって思います。

今回、それがたまたま「絵だった」ってだけで。

むしろ、少し前に公開した「長男の不登校に関する記事」の方が、よっぽど怖かったです。多くの人が関心があるトピックなぶん、私の意見には賛否両論あるだろうし、読んで傷ついた人や私を嫌いになった人もいただろうなって想像つくから。

絵も、突き詰めるとそういうレベルまでいくのかもしれませんね。

今のところ私にとっての絵は日常の一部で、自分のために、自分だけの世界で描いています。グループ展は、「その世界の端っこを誰かがちょっと通り過ぎてくれた感覚」に近いような気がします。

思い残すことなく生きるよりも

「私にとって今回のグループ展ってどういう経験だったんだろう?」って、グループ展が終わってから振り返っていました。

グループ展が開催された古民家でみんなの絵を見ていた時、私は絵を描きたくて仕方なかったです。まるで5月のアート合宿のときみたいに。

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みんなの絵に囲まれて、どんな自分でも受け入れてもらえる空間で、絵や絵に添えられた言葉からの刺激を受けながら、自由に、何の制限もなく、誰かの評価を気にする事もなく、ただただ絵に向き合うときの気持ちを、思い出しました。

体は疲れているけれど、気持ちはずっと高揚している、あの感覚。

私は自分の絵が好きです。そもそも「好きだな」と思える絵を描いてるわけだし。だけど、今よりもっと楽しく、もっと「好き!!」って思える感じに描けるようになりたいです。

それは、文章にも言えることかもしれません。誰かの文章や詩や歌を読んで「くう〜なんて的確で面白い表現なんだ!!私もこんなふうに書けたらいいのに!!」って思うことがあります。

絵も文章も、プロを目指すわけではありません。だけど、今日より明日。今より一年後、三年後…。自分で読んで「くぅ、最高!」っ思える文章が書けてたらそれこそ「最高!」って思います。

よく、「やりたいことを全部やりきって、死ぬ時にもう思い残すことは何もないように生きたい」って見聞きするけど、私は「もっとできたのに…」っていう思い残しがめちゃくちゃある状態で死にたいんだと思う。

それはつまり、「明日の自分はもっと良い文章が書けるかも」「三年後にはもっと良い絵が描けるかも」「五年後は今よりもっと魅力的になってるかも」って、死ぬまで自分の可能性を思い描きながら生きたいっていうこと。

90歳のおばあちゃんになったとしても、病気で起き上がれなくなったとしても、「明日の自分ははもっとこんなことができるようになるかも?」って希望を持てる人生、最高じゃないですか。

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余談ですけど、そういえばこの絵は「希望」ってタイトルを付けたんでした。そのくせ、なんとなーく「死後の世界」を連想するのは私だけでしょうか?(この絵を見てそんなこと言う人は一人もいなかったけど!)

グループ展を振り返って自分の求める生き方を確認することになるとは思わなかったけど、何か新しいことに挑戦をするっていうのはそういう機会になるのかもしれませんね。

自分の中にある「原石」みたいなものを発見して、「あー、私はこれをもっともっと磨きたいんやなー」って気づく。もちろん、「これは別に磨かんでもいいなー」ってものもあるけれど。

私にとって絵は、間違いなく磨きたいものの一つです。

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これは、合宿を主宰してくれて「絵を描くこと」との出会いをくれた中村峻介さん(最終日に来てくれました)がグループ展のメンバーにプレゼントしてくれた水晶。ちょっと丸っこくて、ゴツゴツと荒々しい部分もあって、なんか「私らしいな」って思いました。

一緒にグループ展を開催してくれたみんなへ

私が最年長にも関わらず、一番助けてもらったんじゃないでしょうか!?リーダーの慎也くんをはじめ、そのくらい頼りになるメンバーばかりでした。

設営から、ハード面の整備、細かい雑用やお客さんの対応、それぞれができることを受け持って、お互いを補い合っていたと思います。みんな住む場所も仕事も年齢もバラバラなのに、「こんなにも居心地の良い空間ってあるんだな…」って、しみじみと感じ入りました。

私が人生で大事にいしている3つのことってのがあって、「家族」「ゆとり」「刺激をくれる仲間」なんですが。さっきも書いた通り、とにかく飽きっぽくて「新しいことを知ること」「新しい自分になること」への欲求が強い私は、自分と全然違う世界に生きてたり全然違う考え方を持ってる人にものすごーく魅力を感じます。だけど、自分の居心地の良さも優先順位が高いので、ちゃんと他者を受け入れてくれる相手じゃないと苦痛を感じてしまう。

だけどこのメンバーは、刺激しあえる一方で居心地が良くて、唯一無二の出会いだったんじゃないか?って思います。

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この絵は、グループ展を終えて東京から帰った翌日に描きました。晴香ちゃんがグループ展の感想を絵で表現してて。それがとーっても素敵だったので、私も書いてみました(晴香ちゃんは私の半分以下の年齢なんだけど、めちゃくちゃ刺激をくれるのです)。ちょうど下地だけ描いて途中になっていた絵があって、それを見ていたらこんなモチーフが浮かんできました。

7人それぞれの表現がスパークして混ざり合う、そんな刺激的な空間だったから。

みづきちゃんはこの絵を「打ち上げ花火みたい」と言ってくれました。

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ほんとだね💕

グループ展も、グループ展に至るまでの打ち合わせやインスタライブも、めちゃくちゃ楽しかった!!年齢を超えて、こんなにも頼りになって心許しあえる友達ができるなんて嘘みたい。

慎也くん由香さん渓ちゃん美月ちゃんマリンダさん晴香ちゃん

一緒にグループ展やってくれて本当にありがとうございました。

Art is…

グループ展のテーマは「Art is …」。このオープンな問いに対して、7人それぞれが一つの解を設定してグループ展に臨みました。だけど私は、「Art is …まだわからない」だったんですよね。そもそも私はアートに興味があるわけではなかったし、「アート」という言葉そのものも、ちょっと距離を感じていました。なんか、カッコつけてるっぽくて(笑)

グループ展をやってみて、私にとってのArt is に対する答えが出たか?というと、まだよくわかりません。

だけど、グループ展を経て人が変化することや、作品作りを通して人が進化すること、価値観の書き換えが起こることが「アート」だと仮定するならば、今までよりも少しだけ、アートのことがわかったのかもしれない。

今回のメンバーの中には、グループ展までに大きな進化を遂げた人もいれば、グループ展がお終わってからめちゃくちゃ進化してる人もいる。その変遷、その物語、その人の存在そのものは、間違いなく美しいものでした。まだ、仮定の段階ですけど。

ともかく、私はこれからも絵を描きつづけるんだろうなと思います。

Art is …の続きを探しながら。

出展作品

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詳しい絵の解説はインスタグラムにて▼

Special thanks

*グループ展を開くきっかけとなったアート合宿を開催してくださった
中村峻介さん 大野幸子ちゃん おかだゆりさん

*アート合宿に出会えたのも天プロのおかげ!!
天プロ主宰 やまけん(山田研太)さん グループ展にもたくさん来てくれた天プロメンバーの皆様

*グループ展の様子や作品、作品とのポートレート、素敵な写真をたくさん撮ってくれたきぬきぬ(kinugasa Tomohisa)

*来場してくださった皆様!!!

心より御礼申し上げます。




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