MT5等を使ったFX・国際ロマンス詐欺について(追記あり)

こちらは2年前(2021年10月)にブログに書いた記事ですが、いまだにこちらの記事をみてのお問い合わせも多いようです。掲載してしばらくはこの関係のお問い合わせが多く、事務局の皆様にご迷惑をおかけした気が…。

この件ですが、まずは警察にご相談に行かれ、被害を申告し、可能であれば振り込んだ先の口座を凍結してもらうこと(既に凍結済みという場合も多いですが、それでも。)。並行して弁護士にご相談になることをお勧めします。凍結口座に残高があった場合に依頼者に勧める対処方針は、弁護士によっても異なるようなので、可能であれば複数の弁護士にお問い合わせになる方が良いかと。

なお、改めて読みなおしてみると、2021年当時は、よく使われる銀行はとあるメガ銀行であったことが多かったですが、2023年時点ではこれもまた変わってきており、このところは、ネット銀行が多いように思います。

なお、以下のGoogleフォームからご相談の連絡ができるようにしてみました。万一返信のご連絡が遅い場合などには弊所(03-5157-0250)までご連絡ください。
https://forms.gle/jAWXCgsjecAejqKG8

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最近ご相談が増えてきているのが、MT5(Meta Trader 5)というFXや証券取引のプラットフォーム等を使ったFX・国際ロマンス詐欺です。

この詐欺には、①取引を指示する者(A)と、②業者の担当者を装う者(B)が登場しますが、これだけでなく、さらに、MT5上で操作をし、AやBの言うとおりにMT5上の表示が変化したり、利益が出ている表示がされたりすることから、実際に自分がFX取引を行っていて、本当に利益や損失を出していると信じてしまいます。

また、①の取引を指示する者(A)が、被害者に好意があるように見せかけてきたり、古い友人を装ってきたりすることで、さらに信頼を深めてしまうことも多いようです。

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いわゆる特殊詐欺は、高齢の方が被害に遭われることのイメージを持ちやすいかと思いますが、この類型の詐欺は、比較的若い世代、40代・50代の被害者の方が多くおられます。

具体的には、Aが、被害者の方に、MT5のアプリで表示される画面のスクリーンショットを送らせるなどしながら被害者に取引を行わせ、多くの利益が出たように見せかけたりします。

また、損を出したときや、何らかの理由で資金が足りないときには、AやAの友人や家族が資金のいくらかを援助するなどの申し出をしてきたりもします。

そして実際に、Bから、Aが資金援助をしてくれたので、残り必要な入金額は〇円である、というように言ってきます。被害者の方は、そのような申出に恩義を感じてしまい、何とかしないといけない、と感じてしまうのです。

その後、出金しようと考えて、申請をしても、「税金が必要である」「〇〇金が不足している」というような理由で、出金自体にお金がかかると言ってきたりします。そのような状況になって、疑問に思い、欺されたのではないかと気づく方もいらっしゃるかもしれません。

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被害の特徴としては、おおむね以下のようなものが挙げられます。(全てのケースに全ての項目が当てはまるわけではありません)

・別のアプリで知り合うなどして、LINE等でのやり取りに切り替わる。

・全てLINE等のアプリ上のやり取りで完結し、会ったことはない。

・自分は外国人・あるいは海外在住で日本語が少しできる等と言う。

・そのうち会いたい、会ったら〇〇しよう等、会いたい・好意のあるようなそぶりを示してくる。

・日常生活のやり取りに、FX等の金融取引の話題が混ざってくる。

・損失が出たり、資金が必要となった場合、一部を補てんしてあげる等の申し出をしてくれる。

・電話番号や勤務先などの個人情報の詳細は分からない。

・業者担当者ともLINE等でやり取りしている(会ったことがない)

(MT5、マネージャー、カスタマーサービス等、呼び名は様々)

・振込先の口座がその都度変わる

(ただし近時の傾向として銀行は一種類であることが多いです)

・出金をしようとしても色々な理由をつけて出金させない。

・出金するのに手数料・税金等がかかると言い、さらにお金が必要になる。

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だます側も手を変え品を変え試してきますので、全ての被害に全ての特徴があてはまるわけではありませんが、おおむねの特徴は上記のとおりです。

毎日送られてくるメッセージに、思わずやり取りにのめりこんでしまい、信頼を深めていることも多いため、すぐに詐欺だと気付くことができないほか、怪しいと思っても、家族や友人に相談しづらいというケースもあるようです。どうぞご注意ください。


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