
評価するにはまだ早い『イカゲーム2』感想。弾はまだ残っとるがよ…!
こんにちは、2025年のじゅんぷうです。今年もよろしくお願いします。
2024年12月26日からNetflixで独占配信が始まった『イカゲーム』シーズン2。年末インフルエンザでたっぷり時間はあったけど、心身ともに元気になってから見るべき作品だよねと思ってとっておいてました。今回の配信はエピソード7までで、2025年にこの続きの完結編が配信されるというNetflixやめられないシステム。

命がけのゲームに優勝して〈参加者の命の代償〉456億ウォンを手にしたソン・ギフン(イ・ジョンジェ)。娘に会うためアメリカに旅立とうとしていたものの、ゲームの黒幕をあきらかにすべく飛行機に乗らない決断をしたところでシーズン1は終わりました。あれから3年。
潜入捜査をしていた刑事のファン・ジュノ(ウィ・ハジュン)もシーズン1ラストで撃たれて断崖から海に落ちましたが、漁船に救出されていました。ジュノは漁船の船長の協力でゲームの島探しを、ギフンはゲーム参加者をスカウトするめんこ男(コン・ユ)探しを続けていて、という状況からシーズン2のストーリーは動き出します。
ギフンは自分の得た優勝賞金で、前回のゲームで命を落としたサンウ(パク・ヘス)やセビョク(チョン・ホヨン)の遺族の救済をしつつ、人の命をゴミのように扱うイカゲームをぶっ壊すための準備を着々としていたんです。
シーズン1でのギフン以外のゲーム参加者は当然生きていないわけですが、1からの登場人物もいます。サラ金の社長や脱北ブローカーなど、ゲームとは直接かかわらない人もいるし、ギフンの元同僚でギャンブル仲間チョンベ(イ・ソファン)とギフンはゲーム場で再会します。
さらに〈人生崖っぷち〉のワケアリやくせつよの新キャラたちがこれでもかと加わって、またイカゲームが始まったのです。ここからはネタバレ含む感想。
散りばめられた細やかな設定はもちろん、ゲームの運営側である仮面の兵士の視点も加わったこと、何より主役級俳優たちの豪華ぎゅうぎゅう詰めキャスティングにワクワクしました。イム・シワンにカン・ハヌル、ゲームプレイヤーではないけどチョン・ソクホも入れた『ミセン』勢の集結にひそかに感動。
なんだけど、なんだけどー、コン・ユ様のめんこ男とギフンが対峙するのが個人的ピークでした。シーズン1でなんと贅沢なコン・ユの使い方だとは思っていましたが、シーズン2の序盤で彼のサイコパスっぷり全開。イカゲームが始まる前にクライマックスきちゃいました。
それに、黒幕暴きに取り憑かれたギフンには感情移入できなかったのが正直なところ。455人の死の上に自分が生きているという現実ではキャラ変も仕方ないかもしれませんが、シーズン1での情けないギフンの喜劇みの魅力はありませんでした。エピソード6で、旧友チョンベと昔の話で言い合いになったとき、チョンベの「やっと昔のギフンだ。ずっと別人みたいだった」というような台詞があったのですが、この先ギフンが素を出す展開がもう見出せないので、きっとこのままいくでしょう。
前回のゲームを経て変容してしまうのはわかりますが、二度目のゲーム中にも「参加者たちを解放したい」⇒「大義のための犠牲はやむを得ない」になってしまって、この矛盾がきっと完結編であるであろうフロントマンとの対峙でギフン自身に効いてくると予想しています。そう、フロントマンですが…フロントマン=ファン・イノ(イ・ビョンホン)がゲームに参加しているんです。ギフンを煽ったり助けたりと、試しながら。背番号は〈001〉で、名前を「ヨンイル」と名乗ります。
ヨン⇒0、イル⇒1
おーい、ギフン気づいてー!!
前回001番で参加していたおじいさんがゲームの主催者だったことをお忘れ?おじいさんの名前、「イルナム」だったのをお忘れー?
イル⇒1、ナム⇒男
リンクしているような牛乳のエピソードもありましたよ。ギフンやチョンベと同じチームの仲間としてゲームをこなすにつれ、チョンベだけが彼のある一面を見てしまいます。こうした公開ネタばらしのような形で物語は進み、怪しさ満点のパク船長、仮面の狙撃手ノウルの動きといった考察ポイントを盛大に残してエピソード7終了。
この時点で、ゲームはまだ3つしか行われていません。暴動&反乱で幕を閉じましたが、このあとしれっとゲームは続行される…ってコト!?ギフンはゲームにもどるの?
・パク船長は誰のスパイなのか
・ノウルは246番を助けた?
・フロントマンの真意
・ナヨン、222番の子どもなど未来への希望の要素
といったところが完結編での見どころになってきますが、やっぱりゲームのテンポとそれぞれのドラマ、その背景にある現実社会の側面や人間の欲望、本性の描き方といったものは今のところ残念ながらシーズン1ほどは響いてこないんです。シーズン2は、1ゲームごとに参加者がゲーム続行かどうかを選択できるという新ルールがあって。一見、選択の自由があるようでいて運営側がより狡猾にゲームを楽しんでいるわけです。「あと1勝負だけ」ってなるもんね、人間。ただこのルール導入によってスピード感も落ちた気がします。
今回の出演者の中でも外せないのはT.O.Pさん!まさかT.O.Pさんの新作ラップが『イカゲーム』で聴けるなんて。有名ラッパー、おまけに違法薬物を持ち込んでいるという、これご自身ですよねな役。でね、名前が「サノス」っていうんです。MCU〈インフィニティ・サーガ〉のラスボス、サノスなのはあきらかで、MCUのサノスが集めていたインフィニティ・ストーンを模したようなネイルを施しているし、「ラップで人類半減」とも言ってる。MCUサノスは〈指パッチン〉で全宇宙の人類を半減させたんです。だからT.O.Pさんもものすごい役割を担っているのかと思ったんですが…指パッチンじゃなく指ハートしてた。あ、指ハートされた子、消えてたじゃん。サノスという名前含めて、単にちょっと恥ずかしいヤツという役でした。ファンサなのか罰なのか判断しにくいところだけど、面白かった。
やっぱりスター俳優が多すぎかな?カン・ハヌル演じるお調子者の元海兵隊員デホは反乱作戦中にPTSD起こしちゃうんだけど、これも完結編で描かれてほしい。ゲームそのものへの没入度と人間の描き方が薄くなった感はあるものの、まだまだドラマを抱えた人物がいるので、ゲームがどうなるかよりも彼らがどうなるかを見届けたいです。てかジュノがんばれ。『仁義なき戦い』の名言をお借りすると「弾はまだ残っとるがよ」。



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