近所にパン屋のある生活
私は引っ越しをした。
美味しいパン屋が近所にあってすぐに焼き立てパンを食べられる環境に憧れたから。
私の住処から50歩ってところにこじんまりした小さなパン屋がある。
周りにはお店もなく一見見過ごすほどの存在だが隠れた繁盛店なのだ。
オープン11時なので昼ご飯にと12時少し前に行くと…もぉほぼ売り切れである。
あまり量を作ってないのかなぁ…と思い大好きなベーコンエピが残っていたので購入した。
住処へ帰りコーヒーをじっくり煎れた。
ベーコンエピの尖ったところは凶器になるからきをつけなければ…一口食べて歓喜の雄叫びをあげそうになった。実際近所迷惑になるので堪えたがうなりたくなるような幸福感が口から襲い鼻に抜け胃袋に仕舞われた。
小麦の香りと香ばしさ何より食感のたまらなさ。
小麦を愛し小麦に愛された空前絶後のパンだ。
次の日オープン11時すぐに行くと…そこには沢山のパンが並んでいた。次々にお客が来てあっという間に無くなっていく…
これは閉店時間が決まってないのが頷ける。売り切れゴメンってやつだ。
ずっしりしたカレーパンを手に取りレジに並びお会計をしているとスタッフの方が「昨日もご来店いただけましたね?ベーコンエピはいかがでしたか?」としっかり覚えていて接客も最高のパン屋だった。
私は照れくさくてあまり上手く対応出来なかったがまた来ますと約束混じりの予定調和のコメントをした。
住処へ帰りまたコーヒーをじっくり煎れた。
ずっしりしたカレーパンを真ん中から2つに別けて中身を覗いた。
まさかこのカレーパンのカレーは???
紛れもなく手作りカレーである!一般的にカレーパンのカレーは業者などが作っている出来合いモノってのがセオリー。パンを作る手間から惣菜まで手が回らないのが普通。なのにここまでやっているとは…驚きだ。
深夜、眠れないのでランニングをしてみた。
パン屋の前を通ると電気がついていた。そっと近付くとカレーの香りがした。隙間から覗くとキッチンはフル稼働で仕込みをしている。深夜0時からやってるんだ。
私は思わず「ありがとう」って言葉が漏れた
沢山の人にこの感動を味わってもらいたいが…ここだけは秘密にしておこう。
そぉ心に決めた。
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