見出し画像

『zk 頭脳警察50-未来への鼓動-』

2020年7月21日(火)

新宿K'sシネマで、『zk 頭脳警察50-未来への鼓動-』。

50年の歴史あるバンドであるゆえ、どこに焦点を当ててどこを切り取り何を伝えるかは監督の思い入れと腕次第。数年前に瀬々監督が撮った『ドキュメンタリー 頭脳警察』とは当然切り取り方が違っていて、これは“末永賢監督が捉えるとこうなる”というもの。じゃあ、末永監督はどう撮ってどう編集したかというと……。終戦後から現在に至るまでの日本と世界の歴史を、頭脳警察を補助線にして捉え直そうとしているのだった。

それを1時間40分でやろうというのは無謀な試みのようだがしかし、70年代の振り返りのみならず、90年代の再結成時(個人的には“バンドとして最も強力でかっこいい時期”という認識)の貴重なライヴ&楽屋映像、それに(頭脳警察からは離れるが)PANTAの映画出演時の場面や、一昨年のクリミアでの映像など、近年の動きにもしっかり時間をさいてまとめているのがよい。恐らく何十時間~何百時間もカメラを回し、過去の素材もたくさんあったはずだが、よく1時間40分という短い時間にまとめたものだ。さぞかし編集がたいへんだっただろうと想像できる。が、頭脳警察が決して伝説などではなく、現在進行形のバンドであることがビシッと伝わってくる作りになっている。

しかも最後はコロナ禍の現在の映像と新曲。これを付け加えたことで説得力が一段と増している。人のいない渋谷の街とPANTAの「絶景かな」と歌う声。これぞ!の感、あり。「未来への鼓動」とタイトルに付いていることも、ここで腑に落ちた。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?