チャラン・ポ・ランタン@リキッドルーム

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2019年12月12日(木)

リキッドルームで、チャラン・ポ・ランタン。

2019ツアー「置行堀巡業」のファイナルだが、東京のこの夜のみバンド編成にて。小春・もも・ふーちん・さくらん・オカピ・舞子たん。崩壊バンドを呑み込んだカンカンバルカンとでも言えばいいのかどうなのかわからんが、多すぎず少なすぎずで各自の個性がパキッと見える上、それぞれの仕事量も多くて意気も伺え、これはなかなか理想的な編成じゃないかと強く思う。

1曲目から気ぃ狂ってるみたいなテンションでフシを崩しまくって歌うももちゃんのテンションはどうかしてるほど。痙攣するようにカラダをブルブルさせて叫ぶように歌うその感じは、さながら若い頃のヒロトのよう…いや、もっと凄い。ある意味パンクだ。しかも途中で疲れた様子を見せるなんてことはまるでなく、約2時間をパワー落とさず歌いきって、それでもまだ体力ありあまってる様子。なんならもう1ステージ行けそうだったもんね。しかも以前より明らかに声の力が強くなっている。バケモノか?!

セトリは過去最高に攻めたもの。アッパーな曲の割合がたぶん過去のライブのなかで最も多かった。観に来られてた巻上公一さんが「今日の選曲は、かなりクレズマーだったね」とツイートされてたが、確かにそういう行き方。「ドナドナ」も「魔法使いサリー」もグレズマー。「ハチのムサシは死んだのさ」だって「モンキーマン」だって自分らの曲のよう。ってな塩梅でオリジナルもカヴァーも関係なく、チャランポ世界が全開に。一時期はJポップに寄せた曲を出してライブでも少しばかりそういう要素を入れたりもしてたが、昨夜は、というか今は完全に振り切って、自分たちにしか表現できない音楽を迷いなく鳴らしている、そんな印象だ。日本でああいう音楽をああいうやり方で鳴らしてるの、チャランポ・ランタンだけですよ。唯一無二。

で、ここぞというところでずいぶん久しぶりに「旅立ちの唄」なんてバラードをもってきたりも。泣きますやん。

といった感じで、小春の全体構成力、ももの歌の威力、バンドの音の厚みと爆発力、客のものすごい盛り上がり……その全てが高レベルでかみ合ってステージの上と下との一体感もハンパなく、なんなら過去最高レベルとか言ってもいいくらいのライブになっていた。いやー、すげえや、今のチャランポ。私たちゃ好きなようにやるから好きなやつだけ楽しめってないい意味での開き直りが結果的にほかにない大エンターテイメントに繋がったっていう理想的なあり方やわ。

ところでさんざん攻めるだけ攻めといて、思いあまって終盤で小春ちゃんが涙するってな場面もあったのだが。それを見ていて、もうずいぶん昔のことだけど新宿タワレコのインストアでお客さんが大勢集まってももちゃんが感極まって泣いて小春ちゃんがまだここからなんだから泣くなと窘めたことがあったのを僕は思い出していた。で、昨夜は小春ちゃんが泣いてももちゃんが笑いに変えていた。なんかね、成長感じたですよ。時の流れもね。だから…まだまだ…やめられません。

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