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なぜ僕は俳句をやめたか【精神編】

『僕は時々どうしようもない不安を感じます。原因もわからないし、わかってもどうしようもない不安です。そしてその不安は、確実に心に残り続けるのです。毎日が楽しいからこそかえって心に強く影を落とすのかもしれません。 そんな放っておけばよい心の弱さをわざわざ拾いあげて、それが目の前の情景と結びついたとき、僕は五七五を作ります。見えない心の弱さを、俳句という一本の試験管のような目に見える形にして不安を癒すのです。』 これは僕が某賞を受賞したときに寄稿した文章の一節である。 今読ん

    • なぜ俺は俳句をやめたか【美少女編】

      興が乗ったから書こう。 高校生の俺は授賞式のためにわざわざ学校を特別に休んで愛媛から東京に来た。授賞式は代々木の国立オリンピックセンターだった。 授賞式後、俺は愕然とし、絶望した。 なんと他の受賞者の女子高生に美少女がいなかったのである。 いや美少女とまでいかなくても、楚々としてそそるもののある憂いげな女性がいるかと思った。 あわよくばその女性と文学的交流をこの授賞式という機会に得て、大いに発奮しようと画策した。 当時、俺は清冽で色白で痩身で、目がキリッとしていてツ

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