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科学という学問の性質

 今日は科学とは何かを深めていこうと思います。またこの記事を読むことでなぜ研究不正が厳しく罰せられるかが分かると思います。また僕が将来研究をしたいからこそ一生まとわりつく規則をしっかり理解していこうと思います。この記事を書くにあたって千葉大学の野村純先生の講義を参考にしています。

科学とは何か

 まず科学の発生はアリストテレスの時代のギリシャにまで遡ります。ここで自然をどのように捉えるかの方法論として科学が生まれることになります。そこで登場するのがアリストテレス。アリストテレスは自然の現象が四つの原因に分けられると考えたのです。
 この四つの原因とは質量因、形相因、機動因、目的因です。それぞれ存在するものの物質的原因、そのものが何であるかを規定するもの、そのものの運動変化の原因、そのものの運動変化の原因です。
 ここで鉛筆を使って考えてみると木や黒鉛が質量因、細長い円筒形であるのが形相因(デザイン)、木をカットして黒鉛を芯にして書けるようにするのが機動因、書くために存在するというのが目的因です。 ここで存在の原因は前半の二個の原因で生成の原因が後半の二個の原因となります。
 またアリストテレスは現実世界の現象を観察、調査し仮説をたて実験を繰り返して同じ結果を得られるかを検証するなど現在の科学実験のプロトタイプを作り上げました。
 その後様々な人の発見が積み重なって現在の科学があるのです。

 アリストテレスがそうであるように科学では論理的に仮説を立てることが求められます。また実験をするうえで客観性を高めた計測方法が求められます。ゆえにアバウトなもの、感覚的なものは科学の対象から外されます。例えば伝統や美的センスなど。芸術も自然を観察するというところでは科学と同じですが主観が入っているところが科学との相違点です。
 これは科学の性質が関係をしています。科学というのは様々な人の発見が積み重なって成り立っていると書きました。科学というのは前人が発見した知を継承することに意味があるのです。そして前人の知恵をさらに発展させるのです。したがってみんなが実験をして同じ結果をえられることが求められます。つまり再現性と普遍性が求められる。そしてほかの人はあなたの実験が事実であるとし、その実験をスキップして発展的な実験をします。このため科学は効率的であるといえます。

 その客観性を守るために科学では結果を数字で表す必要があります。大概は統計を用いて有意差を示します。また単位を統一することによって基準も決めます。
 この統計というのは生物というのが個体差があるので結論を下すにはには95%以上で再現される、同じ結果が示される必要があるということです。このため科学ではある特定の出来事を対象にはしません。あくまで原因から結果を示すものですから。これコロナワクチンでも同じことであると思います。イメージとしては論文通りの結果になる95%、そうでない結果になる5%のガチャガチャになっていればいいんです。ずっと引き続けて100%になるとは限りません。

 また効率性の話に戻るのですが科学では話し合いが必要です。科学の発展を考えると情報を共有しその情報の事実から発展的に実験をしていったほうが、それぞれ個人がすでにわかっていることをもう一度実験をしなくてはならないという事態が避けられるのです。したがって科学では常に情報を受け取り勉強する姿勢が重要です。

 話がかわりますが科学では現象を名前を付けることによって区別します。名前を付けて特徴別に区別することによってさまざまな現象を対して原因から結果を出しやすいようにしているのです。

 科学というのはこれまでのことより多くの人に影響を与えるので科学倫理が求められます。これはまたの機会に書こうと思いますが、科学という学問の性質を理解したうえで研究をすることが重要であると思います。それにいい研究テーマが思い浮かばないときのために役立つと思います。

ただ科学は効率性、再現性、普遍性があり具体的な事象、数字で表せないことには非常に弱いということは理解していただきたいです。

補足:研究で重要なこと2つ
1研究テーマが決まれば研究の1/2が終わったようなものだ
2研究ではイメージからいかに具体的な問題に落とし込むかが重要だ

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