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【48.水曜映画れびゅ~】"Respect"~その歌声に圧倒される!!~

"Respect"リスペクトは、現在劇場公開中の映画。

"クイーン・オブ・ソウル"と評される伝説のソウルシンガーアレサ・フランクリンの生涯をジェニファー・ハドソン主演で描いた一作です。

あらすじ

少女の頃から、その抜群の歌唱力で天才と称されたアレサは、ショービズ界でスターとしての成功を収めた。しかし、彼女の成功の裏には、尊敬する父、愛する夫からの束縛や裏切りがあった。すべてを捨て、彼女自身の力で生きていく覚悟を決めたアレサの魂の叫びを込めた圧倒的な歌声が、世界中を歓喜と興奮で包み込んでいく。

映画.comより一部抜粋

"伝説のソウルシンガー"アレサ・フランクリン

1960年代から亡くなる2018年まで、アメリカのソウルミュージックをけん引してきたアレサ・フランクリン

あまり詳しくない方も"Think"など聞き覚えのあるものが何曲かあるのではないかと思います。

聞いてみればきっと「この曲知ってるっ!」ってなりますよ。

個人的に一番好きなのは、オーティス・レディングの"I Can't Turn You Loose"のカバー曲ですね。1970年代、1980年代っぽいディスコ風のアレンジで、ノリノリになれます。

アレサ・フランクリンの経歴は凄まじく、グラミー賞だけでも20回受賞。2005年には大統領自由勲章を受章しており、2009年のバラク・オバマ大統領の就任式典では"My Country, 'Tis of Thee"(アメリカの愛国歌の一つ)を祝唱しました。

そんな彼女の人生を題材としたのが本作。

子供時代から"クイーン・オブ・ソウル"までの軌跡を辿り、知られざる彼女の苦悩なども描かれています。

アレサ・フランクリンが”アレサ・フランクリンを演じてほしかった”女性

そんな本作でアレサ・フランクリンを演じたのがジェニファー・ハドソン

ジェニファー・ハドソンといえば『ドリーム・ガールズ』(2006)ですよね。

ビヨンセやジェイミー・フォックス、エディ・マーフィーといったスターたちを差し置いて、ほとんど無名だったジェニファー・ハドソンがとにかく無双しまくった一作。

その圧倒的な歌声でアカデミー助演女優賞まで獲りましたね。

確かに、"And I Am Telling You I'm Not Going"の歌声には私も圧倒されました。

そんな彼女が演じるアレサ・フランクリン。

実はオスカーを受賞してすぐにこの映画への主演の話は来ており、アレサ・フランクリンから直々に演じてほしいと指名されていたらしいです。

そこから15年経っての映画化。

残念ながらアレサ・フランクリンはなくなっていましたが、この映画公開はハドソンとフランクリンの念願がついにかなった瞬間ともいえるのです。

これは、アレサ・フランクリンそのものではないか!!

そんなジェニファー・ハドソンは自分の声でアレサ・フランクリンを演じました。

つまり全部歌ったんですね!

実は私、この映画の予習も兼ねてアレサ・フランクリンの曲を一週間くらい聞いていました。

それを踏まえての感想ですが…

ジェニファー・ハドソンによる歌声は、アレサ・フランクリンそのものといっても過言じゃなかったですね!!

アレサ・フランクリンのパワフルな歌声がそのまま蘇ったような感じで、とにかく圧倒されました。

その証拠としてアメリカのレイトショーでジェニファー・ハドソンが本作の表題曲でもある"Respect"を歌っている動画を見つけたので、気になる方はぜひ聞き比べてみてください!

黒人差別とも闘った偉大なる黒人女性

そんなアレサ・フランクリンですが、音楽だけではなく黒人差別運動にも積極的に取り組んだ方で、そういった一面も映画で描かれています。

フランクリンの父は有名な教会の牧師だったらしく、公民権運動の活動家たちに囲まれて成長しました。そして、幼いころからキング牧師とも交流があったようです。

そして彼女が名を馳せた1960年代はまさに公民権運動の激動の時代。そんななかで黒人として積極的に声を上げられ、そういった点でも偉大なるシンガーだったことがわかりますね。

ちなみにこの1960年代あたりの黒人差別の時代背景がわかる映画としては、『グローリー/明日への行進』(2014)『大統領の執事の涙』(2013)などがあります。

こういった背景を知ることによって『リスペクト』がより楽しめるのではないかと思いますので、興味のある方はご覧になってみることをお勧めします。

※『グローリー/明日への行進』に関しては現在(2021/11/17)、NetflixとAmzon プライムで配信中です。


前回記事と、次回予告

先週投稿した記事はこちらから!

これまでの【水曜映画れびゅ~】の記事はこちらから!

来週は、9.11におけるアメリカの闇を暴いた衝撃作"The Mauritanian"モーリタニアン 黒塗りの記録をレビューしようと思います。
お楽しみに!