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Texte(四字熟語)の織りデータの作り方
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Texte(四字熟語)の織りデータの作り方

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「存在次元」を例にデータの作成手順を解説します。

Photoshopで高さ8、巾7ピクセルのキャンバスを作成し、「美咲フォント」をで存在次元の「存」をタイプします。
美咲フォントはフリーで商業利用できるフォントで、且つ8x8ピクセルで漢字を表現しているビットマップフォント(ラスターフォントとも言います)です。

ビットマップフォントとは、文字の形をコンピュータ上で表現するフォントデータの形式の一つで、文字を小さな正方形の点(ピクセル)の集合として表したもので、白黒の二階町(二値)で表現されたものです。

ちなみに、ビットマップフォント対し、文字の形状を、基準となる点の座標や輪郭線を表す曲線のパラメータの集まりとして表現したものを「アウトラインフォント」(outline font)と言います。拡大・縮小しても字形が崩れないため現在では広く一般的に用いられています。

アウトラインフォントでもPhotoshopを用いて二値化(白黒化)すれば同じように使えるわけですが、通常二値化+縮小すると文字が崩れます。美咲フォントはもともと漢字を表現できる最小の8ピクセルx8ピクセルで作られているのでそのまま使えます。(とは言え、全部の漢字を完璧に表現できているとは言い難いですが・・)

美咲フォントを8ピクセルx8ピクセルのフォントと記載しましたが、実際には上と右に一ピクセルの巾の余白がありますので文字そのものは7ピクセルx7ピクセルで描かれています。

織物用のデータとして作成する場合は、紙に描くのとは異なり、経糸(たていと)と緯糸(よこいと)の密度を考える必要があります。織物の場合は経糸と緯糸の密度比率が1:1ということはあまりなく、それぞれの織物によって比率がことなります。ちなみに弊社の機は経糸が5,184本あって巾が約52cmですから、経糸が1cm辺り約100本、緯糸が1cm辺り約25本となりますので、4:1の比率となります。○を正円として織りたい場合には、横に4倍の楕円を元絵として描くことが必要となります。

白黒または着色された線描きの絵=元デザインを西陣では「正絵」(しょうえ)と呼び、織物の経糸、緯糸の交差に合わせて描いた織りの設計図を「意匠図」(いしょうず)と呼びます。意匠図は、昔は縦横の密度の補正された専用の方眼紙上に描かれていましたが、最近はphotoshopの解像度の概念を使って織りの仕様に合わせた意匠図を作成することができます。

上と右に1ピクセルの余白のある8ピクセル×8ピクセルの文字を横4倍(8x32)にすると空白部分まで4倍されてしまい、8×32ピクセルにはなるものの、文字の巾28ピクセル+空白4ピクセルとなってしまいます。そこでキャンバスサイズをは高さ8ピクセルx巾7ピクセルとして余白を落とし、それを4倍して8x32のピクセルの文字を作成します。

美咲フォントの「存」8x8(上と右にワンピクセルの余白あり)
8x8ピクセルの「存」の左側の余白を削除して8x7ピクセルに
photoshopの画像解像度にて巾を32ピクセルに変更
織りの縦横比率に合わせて横方向に4倍し、巾一杯の線分を切断する

ただし、文字を構成する横方向の線分が文字巾一杯(32ピクセル)あるものについては16ピクセル単位で分断します。横方向の線分は緯糸を表すものですがこれが長いと糸が浮いて物理的にひっかかる原因になるためです。織物業界用語では「トジを入れる」または「トジる」といいます。

「存在次元」のそれぞれの文字を上記の通り8x32ピクセルにリサイズ(画像解像度の幅を変更)します。

次に新規作成から新しいドキュメントとして144ピクセルx32ピクセルのキャンバスを作成し、作成した8x32の文字を配置します。この時文字と文字の間隔を4ピクセルとすると32,4,32,4,32,4,32,4の合計144ピクセルに、四行四列の「存在次元」が配置されます。この時、一文字づつずらして配置することによって、縦から読んでも、横から読んでも「存在次元」と読める繋がった文字列ができあがります。

巾144、高さ32ピクセルのキャンバスに作成した文字を展開。
一文字づつずらすことによって縦横の両方向につながる

次に、1296ピクセルx32ピクセルのキャンバスを作成し、今作成した144ピクセルx32ピクセルの四行四列の「存在次元」を横に9回コピーし、1296ピクセルx32ピクセルのデータが完成します。生地の巾一杯に文字を展開する場合、1296ピクセルのデータを作成しますが、このことについては改めて詳しく説明します。

1296ピクセル×32ピクセルのキャンバスに144x32の4行4列の存在次元を9回コピーする
上記の拡大図
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京都府与謝郡与謝野町(天橋立から車で10分)でネクタイ生地を織っています。クリエイター(プロ・アマを問わずオリジナルの織物を創りたい人)と繋がって新しいものづくりを目指していいます。www.itohei.com(Webサイト改定中)