"落とし所"の重要性
パーソナルトレーニングに来るお客様の雰囲気は、"頑張るぞ"という気合いが入った感じがします。
まあそれはそうですよね。休みの日にカフェに行ったりマッサージ店に行くテンションとは少し訳が違うのは事実です。
ただ、僕が普段トレーニングや施術を提供しているスタジオセルは前回の記事でも書きましたが、メディカルフィットネスの色が強いです。
要するに、
①身体の痛みコリなどや大小あれどトラブル(の手前)を抱えている
②3ヶ月以上は継続する。
という点が特徴です。
何が言いたいかというと。
『何らかの理由でトレーニングしたくないけど、予約したし来る』
というタイミングがどこかで少なからずあります。
大体2.3ヶ月目にこのタイミングが来る方が多いです。
今回はそういうケースの時にどう考え接するかについて書いてみます。
大事なのは"落とし所"です。
これって教科書にはまず書いてないですし、昨今のHow toに溢れているSNSでもあまり触れられていない項目であると感じます。
ただ、人間なので当たり前ですがめんどくさい時はありますよね。
僕自身が完璧人間とは程遠い人間なのでとてもわかります。笑
線引きが大事
例えば、以下のケースの方が来たとしましょう。
・慢性腰痛持ち
・通っているのは3ヶ月目
・セッションの頻度は週1回
・今日は何らかの原因で睡眠不足&疲労困憊
これだけだともちろん情報は十分ではないのは確かですが。
セラピストやトレーナーの皆さん、あなたならどうしますか?
こういう時に重要なのが上でも書いた、スタート時に決める"落とし所"です。
「落とし所=今日はどこまでできればOKで何はしないか」。
これを決めることが重要です。
ちなみに身体目線で疲労困憊の際に考えられるケースは以下。
・筋出力量が低くなる
・集中力が欠けて怪我のリスクが高くなる
・筋肉への炎症でさらに疲労が困憊し慢性痛悪化などの悪循環
ざっとだけでもこの辺があります。
なので、まずはその方の状態や要望を聞き、その日の内容を決めます。
・ストレッチをいつもより多くして、トレーニングの項目を減らす。
・合間のストレッチを増やし、トレーニングの強度はそのままだけど時間を減らす。
・最初のトークの時間を増やし、悩みなどを聞く。
正解はもちろんないですが。
その日の状態の中で、60分後やその先で見てベストな手段を提供します。
「今日はケアを中心にして、スクワット2セットと、ランジはキュッと集中してやりましょう。」
言葉にするとこんなイメージです。
極論、ニーズを満たせるなら60分ヒヤリングでも良いくらいだと思ってはいますが笑
お客様のその日のベストを探り、何をやって何をやらないか決めることがまず最重要になります。
逆にNGなのは、
「いやいや。疲れているとか知りませんよ。トレーニングしに来ているんだから今日も追い込みますよ!」
みたいなテンションです。ただのトレーナーやセラピストの自己満になってしまいます。
これは、お客様のためではなく、トレーニングのためのトレーニングです。
目的を見誤らない
大事なのはお客様の目的に沿っているか、です。
当店に来るということは、何かしら解決したいことがあるということ。
トレーニングの知識や身体の知識はもちろん大事。大前提。
ただそれを踏まえた上で目の前のお客様に接するスキルが伴っていないと知識だけある頭でっかちな人、となってしまいます。
あくまでその方の目的に向かって、トレーニングに前向きでない時も落とし所をしっかり見つけてセッションを提供すことが中長期的に見て、お客様のメリットになります。
このように教科書やネットに正解のないことも自分の中にアップデートしていくことが大事だとひしひしと感じています。
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