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給料の3倍稼ぐとはどういうこと?


皆さん、給料の3倍稼ぐように会社から言われたことはないですか?
もしくは教育セミナーとかで聞いたこととか。
僕も社内の人材教育で「給料の3倍稼ぐ」を目標にするように教育していた時代があります。
企業によっては5倍と言うところもあれば、売上や利益、何を3倍稼ぐかの指標が違うところもあります。
これは企業によって様々です。
その点をザックリとご説明できればと思います。

簿記3級レベルの知識があれば、既に知っていると思われる内容です。
逆に突っ込んだ内容がご希望の方は、税理士さん、会計士さん、中小企業診断士さん、社会保険労務士さんなんかにご確認ください(笑)
そんな感じでザックリ説明とさせていただきます。

逆にこれを知っていれば、「これだけ稼いでいるのだから給料アップの希望」も出せるかもしれません。

なぜ「給料の3倍を稼ぐように」言われるのか

悩む人

子供時代、小遣い上げてと親に交渉したとして、家計がどのようになっているかなんてわかりませんようね(笑)
僕は毎日50円て時代があり、スーパーで50円のお菓子を買うか、我慢して翌日に100円でおもちゃ付きのお菓子で満足感を得ていたように思います。

やりくり上手な子供時代でしょうか(笑)

話は逸れましたが・・・

まぁ簡単に小遣いは上がりません!!!

社会人になり、給料上げてと交渉するのに、会社の状況がわからないと同じようになってしまいます。

じゃぁ給料分働いたからOKと自己判断すると評価が下がったりします。
これは自分の給料分と会社の期待値にギャップがあるからです。

自分→もらっている「給料分」働いた
会社→「給料の3倍」が期待値

企業により数値は違いますが、考え方は同じなので、説明していきます。

決して「気合を入れる」ために「給料の3倍」と言っているのではないのでご注意ください(笑)

給料3倍と言われる根拠

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ザックリ表です(笑)

ポイントは2つあります。
1つ目をお話しします。

まず会社の目的は「利益獲得」
なので利益全部を人件費に使うということはありませんよね。
なので「営業利益」を確保することを企業の目的と考えて話を進めます。

売上はおそらくご存知なので割愛します。
3倍稼ぐとは、給料25万円もらっていたら75万円、30万円もらっていたら90万円稼いでくるってことですが・・・

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売上のことを言っているのか・・・

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売上総利益(粗利)のことを言っているのか・・・

これは企業によって変わってきます。
業種にもよりますので、是非、上司や経営者にご確認ください(笑)
売上原価の比率は企業によって変わってきます。

売上、売上総利益どちらにしても考え方は同じで
人件費以外に経費があるっとことですね。

そらそうだろ!!!って言うところをグッと堪えてください(笑)

今回はわかりやすいように
売上総利益(粗利)で考えていきたいと思います。

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売上-売上原価=売上総利益(粗利)

この売上原価が業種業態によって変わります。
細かい話は置いておきまして、イメージは「売上-仕入=粗利」です。

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この販管費「販売及び一般管理費」の中に人件費があります。
その他と一つにまとめているところに
・賃貸料、地代家賃
・水道光熱費
・宣伝広告費
・リース料
等が含まれます。

この売上総利益人件費の関係を「労働分配率」と言います。
1つ目のポイントは「労働分配率」です。

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労働分配率は、「労働分配率(%)=人件費÷売上総利益×100」という計算式で算出します。

労働分配率とは
会社が儲けた粗利(付加価値と言うときも)を人件費にどれだけ分配したかを示した数値。
財務分析の指標のひとつで、経営指標として用いられます。

【労働分配率が高いと?】
労働分配率が高ければ、給料比率が高いことを意味します。従業員にとっては嬉しいことですが、会社にとっては高すぎる労働分配率は、経営を圧迫する可能性があるため危険と言えます。

【労働分配率が低いと?】
労働分配率が低いと、会社は効率よく利益を生み出していると言えるかもしれません。しかし、あまりにも労働分配率が低い場合は、利益のわりには従業員の給与水準が低く、労働環境がよくないことも考えられます。

この労働分配率は業種業態によって一般水準数値が違います。
【一般的な労働分配率の水準数値】
・労働集約型:約70%
・準労働集約型:約60%
・標準:約40~50%
・資本集約型:約30%

例えば
資本集約型の業種の場合一般的な労働分配率は約30%なので約3倍で売上総利益となります。

おっと

「給料の3倍稼ぐ」に近づいた感じがしませんか?(笑)

ちなみに資本集約型の代表的業種は「製造業」です。
機械のリース代やメンテナンス費用、減価償却費用等、人件費以外の費用が高くなるため、人件費の構成比率が低くなります。

逆に労働分配率の高い労働集約型の業種例は「コールセンター」です。
たくさんの人員を必要とし、その他の経費がさほど掛からない業種となります。

「スーパー等の小売業」、「卸売業」、「情報通信業」なんかは概ね40~50%なので、標準と言われております。

ここで考えられるのは「アパレル業」
人員が必要な業種なので、労働集約型と思いきや、地代や宣伝広告費、それに設備費等の人件費以外の費用が多いため資本集約型となります。

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某有名アパレル業界の決算書を参考にしますと
「労働分配率(%)=人件費÷売上総利益×100」に当てはめて・・・
労働分配率は28.44%となります。

3倍稼がないといけない!!!どうですか?

このように、考え方の1つとして労働分配率から3倍稼がないといけないと考えられます。
それは業種により3倍なのか5倍なのか変わってきますし、指標が売上なのか売上総利益なのかも変わってくることが、ご理解いただけたかと思います。

2つ目のポイント

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この人件費にも知らないうちに会社に、ご厄介となっている費用が・・・

そうです福利厚生費、社会保険などの各種費用、交通費等が会社負担となっているのです。

給与明細書を見た時、各種保険て15%ほど支払っていて驚いたことないですか?

この自分が払っている保険料と同じ額を会社が払っています!!!

そして・・・

人件費には直接人件費間接人件費があります。
直接人件費は実際に販売を行っていたりする社員の人件費です。
間接人件費は間接部門(総務部や経理部等)と呼ばれる社員の人件費です。
人件費はこの両方を考えないといけません。

例 ※ザックリと計算します。
ある社員の月給が300,000円とします。

社会保険料、厚生年金、雇用保険料が給与の15%、会社も同額負担とし
会社負担保険料 45,000円/月

直接人員4人に1人間接人員が必要と想定して
間接人員負担 86,250円/月

月給+会社負担保険料+間接人員負担=431,250円/月

売上原価や人件費以外の各種経費を50%と想定
(標準の労働分配率50%)

431,250÷0.5=862,500円

給与300,000円の社員に稼いで欲しい金額は862,500円となりますので
約3倍となります。

このポイントからの考え方でも、3倍稼がないといけないことがわかっていただいたと思います。

まとめ

ビジネス17

2つのポイントでお話しした通り、3倍稼がないといけないのは企業によりますが、それに近い考え方を持たないといけないことはご理解いただけたと思います。
そして、「給料分だけ働けばいい」の自分で考える給料分と企業側が考える「期待値」は違うこともご理解いただけたと思います。

そこで!!
3倍稼いでたら給料アップを要求しましょう(笑)

そのためには
指標のすり合わせが重要になってきます。
売上なのか売上総利益なのか、3倍なのか5倍なのか、そして部門によっては算出しにくい部門もあるので数値化にすること。

この方法で、貢献している人は給料アップすることが多いので頑張ってください。

最後に

後藤又兵衛

今回は、社内勉強会の資料もかねて作成したブログになります。共通認識を持って売上や利益に取り組むことは、組織として重要になると考えておりますので、「給料の3倍稼ぐこと」を題材としました。

ちなみに当社はIT企業となりますので、労働分配率は40%を目標値としますので、給料の2.5倍で売上総利益、売上原価は少ないので、給料の3倍で売上となるため「給料の3倍売上を稼ぐこと」を目標値とします。
営業担当者は売上高、SEは開発高を指標とします。

DXに向けたシステム開発。デジタル化の入口であるホームページ制作やITツールの活用(MAやRPA)等の支援を行っております。
お困りのことがありましたら、お問い合わせください。

普段は、歴史、温泉、紅茶、読書なんかのブログを書いておりますが、今回はビジネス系となりますので、会社の宣伝させていただきました。
勝手気ままにブログを書いてる後藤純ですが、他のブログもよろしくお願いいたします(笑)

例えば・・・紅茶ブログ

例えば・・・温泉ブログ

よろしくお願いいたします(笑)

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