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2018年 買ってよかったクラフトジン5選

前置きはともかく、今年買って良かったジンを5種類ほど紹介します。

いいお酒は世に数多ありますが、今回は

・1万円以下
・現在も流通していて購入できる

を条件としています。

美味しいけれど生産量が少なく、もう流通していないジンも数多くあります。
どうせだったら実際に飲んで体感してみてほしいので、まだ酒屋さんやネット通販で買える銘柄に絞って選びました。

本当はワインもご紹介したいものが沢山あるのですが、わたしが飲んだものと同じヴィンテージが買えるか分からないから、難しいんですよね…(ほとんどのワインは1年ごとに味がめちゃくちゃ変わる)

それではどうぞ。

マクヘンリー ドライジン

わたしがジン好きになったきっかけです。

ワインの試飲会に行ったら宜しければこちらもと勧められ、ジンはあまり…といいつつ飲み干してしまった1品です。そのあとカルチャーショックでヘナヘナになりながら出勤しました。

産地は「世界で最も水と空気が澄んでいる」とされるタスマニア。
公式HPを読むと
”タスマニアの水晶のように澄んだ湧水。南氷洋からもたらされる冬の季節的降雨によって純粋な山水が春までに地中へ染み込み、約1億8000万年古代の花崗岩と粗粒な玄武岩の地層を浸透することで豊富なミネラルを含みます。”
とあります。
飲めるジュラシックパークってこと?

香りはドライなんだけれど、どこかに梅酒のようなチャーミングな果実感があって、コリアンダー由来の清涼感も併せ持ってる。
いま流行りのハーブのお酒あるじゃないですか、ああいうのを想起させます。
飲み口は男性的ですが、半生のオレンジピールが飲み口を和らげ、楽しいスパイシー感を演出しています。

決して優しくも温かくもないけれどそれでも到達したい、美しく雄大な自然を思わせる味。


クローバージン ラッキー4

ベルギーの3姉妹(雄大な自然の中で生きる美女たち)が作る「女性のためのジン」

ボタニカルはグリーンティー、クレモンティーヌ、ベルガモット、シロツメクサ など

これは紛れもない「飲むお花」。
お花畑の中心に立っているような、ワクワクさせてくれるチャーミングな香り。
魅惑的なフルーツが瑞々しく、絵本に出てくる洋梨のパイを思わせます。

どこか懐かしいニュアンスは母の香水をこっそり振ってしまった「無い思い出」が蘇りそうになって危ないぞ。そんな体験は存在しない。
飲み口はどこまでも柔らかく、甘さのない花のシロップのよう。そうわたしは虫…

これは「1日の終わり」の香りでありながら「新しい冒険の予感」を孕んだジンです。
異国のホテルの白いベッドに体を埋めるような心地よさ、明日の予定はどうしようとか、今日食べた名前も知らないお菓子が美味しかったとか、そういうことを考えるための。

最近ミニチュアボトルも出たらしいから、ジンが初めてという方もぜひに。
わたしももう1本買います。


ハリスジン

スコットランドのハリス島で蒸留されています。
ハリスツイードって有名ですよね。あそこです。

まずボトルがお洒落でえらい。飾っているだけでも幸せな気持ちになれる。

香りは結構普遍的なんですよ。
あークラフトジンてこうよね、わかるわかる、信頼と安心のねえ…ってやつ。

でも一口飲むとすごい、海に落ちる。
フィリピンの海に潜った時の記憶が蘇ってくる。
それもそのはず、ボタニカルの筆頭に樺太昆布が使用されているではありませんか。
シュガーケルプなんてお洒落な名前で呼んでもお前、昆布だからな。味でバレバレだからな。自信を持て。

なんとも言えないミネラルの旨味とトロピカルフルーツのようなニュアンス、喉を通るまで知らないふりをして流れていくスパイシーさとアルコールのボリューム感。
飲むのが止まらない…困ったぞ…海のごとく深い味が存在しているぞ…

助けてー!!


コーヴァル ドライ・ジン

これさあえっちすぎない?

隠微な香りとかそんなんじゃなくて、もう「最中」じゃん。もなかじゃないよ、「最中」。
コーヴァルといえば、禁酒法以来シカゴに初めて建設された蒸留所。

元モデルで大学教授の奥様と、元大使館の報道官の旦那様によって建設された異色さが話題になりました。
使用するボタニカルは全てオーガニックな上に、コーシャ認定まで受けています。

で、これがめちゃくちゃに隠微で官能的。香りの温度が人肌なんですよね、まずウッドやファブリックを思わせるアロマがあって、それぞれがただの木、ただの布でなく、
「人が座った後のフローリングの生暖かさ」「誰かがさっきまで眠っていたベッドシーツ」の温度を持っている。
味もすごい。
未知の密林を旅する人が困憊の末ようやく得る花の蜜、という感じがする。甘さはないけれどそれでも、誰かや何かに隠れて、禁じられたものを拝借している感覚が拭いきれない。

こんなものが普通に売られていていいんですか?


クレイジーマンデージン

ベルギーの小さな村で蒸留されています。

ボタニカルにはジンジャー、甘草、シナモン、カルダモン、コリアンダーなど。

ラベルのピエロ(?) が持ってきたお皿には焼いた林檎にシナモンがかかっていて、
魅惑的な甘い香りがするけれど食べたら戻ってこれないんだろうな、という香りです。
口にするか迷ってると、次々とカルダモンやジンジャーの香りが足されていくんですよ。

敗北のためのジン。

もういいです負けました、どこへでも連れ去ってくださいと思って口にするとまあそのスパイシーなこと!!
やっぱり騙しやがったなお前、と思っていても飲むのをやめられない。
そんな魔法に(あるいは呪いに) かかってしまいます。

クレイジーマンデーという名前自体、月曜日に開催されるベルギーの伝統的なお祭りが由来らしいですが、
探せど探せどそんなお祭りの画像は出てこない。

やっぱり、騙されているんじゃないかしら。


以上、今年買って飲んで良かったジン5選でした。
この文章を書くために複数日かけてジンを飲む→素面に戻る→ジンを飲む→(以下繰り返し) をしたり、過去のテイスティングメモを読み直したりしてできる限り鮮明な記憶を掘り返しています。
ジンもバッチによって味がとっても変わるから、来年はまた違った香りと味が楽しめるかもしれません。

皆さんの感想や飲んでよかったお酒の話もどしどし募集していますので、noteにコメントをいただけると嬉しいです。

じゃね、みんな良いお年を。
JUNERAYでした。

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