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2022年に向けて

謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

「人に伝える」を考えた2021年

2021年は、コロナ禍ながら、色々な新しい挑戦がありました。特に、ハフポストとタイアップしたPEPゼミ地経学ブリーフィングのデジタル政策関係East Asian Forumへの寄稿などの執筆の機会や、学生向けや企業向けなどの講演、イベントでのモデレーターやパネルの機会が増えました。商社時代に行なっていた事業という形での経済活動とは異なる軸で、インプット面でもアウトプット面でも自分の未熟さに悶絶し続けています。尊敬する先輩方から指導や刺激を受けながらアジェンダ設定の重要性、提供できる付加価値とは何か、そして「人に伝える」ことについて考えた一年でした。

2022年に取り組みたい3分野

2022年は、2019年秋にAPIに席を置かせていただいて以来取り組んできた分野を大きく飛躍させると共に、自分がライフワークと感じている部分にしっかりと取り組んでいきたいと思います。主には以下の三つです。

● 政策起業家

今年は「政策起業家」元年になると信じています。

1月にはPEPコアメンバーとして我々の取り組みを牽引してくれ、まさに日本を代表する社会起業家であり政策起業家であるフローレンス代表理事の駒崎弘樹さんの政策起業家本が出ます。またPEPにも参加してくれているNPO法人SETの三井俊介さんは被災地・復興文脈での政策起業家に着目した論文を出しました。2019年に船橋洋一先生が著書の中でその概念を日本でも提唱してから、社会起業家や地域の活動家の中から変化を起こす存在としての政策起業家が注目を集めていくことに喜びを感じます。

APIで当方が運営する政策起業家プラットフォームPEPはそういったリーダーたちの繋がる場所、確認し合える場所、概念を発信していく場所でありたいと思います。

個人的に私が特に着目したいのは、政策起業のエコシステムの形成と民間企業/ビジネスから見た政策起業の営みです。テクノロジーの進化やビジネスモデルの変化によって、今まで1企業で、1業界で実現してきたことがより多くのステークホルダーを巻き込んでガバナンス・規制の変化まで踏み込まないと実現できなくなっています。デジタル化も気候変動も間違いなくそういった分野です。

目の前の困りごとから、大きな産業構造の変化まで、官民問わず連携していけるような素地を作ることに、少しでも貢献していきたいと思います。

● テクノロジーの社会実装

2021年初に馬田隆明さんが研究会の成果物として出した「未来を実装する」から、引き続きAPIの立場では馬田隆明さん達と一緒に社会実装について探求しています。今回は、スマート・シティを題材に、実装を成功させるガバナンスや経済性に着目して考えています。
岸田首相のデジタル田園都市国家構想が打ち出される中で、地方創生の文脈とテクノロジーの活用がどう良い方向で循環していくのか。地域の方々が個性と住民の幸せを大切にしながらどう実装に取り組んでいるのか。成功の鍵について、様々なキャパシティで理解を深めていきたいと思います。

● 「働く」を考える

まさか元旦の日経一面に「フレキシキュリティー」という言葉が出る日が来ると思っていませんでした。技術的失業、人生100年時代、日本型雇用の転換、女性活躍…様々な外的変化や構造変化が起きる中で、

・プロフェッショナルが世界で戦えるプロフェッショナルな仕事をできる
・人生、何度でも挑戦できる
・一所懸命働いている人が生活に困らず、明日に希望が持てる

人的資本に投資し、人々の幸せとともに国の底力を上げていく。そんな社会を実現したいというのが私のライフワークの一つです。
実は上の二つとも密接に関係するこの「働く」についての問い、今年はしっかり深めたいと思います。

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いずれの分野もデータとストーリーを大事に、そして何より机上で理解したつもりにならずに、現場に出ることと最終インパクトを大事にしたいと思います。個人的な商社時代からの関心事としては日本のエネルギー問題、そこに纏わる経済と安全保障の課題もウオッチしていきたいと思います。最後に、ついつい後手に回りますが、その過程をできる限り発信するようにしていきます。

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振り返れば、2020年に菅首相が大きく号令をかけて舵をきったデジタル庁の設立、カーボン・ニュートラルといった方向性が、2021年を加速させる重要な布石となりました。更には延期された東京オリンピックの無観客開催、デルタ株の収束に向かわせたワクチン接種の急拡大。様々な動きがある中で、年後半には総裁選、衆議院議員選挙も実施され、政治が国民の審判を受けることとなりました。2021年は、良くも悪くも政治の力をとても感じる1年間だったように思います。

そんな中でもコロナ民間臨調でリーダーとしてご指導いただいた塩崎彰久さんが衆議院議員になられたり、尊敬する牧島かれん議員がデジタル大臣/規制改革・行政改革担当大臣に、小林史明議員が副大臣になられたり。首長経験者や事務局長族的に力を蓄えてきた若手の議員の方々が前線に立って活躍されていることに、心から喜びと期待しています。

2022年。明るい兆しが見える良い年になりますように。


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