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記憶の引き出しを開けて

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僕が文学に目覚めた頃、出会った風景や人々、感動した小説に関する記事を集めてみました。
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#小説

僕が出会った風景、そして人々(番外編その⑪)

遺跡の発掘現場で芽生えた恋 前回はT坂遺跡の現場開始にあたり、新メンバーを招集したところ…

asami_kun
10か月前
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僕が出会った風景そして人々(番外編⑨ )

発掘現場の人間模様その2 この物語(?)に登場する人物については、「番外編⑤」でも簡単に触…

asami_kun
2年前
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僕が出会った風景そして人々(番外編⑧)

さて、話を元に戻そう。はからずも初心者の僕がリーダーにされてしまい、波瀾万丈のスタートを…

asami_kun
2年前
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僕が出会った風景そして人々(番外編⑦)

発掘調査の範囲(時代・深さ) さて、現場の発掘調査に話を戻そう。前々回に、重機による表土…

asami_kun
2年前
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青春の道化師(冒頭)

花火の夜 東京の七月は暑かった。梅雨が終わったかと思うと、またじとじとと降り出し、蒸し暑…

asami_kun
2年前
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僕が出会った風景、そして人々(番外編③)

発掘現場の仕事 次の日、現場に行くと、新しい仕事が僕を待ち受けていた。遺物上げだ。 笑い…

asami_kun
2年前
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僕が出会った風景、そして人々(番外編②)

発掘アルバイトの初日、「ゴミ穴掘り」という重労働プラス「軽トラの荷台から落っこちる」というダブルパンチを受けた僕は、身も心も疲れ果ててアパートに帰った。バスを降りてとぼとぼと歩く道すがら、電信柱にとまったカラスが僕の背後で「アホー、アホー」と鳴いた・・・。 4畳半ひと間の薄暗い部屋に戻り、冷蔵庫から缶ビールを出して一気に飲み干した。 冷たいビールが喉を通り、胃の中に流れ込んでいく。 「・・・うまい・・・。」 6月の終わりで暑いということもあったが、重労働の後のビールっ

僕が出会った風景、そして人々(番外編①)

舎人を出たあと僕が移り住んだのは、東京23区外の、いわゆる多摩地区と呼ばれた地域の一画だっ…

asami_kun
3年前
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『僕が出会った風景、そして人々』⑥

家庭教師のこと。 舎人で生活を始めて間もなく、近所の高校生の家庭教師を頼まれて勉強を教え…

asami_kun
3年前
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『僕が出会った風景、そして人々』⑤

本題に入る前に・・・ こんなこともあった。 友人たちと共同で借りた一軒家は、1階に風呂場と…

asami_kun
3年前
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『僕が出会った風景、そして人々』④

まずはお酒の話から本題に入る前に、お酒の話をしようと思う。 僕の父親は高校の教師だった。…

asami_kun
3年前
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『僕が出会った風景、そして人々』③

予備校のこと 前回、舎人で悪友たちと一軒家を借りて、気ままな浪人生活を送ったと記したが、…

asami_kun
3年前
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『僕が出会った風景、そして人々』②

”記憶の引き出し”の中にある宝物 今回は、舎人で経験したことや、人々との交流について書い…

asami_kun
3年前
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『僕が出会った風景、そして人々』①

記憶の引き出しを開けてみた。 お話の前に、そもそもなぜ僕がここ(note)に記事を載せ始めたのか、というところから始めたい。 二ヶ月ほど前、僕は久しぶりに書斎の掃除をしていて、ふと、本棚の上に置かれたボール紙の箱に目がとまった。  それは、学生時代にせっせと書きためた小説(っぽい文章)や、(強いて言うなら)詩、そして創作ノートを兼ねていた分厚い日記帳、当時友人とやり取りした手紙などが入った箱だった。  以前から、ごくたまに気が向くと中を開けて、当時のことを懐かしく思い出し