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asami_kun
2021年12月11日 08:26
過去回りの旅私は車窓に顔を押し付けるようにして、外の景色が見え始めるのを待った。今はまだ深い霧のため何も見えないが、やがてそこに自分の過去の光景が映り始めることを知っていた。私は紳士に尋ねた。これから残された時間がどのくらあるのかわからないが、この人物には、いろいろと聞いておきたいことがあるのだった。「そういえば、僕たちのほかにも、これに乗った人々がいるんでしたね」紳士は私の質問に
2021年11月11日 16:45
(前回までのあらすじ)僕とキヨシとユミは幼馴染で大の仲良し。ある日、秘密の通り道で紫色に輝く不思議な切符を拾ったのがきっかけで、怪しいタクシーに乗って時空を超える旅にでることになった・・・。「うむ。少し脇道にそれてしまったようだな、本題に戻ろうか。”無”に関する話だったね。」「宇宙と宇宙がくっついている話だったわ」「君たちは箱の中の住人ゆえ、箱に関しては詳しいことだろう。だが、どう頑
2021年10月10日 15:39
「さてそれでは、過去回りでいくかね、それとも未来回りにするかね」(前回のつづき・・・)この運転手はいったい何を言っているんだろう。 僕はこの車に乗ったことを次第に後悔し始めていた。『この人は誘拐犯人かもしれないぞ。きれいな目立つ切符をあちこちに落としておいて冒険好きな子供達をおびき寄せ、誘拐して外国に売り飛ばすつもりなのかも。もしかしたら、あの幽霊屋敷の住人なのだろうか?ああ、やっぱ