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タイミーでの9ヶ月間で得た学びとエンタープライズセールスの真髄

はじめに

こんにちは。タイミーの竹内です!

今日は、私が9ヶ月間新たに取り組んできた「エンタープライズセールス」について振り返りたいと思います。

少し背景をお伝えすると、今年2月に人事異動があり、大手飲食企業様のグロースを担当しています。

私が担当する企業様は、一つのブランドのみを展開しているのが特徴です。また、フランチャイズビジネスも展開しており、法人の数は数百社に上ります。そのため、一つのブランドですが、実際にはSMB(中小企業)も担当しており、業務の複雑性は高いです。
そのため、タイミーを導入されていない法人様には、新規提案から導入支援までを一貫して実施しています。

少し話は変わりますが、タイミーは今年7月に東京証券取引所グロース市場に新規上場しました。
現在、注目度が高まっているタイミーですが、それに伴い、私自身のスキルセットを見直す機会も増えてきたように感じます。

これは、「エンタープライズセールスにおいて身につけたいスキルを真剣に考えている」というイメージです。
具体的には、「エグゼクティブに対して最適な提案ができる」とか、「大手企業向けに新規営業開拓ができる」といったスキルが必要だと考えています。

しかし、これらのスキルを習得するためには、絶え間ない鍛錬が不可欠だと自負しています。
まるで一度生まれ変わるかのような覚悟で、今、私自身が身につけたいと思っているスキルです笑
(最近では、「既存顧客に特化した営業組織」をカスタマーセールスとも言うらしいですね。)

エンタープライズセールスの魅力について
エンタープライズセールスの魅力は、何と言っても企業数が少なく、商談単価が高い点です。

契約後の影響力が大きいことも特徴ですが、その一方で、決裁プロセスが複雑であり、会社の意思決定に時間がかかることも大きな特徴です。
詳しくは、RightTouch代表取締役の野村修平さんの記事でご説明していますので、ご覧ください。

一昨年、私は初めて大手企業様への新規提案からタイミーの導入、そしてグロースを経験しました。

私自身の運も非常に良かったのですが、大手企業様でのご利用が拡大するにつれ、タイミーの認知度も同時に広がり、その過程については言葉では表現しがたい高揚がありました。これは、私が考えるエンタープライズセールスに従事する魅力です。

4年半前に入社した当時は、タイミーはテレビコマーシャルで放映されていたものの、まだ広く認知されておらず、若者向けのサービスという印象が強かったです。
しかし、ある瞬間を通じて状況が一気に変わるのを、当事者として肌で感じることができました。

しかし、当時は担当する企業様や業界の課題やニーズが非常に大きかったため、自分の実力以上の結果が出たことにギャップを感じる瞬間もありました。

現在は別の業界課題にも取り組んでおり、着実に実力が身についている実感があります。
ようやく地に足のついたエンタープライズセールスに従事している感覚があり、営業活動を楽しめるようになってきました。

今も他業界のトップ企業様のリードを任せていただいていますが、親交のある知人から、私の担当企業様の名称が話題に出てきた際には、ぐっとくるものがあります。

この振り返りの目的
前置きが長くなりましたが、今日は、私がエンタープライズセールスで意識しているいくつかの視点をお伝えしたいと思います。

  • 営業環境の変化

  • 営業活動の戦略

  • 成功と失敗体験

  • スキルの向上

です。
どうか、最後までお付き合いいただけますと幸いです。

営業環境の変化

市場のトレンドや業界の変化
エンタープライズセールスを行う上で、市場のプロフェッショナルである必要があります。
なので、冒頭では「スポットワーカー」のトレンドや業界の変化についてご説明したいと思います。

「スポットワーカー」という言葉が認知され始めてから、2021年末時点で228万人だったワーカー数が、2年9ヶ月で約3.9倍に増加しました。

出所:タイミーHP『タイミー、累計ワーカー数900万人を突破 スポットワーカーの99.4%が本職と兼務

私の周りや事業者様からも「タイミーに登録してみました」という声をいただく機会が増えており、2024年9月には900万人を突破しました。

これは、2023年の労働人口が6900万人であるため、13%以上が登録していることになります。また、学生層に加えて、主婦層やシニア層、会社員の副業にも広がっています。

しかし、代表の嶺さんもインタビューで触れていますが、「タイミーは非正規労働者を増やしたいのか」という印象が先立つ可能性について指摘します。

上場して注目が高まると、「タイミーは非正規労働者を増やしたいのか」という印象が先立ってしまう可能性も考えられます。
そうじゃないんだと世の中にお伝えするために、働き手の長期就業を支援する「タイミーキャリアプラス」を上場前(今年2月)にローンチすることを決めました。
タイミーをきっかけに正社員になった方など、ワーカーさんのキャリア形成につながった事例はすでにありますし、これを拡大することには大きな意義があります。
こういう事業はまさに、今やるべきビジョン投資だと判断していますね。

ユートラ編集部『2100年の日本人を、幸せにしたい。27歳で大型上場を遂げたタイミー・小川嶺の“脳内”

これについては、「スポットワーカーを対象にしたアンケート調査」の結果や、働き手の長期就業を支援する「タイミーキャリアプラス」の事業内容を通じて、今後も埋め合わせていきたいと考えています。

まず、タイミーでは定期的に外部調査機関による「スポットワーカーを対象にしたアンケート調査」を実施しています。

私自身も非常に勉強させられるのですが、これにより、スポットワーカーに対するイメージと実態のギャップを少しでも埋められればと考えています。

実は、「正規の職員や従業員の仕事がないから」という理由でスポットワークをしている方は、全体の4%であることがわかりました。
これはつまり、不本意でスポットワークをしている人が少ないことを示しています。

出所:タイミーHP『タイミー、累計ワーカー数900万人を突破 スポットワーカーの99.4%が本職と兼務

一方で、「自分の都合の良い時間で働きたいから」という理由でスポットワークをしている方は、全体の58%を占めており、時間に縛られない働き方を望んでいる方や、その実現に貢献できている実態がわかりました。

「そんな働き手目線の都合の良いことが実現するわけがないじゃん!」ということが、タイミーが実現してきたことになります。

何よりも私が興味深かったのは、スポットワークのみで生計を立てていると回答した方が全体の0.6%だったことです。
つまり、スポットワーカーの99.4%の方が、本職と兼務しているということになります。

出所:タイミーHP『タイミー、累計ワーカー数900万人を突破 スポットワーカーの99.4%が本職と兼務

2024年10月時点で、タイミーにご登録いただいている会社員の割合は29.7%です。
そのほかにも学生、自営業・自由業、パート・アルバイト、専業主夫・専業主婦がいますが、それぞれが本職を持っていることがわかりました。

私もタイミーを利用して物流倉庫で働いた際、大学生でアルバイトを兼務している方や、会社員で鏡職人をされている方、自営業で倉庫関連の事業をされている方とチームを組んだことがあり、多種多様な人材が集まる実態に触れていたことを思い出すことができました。

また、「タイミーキャリアプラス」については、働き手の長期就業を支援する事業として、2024年2月に立ち上がりました。
この事業は、タイミーを利用してご勤務いただくワーカーさんの背中を押す役割を担っています。

具体的には、自分自身では気づいていない働きぶりを、私たちが客観的な立場からお伝えし、企業様にお繋ぎするサービスとなっています。

昨今、労働者人口が減少する中で、正社員の採用はどの業界や職種においても求められている課題です。

私が担当する企業様からいただいたお言葉で印象的だったのが、「売上も大事だが、それよりも正社員を採用することがもっと大事だ」というものがあります。こちらは広島県の企業様なのですが、非常に強い危機意識を肌身で感じました。

だからこそ、スポットワーカーとして働くことを選ぶ方々が増えている中で、「正社員として働く」という選択肢も提案しています。
より多くの労働者が求められている時代だからこそ、私も必要なサービスだと考えます。

このように、「スポットワーカー」のトレンドや市場は変化し続けており、私たちがお客様に対してお伝えし続けることも職務だと考えています。
既存の営業手法でも売れなくはありませんが、学習コストをかけて、目の前のお客様に合わせた提案を追い求めたいと思います。

営業活動の戦略

ターゲット企業の選定基準
ターゲット企業の選定基準について触れていきたいと思います。
ターゲット企業の選定については、私は1社のみを担当しているため、今回は省略します。

一方で、ターゲット「事業所(=飲食店の店舗を指しています。)」の選定基準は存在するので、ご説明します。

前提として、昨年までは大手物流企業様を担当しており、事業所(=物流倉庫のことは指しています。)の数は限られていました。
また、商圏も関東に限られていたため、1事業所ずつフルコミットすることができていました。いわゆる、ハイタッチでのグロース支援です。

しかし、今年から飲食企業様を担当することになり、事業所の数は数千に上り、商圏も全国に広がりました。

つまり、自分のリソースを有効活用しなければ、お客様のビジネスを成功に導くことが難しいという現実に直面しました。

結論として、事業が成長している地域で、かつ働き手が多い地域に限定してアプローチを開始しました。

幸いなことに、ターゲット企業の選定基準や営業戦略の立案、目標設定に優れた上司のもとで仕事をしていますが、私はその内容を頭で理解するのに時間がかかり、実行に移すまでに遅れが生じました。
要するに、ターゲットの事業所を選定することができなかったのです。

このnoteの投稿もそうですが、giverの精神を持つ私は、「すべて」のお客様を成功に導くことが難しいという現実を受け入れるのに時間がかかってしまったのです。

アプローチ方法(訪問や電話、メールなど)
数々の試行錯誤を繰り返し、アプローチ『方法』もシンプルにしました。

物流企業様を担当していた際の「訪問」というアプローチを極力抑えて、オンライン商談、電話、メールを活用しました。

詳細は割愛しますが、お客様との接点数をとにかく増やすことに注力しました。「とにかく」の定義としては、個人の目標打ち合わせ数を300%達成しながら、課題やニーズを模索しました。

その結果、オンラインでのコミュニケーションが中心でも、お客様のニーズや課題が見えてくるようになりました。
また、事業所が多い大企業では、各都道府県ごとに企業様のニーズや課題が異なることもわかってきました。

さらに、本部も把握していない実態を知ることができるようになりました。
私が最終的に目指しているのは、大企業の本部とフランチャイズ法人様の架け橋となることです。

本部が知らないこと、法人様が知らないことが明らかになるにつれ、アプローチの方法にこだわる必要がますます少なくなっていきました。
要するに、「訪問」というアプローチ以外でも、お客様を喜ばせることができるということです。

お客様のニーズに合わせた提案の工夫
すべてのお客様に同じ支援をすることは現実的ではないと、商圏が全国に広がったことで初めて実感しました。

これはお客様も同様で、需要と供給の観点から、働き手の確保にニーズや課題がない場合、私たちのサービスは利用されません。
したがって、最も働き手のニーズや課題を感じている地域や企業様に注力しなければ、最短距離で成功に導くことはできません。

また、お客様は成功事例を求めています。「うちの会社でもうまくいくのか?」という問いに対しては、具体的に説明し、ご納得いただく必要があります。
これは費用対効果の話で、タイミーは完全成果報酬型のためリスクは極めて小さいですが、明確な情報や事例を提供するためにも、このエリア戦略は有効な施策となります。

成功と失敗体験

お客様との信頼関係構築の重要性
これは現在進行形で、人手不足が顕在化している地域の課題解決に取り組んでいます。
お客様との信頼関係を構築する上で重要なことは、お客様に何を提供すれば喜ばれるのかを理解し、お客様のKPIを正確に把握することです。これが最も重要なステップとなります。
また、その情報を開示していただけるような、日頃の支援活動や良い提案が必要です。

なので、成功体験をつくるためには、まずゴールを設定する必要があります。
その後の実行を楽しむためにも、私は常に意識して取り組んでいます。

例えば、「12月から『年収の壁』でシフトに入れないスタッフを見越して、15名のアルバイト採用を目標にしている」と聞いた際には、目標の採用人数に近づけるように、担当者様やその他の関係者と目標をすり合わせ、期間を決めてプロセスを含めながらプロジェクトをマネジメントします。

他にも、「店舗の改装オープンを控えているが、なかなかアルバイトの応募が入らない」と聞いた際には、短時間でアルバイトを体験していただき、当該店舗の業務を自分ごととして捉えてもらうためのプロジェクトをマネジメントします。

お客様との関係を構築するには、遠回りがあるかもしれませんが、近道はないと実感しています。
もちろん、最短で成果を創出することが最も望ましく、お客様にも喜ばれます。
しかし、ある程度はお客様のニーズや課題に対して、実際に調査を行い、仮説を検証する必要があります。
現場のニーズや課題への感度が落ちると、何事もうまくいかないことを学んだからこそ、今、自分が一番大切にしている考え方です。

データ活用による戦略的アプローチ
お客様に提案し、実際にサービスをご利用いただく上でも、データ(実績)は非常に重要です。私が担当する企業様は、お取引が開始されてから約5年が経過しています。

これは同時に、先行者優位のビジネスモデルを構築できており、働き手を高い確率で集めることが可能です。
人手不足の時代において、働き手を確保できるかどうかは、現場にとって非常に重要な点となっています。
「本当に人(=働き手)が集まるのか」。お客様は、お客様自身の仮説を立てて行動しています。そのため、根拠となるデータを開示し、意思決定をサポートするアプローチが重要です。

失敗から学ぶ、成長への道筋
失敗についても触れていきましょう。
私は現場担当をマネジメントする立場にありましたが、現場担当に頼りすぎた点がありました。
要するに、実態を把握しきれずに、事業を推進できなかったのです。

これは担当する企業様の特徴を理解する必要があるのですが、エグゼクティブへの提案で一気に進む企業もあれば、現場から着実に課題とニーズを解消していくモデルの企業もあり、大きく異なります。

また、仮説ドリブンで実行力に課題がある場合、事業は滞ります。
私は営業とは、どれだけお客様に接し、お客様の課題に向き合い続けたかだと考えています。
これは役割が変わり、現場に立つ場面が少なくなったとしても、決して忘れずに向き合い続けたい学びと行動であると実感しています。

スキルの向上

お客様との信頼関係を築くための取り組み
お客様との信頼関係を築くための取り組みとして、提案の量と提案の質にはこだわりました。
お客様も忙しいので、配慮はしますが、遠慮はしません。
「この営業担当は良い提案をしてくれる」と思っていただけるかを重要視しました。

あとは、レスポンスの速さです。
私と一緒に仕事をしていただければわかると思いますが、レスポンスの速さを重視しています。
「すぐに返せるメールには、数分で返信する。」という当たり前を続けられるかも重要だと思っています。

定期的なフォローアップの重要性
「お客様も忙しいので、配慮はしますが、遠慮はしませんでした。」とお伝えしましたが、これは私の軸になっています。

お客様の本音を伺うため、定期的なコミュニケーションとフォローアップに注力しました。

その際、複数のプロジェクトを代わりに管理しながら、定期的に打ち合わせを実施し、小さく完了させていくことを心がけました。
私がオーナーシップを持ち、お客様の課題解決に取り組むことで、期限通りに物事を進める活動を何度もこなせたのは良い学びでした。

いわゆるプロジェクトマネジメントにおいて、どのようにプロジェクトを進めれば成功するのか、詳しく計画を立て、管理していく経験を大手企業の本部様とともに積めたことは、貴重な経験となりました。

さいごに

私のエンタープライズセールスの振り返りを通じて、営業活動の変化、戦略の重要性、そして信頼関係の構築がいかに大切かを知っていただければ嬉しいです。
また、市場や業界の変化に敏感になり、顧客のニーズに応じた柔軟なアプローチを行うことで、成功につながることを実感しています。

今後もこれらの経験を活かし、さらなる成長を目指していきたいと思います。最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。


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