フォローしませんか?
シェア
伊東潤
2020年9月7日 10:45
現在徳間書店「読楽」にて連載中、女ねぶた師を描く人間ドラマ『修羅奔る夜』試し読み版です。東京で派遣社員として働く工藤紗栄子は、ねぶた師の兄の病気を知って青森へと帰省するーー。第一章 ねぶた師の血六 青森県は本州の北端に位置し、北は津軽海峡、東は太平洋、西は日本海に面しているため、古来、海を渡ってくる文物が多く、一般に想像されている以上に開けた地域だった。 青森県の沿岸には黒潮や親潮
現在徳間書店「読楽」にて連載中!女ねぶた師を描く人間ドラマ『修羅奔る夜』試し読み版です。主人公は東京で派遣社員として働く、工藤紗栄子。何かに熱中し、何かを達成したい。でも毎日は・・。第一章 ねぶた師の血一 冬の雨が窓を冷たくする。そこに頬を付けていると、その冷気が頭の芯まで冷やしてくれるような気がする。 オフィス街だからか夜の町は人通りが少ない。時折、通り過ぎる人々も、傘を斜めに差して