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星野リゾートの経営理念は「リゾート運営の達人」。あなたの会社は?

 経営者の皆様、おはようございます! 昨日に続き、星野リゾートのお話です。星野社長は世界的にも有名な経営学の本を「教科書」として、そのまま実行するのが成功の秘訣という持論を持っていらっしゃる話を、昨日は書かせていただきました。

 一緒に紹介させていただきました、ジェームズコリンズの「ビジョナリー・カンパニー」をどのように星野社長は「教科書」として使ったのでしょう?

 本「ビジョナリー・カンパニー」の内容を振り返ってみると、①ビジョナリーカンパニーとは、時代を超え際立った存在であり続ける企業である。②ビジョナリーカンパニーには、カリスマ的な経営者は不要である。③ビジョナリーカンパニーには、単なる金儲けを超えた基本的価値観と目的意識がある。④基本理念の中身として不可欠な要素はない。社員の指針となり、活力を与えることが重要である。⑤基本理念は時代や流行に左右されてはいけない。大切なのは、維持しながら進歩を促す点である。⑥基本理念を組織の隅々にまで浸透させることが重要である。

(以下、経営理念=ミッション+ビジョン+バリュー)

 本、「ビジョナリー・カンパニー」は、理念経営の大切さ、重要さを調査結果を用いて書かれた本ですが、星野社長は、リーダーシップの教科書としてこの本を掲げています。

 社員の気持ちを一つにまとめる。そのためには、経営理念を掲げて会社の目指す方向を示す。社員の耳にタコができるくらい経営理念を言い聞かせるために、経営理念が音声メッセージで流れる目覚まし時計などのグッズも作り、社員に配布したそうです。すごいですね!

 星野社長が先代から旅館を引き継いだ当時は、人がどうしても集まらなかったそうです。人材が集まらないという問題を抱えていました。地方の旅館という現状を説明しても人が集まらないなら、将来像”ビジョン”を伝え、人を集めよう!と考え、「リゾート運営の達人」という経営理念を掲げました。

 「なんだかおもしろそう」「分かり易くて筋が通っている」という事で興味を持つ人が増えたという事です。

 経営理念を浸透させるためには、先述の通り、オリジナルグッズを作ったというこだわりよう。目覚まし時計、ビジョナリーマグカップなど作成し、毎月開く社員誕生会で配られるそうです。

 そして、経営理念が浸透した今は、シェフによる調理メニューも、経営理念から発想されます。ビジョンを実現するために、調理はどうあるべきか。メニューはどうするのか?

 また、星野社長は企業文化を維持することが、会社の最重要課題だと社員の方に伝えています。経営理念は未来への夢や存在意義を伝えるものであり、経営理念を実行することにより作られた企業文化はもちろん重要ですよね。

 星野リゾートは、「リゾート運営の達人」としての存在こそが我々の価値であると考えており、利益は存在を維持または拡大するための手段であり、目的ではありません。

 よって、経営理念に「売り上げx円、 利益率x%」などと書いている会社は、そもそもの理念の意味を理解されていないと思います。

 私が行っているエグゼクティブコーチングや経営コンサルティングにおいて、「経営理念」に対し、なぜ一番力を入れるかはそこなんです! 経営理念を策定し、浸透させることにより、必ず会社は良くなります。

 経営者は夢を語り、方向性をきちんと示す必要があります。それこそがリーダーシップであり、経営者の仕事です。何度も何度も同じことを社員に伝え、その明確な夢をみんなで実現するために、一人ひとりが考え始め行動に移すようになります。

 企業文化を創り維持することこそが会社の存在価値であるからです。それは、経営者のリーダーシップにより作り上げられます。

 みなさまも「ビジョナリー・カンパニー」を一緒に目指しましょう!

本日も最後までお読みいただき、大変ありがとうございます。素敵な一日をお過ごしください。



 

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