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写真のプリセットについて。

こんにちは。

いつもnoteを見ていただいてありがとうございます。

今回のnoteですが、最初にお伝えしておきます。

今回は僕のプリセットの宣伝です。まだプリセットを試したことがない方はぜひご購入いただけると嬉しいです。ですが、ただ皆さん買ってください。このプリセットはこんな効果がありますよ。などと言った内容は既に書かれているのでプリセットに対して少しざっくばらんに書いてみました。主にプリセットを使ったことがない方やカメラ初心者に読んでいただければと思います。


写真のプリセットは必要か、必要ではないか。

時にSNSで聞こえてくる話題です。カメラを持たない人にとってはプリセットという言葉は馴染みのない言葉かもしれませんが、SNSなどに写真を載せる際に色味や雰囲気を変えるフィルターのようなものですね。プリセットを使ったことがなくてもカメラのフィルターであれば、より一般の多くの人が使ったことがあるでしょう。
(プリセット/ Prestesとはあらかじめ設定されたもの、写真の場合は露出や色味などが設定されたものを指す)

プリセットは主にパソコンで写真を編集する際に使われているもので有料で写真サイトやフォトグラファーが個人で販売していて、プリセットを購入する人の多くの理由は一般の人たちがフィルターを使う理由と同じで、写真を自分好みの雰囲気にするために購入しています。(携帯用に使えるものもあります。)

僕自身もそのプリセットを写真の大手サイトのCurbonさんで販売していますので後ほどぜひご覧ください。

僕も写真を始めた頃、撮った写真はアプリのフィルターを使ったり、海外のフォトグラファーから買ったプリセットを使って写真をSNSに載せていました。自分の好きなフォトグラファーの写真を見て、自分もこんな写真が撮りたいと思うのは自然な考えで、同じ写真は撮れなくてもボタン一つで同じような写真が撮れた気分になるのは当時の僕には嬉しかったです。

ですが、今となっては他人のプリセットを使ったり、プリセット自体を使うことがなくなりました。それはカメラと編集の知識や技術を覚え、プリセットの力を借りなくても自分の写真の雰囲気が作れるようになったこと、写真に対しての考え方、表現したい写真がそれ以前とは変わったからです。また今ではフィルムカメラを愛用していることもプリセットを使用しなくなった大きな理由の一つでもあります。

プリセットをどのように使うかだけでなく、どう写真を撮るかも大事。

以下の写真は昔に撮ったポートレート写真です。当時僕がよく使っていたプリセットで、現在もCurbonさんで販売しているプリセットの一つを使用して編集しました。

どうでしょうか?人によって好みや受け取り方は変わると思いますが、これらは写真の印象が強いだけで余白がありません。ここで言う余白とは写真の中の物理的な余白ではなく、写真自体が持つ人に写真を読ませる余白、余地のことです。自分で言うのもなんですが、これらは写真単体としてはかっこいいと思います。外国人モデルということもあり、写真に目を引く力強さがあり、色味も雰囲気もはっきりしているのでSNSでは目立つ写真です。でも、正直に言ってそれだけです。

こちらはまた別の作品です。

写っているモデルさんが日本人であったり、撮影場所が和の雰囲気なので先ほどの写真と比べることは難しいですが、全体的に落ち着いた色味や雰囲気になっています。1枚1枚の写真には目を引く強さはありませんが、基本的には光と影を用いて、構図で体の一部を切り取り、顔や表情をはっきり見せないことで写真に余白を残しています。

このようにどういった色味や雰囲気にするかと共に、写真の構図の切り取り方やコンセプトで写真が大きく変わってきます。写真を始めたばかりの人やまだ自分の撮りたい写真が見えてこない人、構図や切り取り方がわからない人にとっては自分の写真を雰囲気づけてくれるプリセットは写真を作る上で一つのツールとなるでしょう。

冒頭に述べた、「写真のプリセットは必要か、必要ではないか」というのは、他人の作ったプリセットをお金を出してまで買うものではない、人のプリセットを使う時点で自分の写真ではない、自分で一から作るべきだなどといったアンチプリセットの人から聞こえてくる意見があっての論争です。ですが、そんな人の意見は無視して構いません。もちろん誰しも自分のスタイルで写真を貫きたいし、人とは違う自分の写真というものを確立したいかもしれませんが、大概の人はそれが難しかったり、そこまで写真に対してストイックに考えていない、ただ楽しみたい人も多いのではないでしょうか。写真に正解がないように写真に携わるスタンスも人それぞれで、自分が撮った写真を自分が好きなように編集して、自分が満足する形で残せるのが一つの正解でもあります。

フィルムの現像はプリセットと言える。

フィルムに関して、ある意味においてはプリセットを使っていると言えるのかもしれません。フィルムはカメラ本体とレンズによって写真の雰囲気が変わりますが、どんなフィルムを使うか、どこに現像を出すかということでも写真は大きく変わってきます。以下の2枚は東京とスペインのお店で別々に現像されています。

フィルムはLomography Color Negative 800

東京・渋谷
スペイン・ヴァレンシア


フィルムはKodak GOLD 200

東京・渋谷
スペイン・ヴァレンシア

フィルムはKodak Potra 400

東京・渋谷
スペイン・ヴァレンシア

このようにコントラストやフェード、明瞭さなど様々な違いがあるのが見て取れ、お店の現像/色調補正によって写真が大きく変わってきます。
これはどこの(誰の)、お店(プリセット)を使っているのかと言い換えられるのではないでしょうか。自分の暗室を持ち、自分でフィルムを現像することも可能ですが、それをするかしないか、できるかできないかは個人の置かれた状況でまた変わってくるでしょう。

僕自身、写真を始めた頃はたくさんのプリセットを使用したことで写真の幅が広がりました。そこから様々な知識や考えが自分の中に蓄えられたときに自分にとってはプリセットは必要がないという考えに達したことがありますが、それもプリセットを長く使い続けたことや様々な経験を経た結果です。

写真のプリセットへの捉えかたは人それぞれで、プリセットが必要か、必要ではないかという2択では断言できない部分もありますし、結局、好きな人が使えばいいなどと乱暴に言ってしまえばそれまでですが、使った上であなたなりの答えが出てくるのが望ましいと思います。写真に携わる今のあなたにとってこのプリセットが良い手助けとなれば嬉しいです。



石橋純

東京を拠点に様々な国や地域の自然に触れながら登山や旅をする写真家。 東京・南青山にあるジャズクラブ BLUE NOTE TOKYO では国内外のトップアーティストを撮影し、ファッション雑誌やアルバムジャケットの撮影やコラム執筆など幅広い仕事を行っている。
またユネスコの無形文化遺産であるブラジルの伝統芸能「カポエイラ」を26年間学び、LAを本部に置くCapoeira Batuque カポエイラバトゥーキ日本支部代表、Contra Mestre(副師範) の位を持つ。20年近く子供から大人までを教えながらTVやCM、アーティストのMVや広告などでカポエイラの監修や指導をしながら自身もパフォーマー兼モデルとして活動する。
2022年に写真集「Life is Fleeting」を刊行。2024年12/7-12/22まで東京・学芸大学にあるBook and Sonsにて個展を開催予定、自身2冊目の写真集も発売する。

Jun Ishibashi is a Tokyo-based photographer. He travels around the globe, engaging in mountaineering and other nature-related activities. His wide range of work includes writing columns and photographing mountains, fashion, album covers, and top artists worldwide̶including ones in Japan’s BLUE NOTE TOKYO, a famous jazz club in Tokyo. He also studied Capoeira for 26 years, a traditional Brazilian art form that is listed in UNESCO’s Intangible Cultural Heritage. As a certified Contra Mestre in the LA- based group Capoeira Batuque, he has been teaching people of all ages for over 20 years. Furthermore, he is a performer and model, supervising and teaching Capoeira on TV, such as in commercials, music videos, and advertisements for artists.

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