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【文字起こし】菅義偉総理 記者会見2021年1月7日(緊急事態宣言 発出)

2021年1月7日、1都3県への緊急事態宣言発出にあたって菅義偉総理は記者会見を実施。だが、3日前の会見と同様、菅総理は質問とは異なる的外れな内容を回答することが多い上、記者は1人1問に制限されて再質問は許されなかったため、新たに得られた情報は薄かった。さらに、3日前の会見と異なった点として、感染症対策に関する質問の回答は同席した新型コロナウイルス分科会・尾身茂会長に任せる一幕もあった。だが、尾身会長も記者の質問に正面から回答することは少なかった。

つまり、この記者会見において、菅総理と尾身会長の回答から得られた新たな情報ははっきり言って皆無だった。聞くだけ時間の無駄と言って差し支えない。

一方、記者の質問内容と司会進行については個人的に幾つか気がかりな点があった。そこで本記事では、この会見の約38分間の質疑において質問が許された11名の記者の質問内容と司会進行のみに着目して、やりとりの全文を書き起こす。
一方、菅総理と尾身会長の発言内容は基本的に全て省略する。無駄だから。

*回答を含む質疑の概要を確認したい場合はリンク先を参照ください

<表記の注意事項>
・発言内容は「えー」などの言い澱みを含めて、そのまま書き起こす。
・発言者名は【 】で囲んで記載する
・筆者が重要と判断した部分は太字で記載する

全11名の概要

20210107 菅総理記者会見.001

1人目 日本経済新聞 重田記者

*冒頭から約13分間に渡った菅総理の原稿読み上げが終わる

【司会(山田真貴子 内閣広報官)】
質問に関しましては菅総理と尾身会長にご対応いただきます。質問の内容によりまして、尾身会長にもご説明頂くという形になります。指名を受けられました方は近くのスタンドマイクにお進みを頂きまして、所属とお名前を明らかにして頂いた上で、1問ずつ質問をお願い致します。質問が終わりましたら、マスクを着用の上、自席までお戻りください。なお自席からの追加の質問はお控え頂ければと存じます。最初は慣例に従いまして幹事社2社から質問を頂きます。それでは、幹事社の方どうぞ。
【日本経済新聞 重田記者】
日本経済新聞の重田です。総理にお伺い致します。総理は先ほど1都3県に1ヶ月の緊急事態宣言を発出されました。えー、専門家からは1ヶ月では収束は難しいのでは、との見方が出ております。総理は1ヶ月の間で制限の解除が可能だというふうにご覧になっていますでしょうか。

また、あのー、感染が収まらなかった場合ですが、飲食を中心としている対策をより広範囲にしたり、期間や対象地域の拡大を検討されるのでしょうか。

えー、最後に緊急事態宣言が与える経済への影響、規模についての政府としての想定を教えてください。
【菅総理】
*約1分50秒にわたって発言
収束の見通しとか評価は、尾身会長に・・、の方がよろしいと思います。
【尾身会長】
*約1分30秒にわたって発言

2人目 テレビ東京 篠原記者

【司会(山田真貴子 内閣広報官)】
それでは、えー、幹事社の方、もう1社。テレ東 篠原さんお願いします。
【テレビ東京 篠原記者】
幹事社のテレビ東京です。テレビ東京、篠原です。緊急事態宣言で、まあ、国民に緊張感を求める一方で、経済的な安心感を醸成することも重要な課題と思います。前回の緊急事態宣言の際は国民に一律10万円の給付金、これが給付されましたが、今回このような給付金を検討されるお考えはありますでしょうか。

また、医療現場で日夜努力されている医療従事者のですね、給料、報酬を抜本的に上げるべきとの声も聞かれますけど、この点はいかがでしょうか。

今回の宣言に当たって想定される財政支出の規模などもあわせてお答え頂ければと思います。
【菅総理】
*約1分40秒にわたって発言

3人目 共同通信 吉浦記者

【司会(山田真貴子 内閣広報官)】
えー、それでは、あのー、ここからは、幹事社以外の皆様から、えー、質問頂きたいと思います。質問を希望される方は挙手をお願いを致します。それでは、えー、共同の吉浦さん。
【共同通信 吉浦記者】
共同通信の吉浦です。よろしくお願いします。PCR検査についてお伺いします。えー、東京など1都3県を中心に新型コロナウイルスの感染拡大、急増している地域では、えー、コロナの無症状者の市中感染が広がっていると指摘もあります。えー、PCR検査を大幅に拡充して、この感染状況をより、広範で正確に把握する必要性について、総理はどのようにお考えでしょうか?
【菅総理】
*約1分10秒にわたって発言

4人目 フジテレビ 鹿嶋記者

【司会(山田真貴子 内閣広報官)】
それでは、次の、えーと、ご質問にいきたいと思います。えー、では、フジの鹿嶋さん。
【フジテレビ 鹿嶋記者】
フジテレビの鹿嶋です。緊急事態宣言に関連して、お聞きします。あのー、先ほど東京都が今日、最多を更新したという話ありましたけども、えー、東京都以外の各地でもですね、えー、最多の感染者数を更新している状況です。中でも、えー、名古屋、大阪の知事は宣言の必要性に言及していますが、現時点の、おー、首相の考え方を教えてください。

また、えー、現在の宣言をですね、仮に延長する場合、今回と同様に1ヶ月程度の延長を想定しているのか、あわせてお願いします。
【菅総理】
*約1分にわたって発言
また、具体的には尾身会長から。
【尾身会長】
*約2分15秒にわたって発言

5人目 ロイター通信 タケナカ記者

【司会(山田真貴子 内閣広報官)】
えー、それでは、えーと、次は、あのー、えー、外国プレスなどの方からもご質問頂きたいと思います。では、えーと、ロイター タケナカさんお願いします。
【ロイター通信 タケナカ記者】
ロイター通信のタケナカです。オリンピック・パラリンピックの開催について、お伺い致します。今まで総理は「人類がウイルスに打ち勝った証として開催をする決意である」と、えー、述べられてこられました。足元の状況、大きく変わっているようです。えー、状況が変わった今、この段階において、えー、総理の、このー、開催の可否についての考え方を改めてお伺いしたいのですが、まあ、もし、あのー、変わってないのであれば、状況は変わっているのに開催の決意、思いは変わってないとすれば、そのー、後ろにある考え、思いのようなものも教えて頂ければ幸いです。民意、あのー、新聞、世論調査とかを見ますと、国民の3分の2ぐらいの方、懐疑的な、必ずしも総理の思いを共有していない方も国民には多いようです。えー、そういったことも含めて、総理の考え、教えて頂けますでしょうか。
【菅総理】
*約1分50秒にわたって発言

6人目 中国新聞 下久保 記者

【司会(山田真貴子 内閣広報官)】
それでは、あのー、次のご質問にいきたいと思います。次、あのー、内閣記者会の方からの質問を頂きたいと思いますが、えー、それでは、えーと、中国新聞の下久保さん、お願いします。
【中国新聞 下久保記者】
中国新聞の下久保です。よろしくお願いします。えー、総理にお尋ねしたいのはですね、2月の訪米が伝えられるバイデン大統領との会談です。えー、日米同盟やコロナ対応などが議題となると思いますが、えー、一つお伺いしたいのが、今月22日に発効する核兵器禁止条約について、どのような方針で臨むかについて、聞かせてください。えー、日本は戦争被爆国として、締約国会議へのオブザーバ参加をするようにですね、連立与党の公明党が求めています。えー、総理はこれまで慎重に見極めるとしてきましたが、えー、核の傘に影響するアメリカへの配慮からこのような慎重な物言いになっているのではないかと思います。総理は常々、核保有国と非保有国の橋渡し役として、えー、核軍縮議論に貢献する決意を、えー、表明してこられましたが、今回の日米、えー、首脳会談というのは、これにおいて絶好の機会だと思いますが、オブザーバー参加、可能性があるのかどうか。この点について聞かせてください。
【菅総理】
*約2分10秒にわたって発言

7人目 毎日新聞 笈田記者

【司会(山田真貴子 内閣広報官)】
えー、それでは、えーと、次のご質問にいきたいと思います。えーと、ご質問ある方。それでは、毎日新聞笈田さん。
【毎日新聞 笈田記者】
毎日新聞の笈田です。緊急事態宣言についてお伺い致します。今回、まあ、緊急事態宣言の、その、営業時間の短縮要請の対象に飲食店に絞られて、映画館であったりとか、まあ、昨年、店名公表もしたパチンコ店に対しては働きかけという形に留めていますが、今回、その、まあ、要請にせずに働きかけというような位置付けにされた理由とですね、で、実際それによって効果があがるとお考えでしょうか?やや中途半端な対応にも思うんですが。
【菅総理】
*約1分にわたって発言
詳細は、会長から。
【尾身会長】
*約3分40秒にわたって発言

8人目 ドワンゴ 七尾記者

【司会(山田真貴子 内閣広報官)】
えー、それでは、内閣記者会以外の方のご質問も頂きたいと思います。では、ドワンゴ 七尾さん。
【ドワンゴ 七尾記者】
ドワンゴの七尾です。連日お疲れ様です。あの、第1波の時なんですけど、あの、西浦教授を始めとするですね、尾身先生、脇田先生の専門家会議によるシミュレーション、接触8割減という具体的な数値目標を立て、これ奇跡的だと思うんですが、かなり実現できたと思います。それ以降、今日まで東京都などのですね、自治体発表による日々の感染者数以外ですね、大きく伝われているものはございません。あの、国民が納得し、取り組むことのできる一体感、これ大事だと尾身先生もおっしゃいましたけども、今回ではですね、かつてのような人流データ、あるいは企業等のテレワーク実施率、えー、脇田先生のところで進められているゲノム分析など、こうした接触機会を減らすことに繋がる様々なデータ。そして、国民が一体感を持って目指すことのできる科学的な数値目標をアドバイザリーボードや分科会を始めとする、これまでの国内の科学的知見をですね、総動員して、今後政府のもとで掲げる必要性についてお考えをお聞きします。
【菅総理】
*約1分にわたって発言
具体的な数値目標については、科学的知見については、尾身会長から。
【尾身会長】
*約3分にわたって発言

9人目 京都新聞 国貞記者

【司会(山田真貴子 内閣広報官)】
えー、それでは、えーと、次の質問を頂きたいと思います。今度は、内閣記者会の方からのご質問を頂きたいと思います。いかがでしょうか。それでは、京都の国貞さん。
【京都新聞 国貞記者】
京都新聞の国貞と申します。総理ですね、先ほど、大阪・愛知について、あの、緊急事態宣言、出すか否かというところの部分で「状況を見ながら対応する」というふうにおっしゃいましたけれど、あの、その状況という中にですね、知事の要請というものは含まれるのでしょうか?
それと合わせてですね、えー、まあ、大阪にですね、発出を検討する場合、あのー、まあ、大阪は京都・兵庫も足並みを揃えてやっていきたいということを言ってるわけなんですけども、あのー、そこは一体的に総理としても考えて、発出を検討するということでよろしいでしょうか?
【菅総理】
*約1分にわたって発言
先生からどうでしょう。
【尾身会長】
*約1分10秒にわたって発言

10人目 ラジオ日本 伊藤記者

【司会(山田真貴子 内閣広報官)】
それでは、えーと、そうですね、内閣記者会以外の質問を頂きます。じゃ、ラジオ日本、イトウさん。
【ラジオ日本 伊藤記者】
ラジオ日本の伊藤です。よろしくお願いします。今回の緊急事態発出と憲法について、総理のお考えをお尋ねしたいと思います。えー、やはり公共の福祉と私権の制限の2つのテーマがあるんですけども、これについて、あの、やはり憲法と関連してですね、何か総理がこう政治家として、ここ、まあ、官房長官・総理として2回の緊急事態を体験されるわけですけども、何かこの憲法の壁のようなものを感じることがありますかどうか。ちょっとお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。
【菅総理】
*約1分にわたって発言

11人目 テレビ朝日 吉野記者

【司会(山田真貴子 内閣広報官)】
えーと、それでは、時間の・・、次の日程の関係がございますので、えー、最後の質問にさせて頂きたいと思います。それでは、テレ朝 ヨシノさん。
【テレビ朝日 吉野記者】
テレビ朝日の吉野です。よろしくお願いします。あの、持続化給付金について、お伺いします。総理、先ほど、あのー、協力した業者への協力金の拡大ということはおっしゃったかと思いますけども、それよりも広いであろう持続化給付金、えー、確か来週で受付が締め切られます。総理、この持続化給付金の第2弾というのはお考えになりませんでしょうか。
【菅総理】
*約35秒にわたって発言
【司会(山田真貴子 内閣広報官)】
はい。ありがとうございました。それでは、大変恐縮でございますが、次の日程ございますので、会見の方はこちらで結ばせて頂きます。えー、あのー、今、挙手されている方につきましては、各1問ご質問ございましたら、メールをお送り頂ければと存じます。えー、後ほど、総理のお答えを書面で返させて頂きたいと思います。また、あのー、それをホームページでも公開をさせて頂きます。ご理解を頂きますようにお願いします。では、以上をもちまして本日の総理記者会見を結ばせて頂きます。皆様のご協力に感謝申し上げます。ありがとうございました。

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更新履歴

2021/1/7 23:20 新規作成

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