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建築とエンターテイメントと人の話

3/22に行われたL'Arc~en~Cielに行かせて頂いた時に「あー、こんな空間美ある場所が壊されるのか...」と、少し物思いにふけてしまいました。

最近ではももいろクローバーZやAKB48のライブも行われて、何かエンターテイメントの頂点としてのイメージが強くなった国立競技場ですが、元はちょうど50年前に開催された東京オリンピックのメイン会場として建設されたのはもう有名ですよね。

そして、そんな国立競技場が老朽化などを理由に建て替えられることが決まったのは、2012年2月のこと。同年にコンペティションが行われ、応募総数46件の中からザハ・ハディド氏のデザインが採用されることになりました。

この近未来型、かつ先進的なデザインに対して、賛否が起きているのが今の現状です。老朽化や2020年の東京オリンピックにむけて改修工事を行う必要性はあるものの、実際問題、このザハ氏のデザインでは色々と不備が出てくることが、多くの建築関係者から意見されています。つい先日には今夏から始まる予定の解体工事着工に向けての反対声明が発表されたりもしました。(→ 国立競技場:解体で建築家ら反対声明:毎日新聞)


この問題について知りたい方は、著書「マンガ建築考」で有名な建築エコノミストの森山高至さんの以下のコラムとブログエントリー等をオススメします。NAVERまとめなどは避けて、しっかりと根本から噛み砕いてほしいです。

新国立競技場の建設コンペをめぐる議論について (1)(THE HUFFINGTON POST:朝日新聞)~(15)

新国立競技場の基本設計が終わらない理由1

新国立競技場の基本設計が終わらない理由2

新国立競技場の基本設計が終わらない理由3

新国立競技場──ザハ・ハディド案をめぐる諸問題

この問題、先述したライブイベントのせいで少し重要性が薄れてきてしまっているなぁ、というのが本音で。これは音楽やエンターテイメントの側面から見たらの話なんですが、この規模の問題が6年後にキレイに整理整頓されていなければならないと考えたら、いま論議していつやるの?ということです。

自分は建築が好きで勉強もしてきたので、やはり楽しい音楽や美しい芸術は素晴らしい空間や建築の下で多くの人に届いてほしいと思います。

他にも静岡県のはまホールのような地域単位での問題(はまホール存続を 浜松出身の音楽家らも要望)も、もっと全国的に認知されてほしいです。建築とエンターテイメントと人の関係性が利益や収益、単なる技術をひけらかすだけのためにそのバランスを崩してしまうのが、一番怖い。

新国立競技場のことでなくても、まずは近くにあるホールなどにほんの少し興味を持ってみてはどうでしょう。東京に住んでないから、静岡とか関係ないからではなくて、建築と、そこで行われるエンターテイメントによって、私たちの生活は活気付いているんですから。


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