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静かな生配信「新生音楽 MUSIC AT HOME」

日曜日に開催した、「新生音楽 MUSIC AT HOME」。
無事に配信できてよかった。

↓配信はアーカイブご覧になれますので是非↓

配信当日は、正直、事故のないようにということが一番で、
とても緊張していたので、楽しむというところまでは行けませんでした。

それで昨日、24時間遅れて、同じ時間にアーカイブを再生しました。

高野さんと緒川さんの知的でチャーミングなトークはまるでラジオのようでした。そして、そのあと流れるアーティストのみなさんの自宅からの演奏動画は、ホームビデオのようなトーンというよりは、なんだかジム・ジャームッシュの映画を彷彿とさせるものがあったと思います。

最初、高野さんと緒川さんのトークのシーンは、ZOOMなどを使って顔を出す方がいいんじゃないかと思っていたのですが、それはあまりにも安易な答えなので、採用したくないなと思いました。

価値観が大きく変わろうとしている、このご時世、折角だったら新しいことに挑戦してみようと思ったのです。

それで、お二人には、声だけの出演を依頼しました。

きっとラジオのようになって素敵だろうと。

でも、どうやったらYouTubeという映像メディアでラジオのようなトーンが
作れるのだろうかと考えていました。

ラジオは映像がありませんからね。

ラジオのように感じさせるビジュアルってどんなものなんだろうと。

「MUSIC AT HOME」という言葉は、チームで相談している時に
高野さんから出て来たものです。

僕はそのMUSIC AT HOMEというキーワードを世界観に展開しようと努力しました。

そこで、思い浮かんだのは、「部屋は別々だけど、空はひとつ」という言葉。

さらに、電話、無線、ラジオといった、少し前の時代の通信ツールのイメージ

少し不自由な通信ツールは、世界観を広げてくれます。海賊ラジオがファンタジックに感じるのもそうだし、岩井俊二監督の演出でお手紙が使われるのもそうだし、ストレンジャーシングスシーズン3の無線演出もそうだと思います。

同じ夜空、同じ時間にみんなが街に住んでいて、高野さんと緒川さんの電話を盗み聞きしているようなイメージが頭に浮かんだのです。

すぐに、ムジカ・ピッコリーノ でも最高のアニメーションを描いてくれている中内さんに相談し、ビジュアルイメージを具現化していきました。

そうして出来上がったのが、みなさんご覧になったあのビジュアルです。

スクリーンショット 2020-04-15 1.42.14


このビジュアルに合わせるように高野さんが、すぐに音楽をつくってくださりました。これが最高の音楽なんです。電話の受話器から聞こえる音から始まります。

こちらのサイトで販売されています。

僕は高野さんに言葉で今回の番組がどういうイメージがあるとかしっかり伝えた覚えはないのですが、それなのに、なんでこんな音楽作ってくださるのかしら?

この音楽と夜空の映像があわさると途轍もなく世界観が広がるのです。以心伝心ってこれだなと感じました。

ぜひ、アーカイブをもう一度ご覧ください。アーカイブ冒頭、中央の時計台が18時45分〜19時までの間の15分はすごく気に入っている時間です。しつこいですが、もっかいリンク貼っときます。

そして、時計の針が19時を指すと、お二人の声が配信にのりました。少しローファイな音質で通話する二人の声と、少しだけ動く夜の街のアニメーション。


僕は、自然と目を瞑って鑑賞していました。それで良いと思っています。

映像メディアなのに、目を閉じさせるというのは、いいなと思いました。
なんだか少し安心したのです。

どうも最近ZOOMの会議で人の顔を見すぎているような気がして、
気が立っているような気がしています。

少しづつ緊張が体に蓄積されている僕には、あまり動かない夜のアニメーションと、高野さん緒川さんの声はとても心地よく響きました。

そして、演奏シーン。

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部屋は、その人の小さな世界を表していると思います。

部屋と音楽がグルーブしているように思いました。

部屋の枠には、夜のフレームをつけました。

ナイトオンザプラネットという大好きな映画があるのですが、その映画のことを少し思い出しました。

いろんな方の演奏をぼんやりしながら見つめていたら、あっという間に2時間がたちました。

スクリーンショット 2020-04-15 1.49.37

うん、これは体験したことのないものだった。

自分でもそう思えてよかったです。

映像を映すことができるYouTubeというメディアで
ほとんど動かない映像を見せるというのも、
やってみてはじめてわかる価値がありますね。

今は、静かなものが価値を持つのだと思いました。

GRAPHERS' GROUP 主宰 石原淳平


※この日の記念にビジュアルの中内さんが携帯壁紙をつくってくださっています。こちらのリンクからダウンロードどうぞ。


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