見出し画像

私がGAFAMで学んだコーチング(初級編)

記事の長さ:4分。
先日テレビで「私の家政夫ナギサさん」見ていたら、主人公のメイは新任上司から1on1を通してコーチングをするように言われ、そもそもコーチングってなんだと、本を大量に購入して学んでいたシーンがありました。メイのように会社の方針で突然やることが決まった方や、そもそも部下や後輩の指導をしたいと思っている方に向けて、簡易ですが私がGAFAMで学んだコーチングの仕方と考え方の基礎(初級編)を共有したいと思います。基礎をしっかり押さえれば今からでもできますし、奥が深いのでコーチにもいい学びの経験になると思います。

以下の記事では、コーチングとは何か、3つの軸、会話の基礎、会話のサイクル、質問例集、会話の3つの種類と達成すべき項目のそれぞれについて触れて行こうと思っています。

コーチングとは

そもそもコーチングとはなんでしょうか?何が指導と違うのでしょうか?

促進的アプローチ、指導的アプローチで、クライアントの学習や成長、変化を促し、相手の潜在能力を解放させ、最大限に力を発揮させること目指す能力開発法・育成方法論、クライアントを支援するための相談(コンサルテーション)の一形態。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

小難しいですが、部下や後輩の成長を促すため、指示をするのではなく、会話を通して本人に自発的に成長できるよう手助けをすることをいいます。その範囲は日々の業務からキャリア、ひいてはその方の人生にまで至ります。

なお、注意点ですが、コーチングはパフォーマンスの低い人のためにあるものではありません。優秀な方はより高みへ導き、平常運行の方は変化を与え、課題がある方はそこから脱っせるよう成長を促す手法です。

また、指導(ティーチング)との違いは以下の通りです:

画像6

そして、会話内容は以下の通り成長をもじったGROWで構成されます:

画像2

Goals / 目標: どのような目標や展望があるのか
Realities / 現状: その目標に対して現状はどうなっているのか
Options / 選択肢: 目標を達成するためにはどんな選択肢があるのか
Way forward / 実行: 実行のためには何が必要か、実行結果はどうだったか

コーチングの3つの軸

コーチングをするにあたって、3つの主軸があります。これらの1つでもかけてしまうと、コーチングは成立しません。

画像1

興味性: 純粋に会話内容に興味を持つ。
総体性: 仕事面もプライベート面も人間としての成長を総体的に見る。
自発性: 自発的に、オーナーシップを持って動いてもらう。

仕事上のコーチングなのに、プライベート面までも意識しないといけないのか、と思われたかもしれませんが、仕事は人生のあくまで一部であり、様々な要因が仕事にも影響してきます。例えば、お子さんがまだ小さく、睡眠不足になりがちで凡ミスを多発してしまっていた部下がいたとして、パフォーマンスが下がった事実のみで会話をしたところで本人のためにはなりません。俯瞰的に見ることで、家庭と仕事の両立などを達成する成長を手助けすることができ、結果的に仕事のパフォーマンスも向上します。

また、何が問題なのか、どうすれば解決するのかなどは本人が責任を持って自発的に動くべきです。コーチとしてはその一連の流れを手助けし、サポートしてあげることになります。

コーチングにおける会話の基礎

実際に会話の場を設けたら、以下の点を必ず守るようにしましょう:

画像4

1. 意識を向ける
コーチングの時間は部下のための時間です。考え事や何を言おうかなど考えず、意識の100%を部下の話を聞くことに向けましょう。

2. パソコンや携帯はしまう
メモを取るのも、ペンとノートにしましょう。パソコン画面を開いていると、部下との間に壁を作ってしまいます。携帯の通知が鳴ると、会話が遮られてしまい、スムーズな会話が阻害されてしまいます。

3. 相槌をする
話しているとき、相手に無言でじっと見つめられるのは話しづらいものです。相槌やうなずきなどをしてあげることで、聞いている姿勢をしめすことができるのと、話す側もリラックスできます。

4. 聞いたことを言い返す
これは聞いていることをしめす目的もありますが、聞いたことに対しての解釈までが一致しているかを確かめるためです。また、会話のリズムでつい思ってもいなかったことを言ってしまったり、決めつけてしまっていたことを自分で気づかせ、訂正させてあげる機会を設ける大事な工程になります。

5. 指示ではなく質問をする
ついつい、こうした方がいいんじゃない?こうしたら?などアドバイスをしがちです。しかし、繰り返しますが、コーチングの時間は部下の成長のための時間です。あなたが指示を出すことによって、部下の自発性を損なってしまい、指示待ち人間になってしまうこともあります。もし言いたいことがあっても、質問形式で導くようにしてあげましょう。

では、実際に会話はどのようにすればよいのでしょうか?

コーチングのサイクル

コーチングを始めたら、以下のサイクルで進めましょう:

画像3

主な流れとして、質問から開始し(今日は何を話そうか、など)、傾聴をします(部下が話題を持ち込み、一通り話す)。課題と解決策について、悩んでいても自信のある案があっても、挑戦として本人に考えさせるような質問で返しましょう(すごくいい案だと思うけど、もし競合他社が同じようなことを考えていたらどうする?、など)。

さて、質問から開始するにしても、どのように聞けばいいのでしょうか?

コーチングの質問例

あくまで簡易的ですが、コーチングの質問例として以下が考えられます。きっかけとしてお使いください:
・今日はどんなことを話したい?
・あなたが今後やりたいことや達成したいことは?
・イライラしたり、フラストレーションが溜まっていることは?
・(課題に対して)何を試したの?まだ試してみてないことは?
・一番簡単なアクションステップは?
・あなたが今から取れるアクションは?
・あなたが一番学びに繋がると思う方法は?
・私にしてほしいことはある?

さて、会話のきっかけはあっても、ノープランでは収拾のつかなくなってしまいます。コーチングでは何を達成すべきなのでしょうか?

コーチングの会話の3つの種類と達成すべき項目

コーチングの会話では以下の3つの種類の分類に分けられ、それぞれ達成すべき項目があります:

画像5

展望: 何がしたいのか、何を達成したいのか、どのように成長していきたいのか、ブレインストーミングしてもらいます
実行: 何をするのか、それらをいつまでに行い、最終的に何を基準に達成したと言えるかを定義してもらいます
内省: 結果を振り返るにあたって、何がおきたのかを細かく整理し、結果のみにフォーカスをして、本人の学びになるようにしてもらいます。

強いて言うならば、ただ質問をするだけがコーチングではありません。質問を通して、本人の目標や成功のイメージを理解・計測可能な指標にし、実際に実行にあたってのアクションを'誰が・何を・いつ・どこで・なぜ・どのように'の5W1Hで明確にし、結果を振り返り学びに繋げることができて始めてコーチングになります。会話の中で、どれかが抜け落ちていたら、質問をしましょう。

また、コーチングの中で、質問に質問で返された場合(上司さんはどうしたらいいと思いますか?)、指示にならないように気をつけてください。例えば、「私だったら〇〇にフォーカスをして考えるけど、あなたはその視点からだったらどう思う?」などのように導けるように返しましょう。

まとめ

コーチングのおさらいです:

ティーチングとコーチングの違い

画像7

コーチングの会話構成

画像9

コーチングの3軸

画像10

コーチングにおける会話の基礎

画像8

コーチングのサイクル

画像11

コーチングの会話の3つの種類と達成すべき項目

画像12

コーチングはあくまで受ける側のための時間ですので、その意識だけは忘れないようにしてください。ついつい、コーチとしても楽なほうに、指示をしてしまいがちですが、それではコーチングを受けている方のためになりません。あくまで主役はプレーヤーである部下・後輩になりますので、サポート役に徹しましょう。

また、ミーティングの頻度は週に1度、30分〜1時間程度が目安ですが、それも部下に決めさせましょう。定期招集にすることを強く推奨しますが、柔軟性も持たせましょう。私も上司との1on1は元々週1 x 1時間で設定していましたが、コロナ下で環境が変わり、ふとした時に相談できないことにフラストレーションを感じていたので、週2 x 30分に変えてもらったりしています。

以上がざっくりとしたコーチングの基礎(初級編)です。

是非、挑戦されてみてください。

よかったらスキ、フォロー、サポートをお願いします!
では、また来週。

- JumpE

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?