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ミニキャッパー周平の百物語

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2019年6月の記事一覧

千変万化の語りで惑わす幻想と異形の物語集――津原泰水『綺譚集』

こんばんは、ミニキャッパー周平です。第5回ジャンプホラー小説大賞〆切は6月30日末日。応募フォームの入力にも時間がかかるので、ギリギリにならないよう、応募者の方はお気を付けください! そして、第4回ジャンプホラー小説大賞《金賞》『マーチング・ウィズ・ゾンビーズ 僕たちの腐りきった青春に』絶賛発売中です!

さて、本日ご紹介するのは、津原泰水『綺譚集』。2008年の本ですが、つい先日再版がかかったの

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読み終えた貴方も気づいていない!? 話題のホラー×ミステリーに隠された”最後の企み”とは!? 澤村伊智『予言の島』

こんばんは、ミニキャッパー周平です。第5回ジャンプホラー小説大賞〆切は間もなく、6月30日。応募者の皆さんはぜひラストスパートを頑張ってください。そして、第4回ジャンプホラー小説大賞《金賞》『マーチング・ウィズ・ゾンビーズ 僕たちの腐りきった青春に』も絶賛発売中です!

さて、いきなりですが、本日ご紹介する一冊は、澤村伊智『予言の島』。

ホラー界きっての人気作家の作品ですし、あちこちで既にレビュ

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【悲報】大学生だけどゾンビに噛まれて余命宣告されました。――ジャンプホラー小説大賞《金賞》。折輝真透『マーチング・ウィズ・ゾンビーズ ぼくたちの腐りきった青春に』

こんばんは、ミニキャッパー周平です。第5回ジャンプホラー小説大賞の〆切は6月30日。志望者の皆さんはぜひラストスパートをかけてください。そして、第4回ジャンプホラー小説大賞受賞作『マーチング・ウィズ・ゾンビーズ ぼくたちの腐りきった青春に』の発売日(6/19)がいよいよ迫ってきました!

普段はこのコーナー『ミニキャッパー周平の百物語』で弊社の本・他社の本を問わず気になるホラーを紹介しているため、

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少女×デスゲーム=『百年の孤独』!? 閉じ込められた少女たちの、暴走する創世記――矢部嵩『〔少女庭国〕』

(この記事は、ブログ「ミニキャッパー周平の百物語」2016年3月26日更新の内容をもとにしています)

こんばんは、ミニキャッパー周平です。現在、ホラーブログからこのnoteへ記事をガンガン転載しています。ブログの記事数は現在136。そのうち、noteに移せているのはこの記事も含めてちょうど10個。移し切れるのはいつになることか分かりませんが、ご興味おありの方はブログの方もどうぞ。気になるホラーが

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幽霊たちの子育て記録!? 『グッド・オーメンズ』の作者が描く暖かな墓場物語。ニール・ゲイマン『墓場の少年 ノーボディ・オーエンズの奇妙な生活』

(この記事は、2019年3月2日にブログ「ミニキャッパー周平の百物語」に掲載した内容を再構成し転載したものです)

テレビドラマ『グッド・オーメンズ』が2019年5月31日からAmazonビデオで配信され、話題を呼んでいます。原作者の一人、ニール・ゲイマンは、英米で絶大な人気を誇る英国人ファンタジー作家。過去に、ノーベル文学賞休止時の代替として開催されたニュー・アカデミー文学賞の候補になったことも

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ゾンビを踊り食い!? ゾンビ×密室殺人の異色ミステリ――小林泰三『わざわざゾンビを殺す人間なんていない。』

(この記事は、2017年7月8日にブログ『ミニキャッパー周平の百物語』に掲載した記事を、再構成のうえで転載したものです)。

こんばんは、ミニキャッパー周平です。突然ですが、今、ゾンビが熱い! と感じます。ゾンビがアイドル活動をするアニメ『ゾンビランドサガ』、ゾンビ映画に新たな角度からアプローチした『カメラを止めるな!』、ゾンビが重大な役割を果たす某ミステリ(ネタバレを避けるためタイトルは伏せます

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幽霊の死体!? 幽霊誘拐事件!? 異常な事件に挑む“呪われた心霊科医”――岩城裕明『呪いに首はありますか』

(この記事は、2018年10月27日にブログ「ミニキャッパー周平の百物語」に掲載した内容を再構成し転載したものです)

こんばんは、ミニキャッパー周平です。表紙が怖すぎる本は床に伏せて見えないようにしておくタイプのホラー読者です。

ホラー小説は表紙から既に怖いものが多いですが、今回ご紹介する一冊は、書店で見かけた時のインパクトで言えば群を抜いています。百聞は一見にしかず、それではこちらの書影をど

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図版93枚。ホームルーム前の教室で起きた殺人を驚愕の形式で追う、綾辻行人激賞の学園ホラー。両角長彦『ラガド 煉獄の教室』

(この記事は、2015年1月6日にブログ『ミニキャッパー周平の百物語』に掲載した内容を、再構成のうえ転載したものです)

 こんばんは、ミニキャッパー周平です。いきなりですが、まずはこの図をご覧ください。

 
 40人の生徒がそれぞれの座席に座っているらしい教室。スペードが男子、ハートが女子を示しています。そこに、教室後方から入り込んだ「犯」の不穏な文字。……これは、ホームルーム前の中学校の教室

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初登場から28年。令和の「貞子」は一味違う! 貞子が子供を……!? 鈴木光司原作・杉原憲明脚本・牧野修著『貞子』

(この記事は、2019年5月18日にブログ『ミニキャッパー周平の百物語』に掲載された記事を再構成したものです)

こんばんは、ミニキャッパー周平です。ジャンプホラー小説大賞の宣伝企画であるこのコーナーでは、基本的に活字のホラー作品を取り上げているため、ホラー映画をご紹介したことはないのですが、ノベライズをご紹介することでそれに代えています。

1991年、小説『リング』で初登場したホラーキャラクタ

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「貞子」を生んだ伝説の三部作が迎えた、100%予測不能の結末とは!? 鈴木光司『リング』『らせん』『ループ』

(この記事は、ブログ「ミニキャッパー周平の百物語」2018年5月26日更新の記事を再構成したものです。)

二〇一五年から続いてきたホラー小説紹介ブログ「ミニキャッパー周平の百物語」は二〇一八年八月に一〇〇回目の更新を迎え、遂にタイトルの「百物語」を達成することができました。一〇〇回目のテーマは、記念すべき回にふさわしく、九〇年代日本に爆発的なホラーブームをもたらした作品であり、日本のホラーアイコ

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吸血鬼小説、怒涛の18編。貴方の知らないヴァンパイアのディープな世界……井上雅彦『夜会――吸血鬼作品集』

(この記事はブログ『ミニキャッパー周平の百物語」2017年9月2日掲載分を転載したものです)

ウピル、ウプリル、オピル、ウポル、ウポウル、ランピール、ワムピル、ヴァピール、ヴァムピール、ヴゴドラク、ムッロ……ずらずら書き並べてみたこれが何かと申しますと、ヨーロッパの様々な地域におけるヴァンパイア、すなわち吸血鬼の異称です。

モロイイ、ムロニ、ズメウ、プリコリチ、ヴァルコラキ、ノスフェラトゥ、ス

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この本、出血多量。緋色の幻想アンソロジー――津原泰水監修『血の12幻想』

(この記事は、2019年4月27日にブログ「ミニキャッパー周平の百物語」に掲載した内容をもとに再構成しています)。

今晩は、ミニキャッパー周平です。改めてのご説明になりますが、このコーナー「ミニキャッパー周平の百物語」は、「ジャンプホラー小説大賞」の宣伝企画として、私のご紹介したいホラー本を取り上げていくというものです。なので、集英社の人間なのに平気で他社の本の話をしますし、特に最新の本に限る訳

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芥川龍之介が愛したホラー小説とは? 澤西祐典・柴田元幸編訳『芥川龍之介選 英米怪異・幻想譚』

今晩は、ミニキャッパー周平です。「ジャンプホラー小説大賞」の宣伝企画として、古今東西の気になるホラーを気ままに紹介するこの企画「ミニキャッパー周平の百物語」ですが、編集部がnoteに力を入れていくことになり、noteへお引越しすることになりました。

すぐには機能すべてを移せませんし、旧記事の転載も含め、お引越しにはバタバタすると思いますが、「ミニキャッパー周平の百物語」、募集中の第5回ジャンプホ

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