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オモロい先輩の鋭い判断

今日は少し思い出話。


キョンコロ先生が大手塾にいた頃の話です。

3年生の授業を担当していて「砂漠化」について話していました。

どんどん砂漠化するサハラ砂漠などをなんとかしようと色々なアイデアを出す子供たち。

多くは砂漠に緑を植えるという意見でした。

中に1人「砂を固めて日本と外国を行き来できる道にするのはどうか?」

という意見を出した子がいました。

勿論現実的には無理です。

でも、世界を平和にしたいとかみんなと仲良くしたいという気持ちはわかります。

クラスのみんなも「なるほど!」みたいなリアクションでした。

そこで、廊下を5年生が通りました。

3年生が終わったあとに始まる5年生の授業に参加するために早めに来ていたこでした。

キョンコロ先生が担当している子供です。

よし、と思って声をかけ「サハラ砂漠の問題」を聞いてみると、彼はこう答えました。

「砂をきな粉のおはぎの代わりに使います」

3年生は大爆笑でした。

一応理由を聞くと

「サハラの砂はきな粉のような色だから、それをきなことするのがいいだろうと思いました」

とのこと。

彼にはきっと「面白いことを言おう」という気持ちがあったはずです。

これは大切なことです。

誰かを笑わせようという事を技術として知っている彼は上級者と言わなければなりません。

教室の中にはたくさんの三年生がいる状態で呼び止められて完全に「アウェイ」の状態で繰り出した「きなこ発言」。

まず、彼には勇気がありました。

また、一瞬で彼は、常識とは違うことを、そして、誰も傷つかないことを言おうと判断したのです。

さらに言うと、サハラ砂漠がどんな砂の色で、その砂は日本のものとは少し違うのだということもイメージしてきな粉と結びつけたのでしょう。これも重要なポイントです。

3年生はその時はお調子者の先輩だと思ったでしょうが、実は色んな情報が頭の中を駆け巡った結果なのだということにいずれ気がついてほしいです。

あの先輩がしてくれた事を思い出して自分も誰かの笑顔のために頑張って欲しいです。

誰も傷つかないように一瞬で配慮できる力、それは読んだ文章の中に出てくる人物の事を慮るのにも重要な力です。

真面目なだけが「教養」ではありませんよ!

皆さんはサハラの砂、何に見えますか?

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