見出し画像

竹沢うるまさんの写真集 Remastering

竹沢うるまさんは世界中を旅して写真を撮られている写真家です。
竹沢さんの写真は、行ったことのない土地でさえそこに自分がいて、自分の目でそのドラマティックな光景を見ているかのようなわくわくする気持ちになります。
彼の明るく鮮やかでいきいきとした写真が大好きです。

9月初め、COVID-19で閉塞した世界の中、竹沢さんがかつての「日常」をテーマにした写真集作成を目標にしたクラウドファンディングを始められたことを知り、迷わず支援させていただきました。
その写真集 Remastering が完成し、出版記念のスペシャルトークイベントに参加させていただきました。
Remasteringを作ろうと思った気持ちと作成過程の苦しさ、普段は話さないという写真についての考え方について、そして日常と非日常について、いろいろとお話しを伺うことができました。
スペシャルゲストとして北極冒険家の荻田泰永氏が来られ、話し手2名、聞き手6名でアットホームなとても贅沢な時間をいただきました。
参加者のみなさんもとても個性的で(僕が言うかw)新しいご縁をいただくことができました。ありがとうございました。

COVID-19 によってさまざまな仕事がキャンセルになり、海外の旅に出られず、居住先のクック諸島にも戻れず、すべての活動が途切れることになり、これまで撮った写真をすべて見返した。
そうして2,000枚を選び、さらにそこから写真を選んでみた。
自分がいなくても訪れた世界は存在し、あの儀式や日常が続いていること、非日常が今や日常になっていることを考えた。
そして写真家自身の存在や思いを込めたこれまでの写真や文章と正反対の、写真家の意図ができるだけ見えない写真を300枚以上選んだ。
そして
・これまでの作品を新たにマスタリングするという行為
・世界を形作っている日常を再構成して見せるという行為
このふたつの意味を持たせて Remastering というタイトルにした。

こんなお話しでした。

この写真集は、いつか時間が経ってから開いてみて下さい。

という言葉がとても印象的でした。
10年後もこの写真集の中にある光景は日常であり続けるでしょうか。
あるいは、そのとき世界は全く違う日常の中にあるのでしょうか。もしそうなら、それは今の日常とどれくらい繋がっているのでしょう。
楽しみでもありちょっと心配でもあります。

画像1

12月28日発売予定の竹沢さんの新しい写真集(COVID-19で先送りになってしまいましたが、作成はRemasteringよりこちらが先立ったそうです)ルンタも予約させていただきました。

竹沢さんは、写真だけでなくその生き方もとてもおもしろい方なので、またいつかお話しさせていただきたいと思います。
ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?