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#写真

ライカ京都店10周年

ライカ京都店10周年

古い町屋をリノベーションして作られたライカ京都店が10周年を迎えられました。おめでとうございます。
オープン時にはサッカー元日本代表の中田英寿氏がスペシャルゲストとしてお越しで、京都店とそのすぐ近くの祇園甲部歌舞練場でイベントが行われました。

10周年記念イベントでは、現在ライカギャラリー京都と東京で写真展 "A Series of Glances" を開催中のアンディ・サマーズ氏がスペシャルゲ

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伊勢和紙への写真のプリント

伊勢和紙への写真のプリント

伊勢和紙の大豐和紙工業訪問

和紙への写真のプリントを試行錯誤しています。
その一環で、長年、神宮御用紙を奉製されてこられた大豐和紙工業株式会社の伊勢和紙ギャラリーと伊勢和紙館に伺ってきました。
迎えて下さった中北喜得(よしえ)さんは「自分が和紙に写真をプリントしたいから」という思いで印刷用和紙を開発してこられたそうです。

印刷用伊勢和紙は、和紙本来の良さを大切にするために、敢えて発色を調整する

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レゾンデートル

レゾンデートル

写真にさらにしっかり向き合いたいと思っています。
先ずは自分の内側に向かって。そしてそこから外に向かっていきたいです。

私が写真に向き合うようになった原点は、2006年に数年振りにマリ共和国を訪れた時の出来事です。
友人や妻の家族に、1983年から23年間撮り溜めていた(と言っても大した量ではありませんが)写真を見せた時、かつての赤ん坊は我が子をあやしながら、かつての鼻垂れ小僧は一家の主人になり

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生成AI画像の話(その2)

生成AI画像の話(その2)

4月21日に書いた「写真か否か」の続きです。

前回は(写真家ではない)写真を撮る者の視点で生成AI画像についての意見を書きました。この時は記録かアートかという分類しか思いつきませんでした。
しかし写真を生業とする写真家の視点、あるいはそれを見る側の視点に立つと、生成AI画像には記録でもアートでもないメディア(たとえば商業目的のイメージ)としての可能性が非常に大きいと思い至りました。

これまでス

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写真か否か

写真か否か

AIを使って生成した画像が世界的な写真コンテスト最優秀賞を受賞し、作者が受賞を辞退したという出来事が最近ありました。

AI が生成した画像が世界的な写真コンテストで最優秀賞を受賞

これに関する受賞を辞退したBoris氏の主張を読んでみました。

以下そこからの抜粋翻訳です。

余談になりますがこれを読むと、先のHEPEBEASTの日本語記事のタイトルには「AIが生成した」とありますが、Bori

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路上で見知らぬ人の写真を撮ること

路上で見知らぬ人の写真を撮ること

富士フイルムフォトサロン名古屋での個展は、パリの路上と地下鉄での「ストリートフォトグラフィー」を展示しました。
在廊中、「見知らぬ人を撮っていてトラブルがなかったか」「肖像権の問題についてどう考えているのか」という質問を何度もいただきました。
後者の質問については、富士フイルムフォトサロン名古屋がストリートフォトグラフィーの展示を認めてくださったところに、ひとつの答があると思っています(ただしそれ

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富士フイルムフォトサロン名古屋で3月に写真展をします

富士フイルムフォトサロン名古屋で3月に写真展をします

写真展の情報

タイトル:不安定均衡(2021年10月、パリ)
日 時: 2023年3月10日 (金) - 16日 (木)、会期中不休
     10:00~18:00(最終日は14:00まで)     
場 所: 富士フイルムフォトサロン 名古屋
     〒460-0008 愛知県名古屋市中区栄1-12-17
     富士フイルム名古屋ビル1階
     TEL 052-204-0830
 

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M11 初日のハードウェアインプレッション

M11 初日のハードウェアインプレッション

M11を使い始めました。
M11らしさ、その革新性、特徴のレビューは、これから多くの記事が出てくることでしょう。僕はいちユーザーとして戸惑った点、改善して欲しい点を書いておきます。

実はこれ、ファームアップや次の機種にフィードバックしてもらえることを願って、ライカAG(ドイツ本社)向けになんちゃって英語で書いたものがベースです。ここでは省略した前段で、まず何よりも手にできた喜び、素晴らしさ、変わ

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ストリートスナップのカメラと「祝祭の装置」

ストリートスナップのカメラと「祝祭の装置」

1. ストリートスナップのためのカメラストリートスナップを撮る写真家も目立たないカメラではなく、大きくて使いづらいカメラを選ぶのだそうだ。長いこと路上を撮っている人ほどその傾向にあると聞いた。今なら音がしないカメラもあるのに使おうとはしない。

渡部さとる 写真生活 2021-10-31 ブックフェアと「祝祭の装置」

これを読んでみっつの感想を持ちました。
・おもしろい着眼点だ
・それはあり得る

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Le Sac du Berger 羊飼いの鞄

Le Sac du Berger 羊飼いの鞄

2月始めにフランスから届いたカメラバッグです。
Le Sac du Berger(羊飼いの鞄)というフランス南西部レイロールの工房のものです。
まず元遊牧民としてその名前に、そしてこのバッグの特性に惹かれました。

「羊飼いの鞄」という名前の通り、古くからフランスの羊飼いによって使われていたバッグを基本に作られています。
羊飼いにとってはバッグが唯一の荷物です。そのバッグにはポケットや仕切りがあり

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竹沢うるまさんの写真集 Remastering

竹沢うるまさんの写真集 Remastering

竹沢うるまさんは世界中を旅して写真を撮られている写真家です。
竹沢さんの写真は、行ったことのない土地でさえそこに自分がいて、自分の目でそのドラマティックな光景を見ているかのようなわくわくする気持ちになります。
彼の明るく鮮やかでいきいきとした写真が大好きです。

9月初め、COVID-19で閉塞した世界の中、竹沢さんがかつての「日常」をテーマにした写真集作成を目標にしたクラウドファンディングを始め

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齋藤陽道さんの写真展『絶対』

齋藤陽道さんの写真展『絶対』

ワタナベアニさんに教えていただいた齋藤陽道さんの写真展『絶対』に行ってきました。

『絶対』の写真は、被写体にしっかりとピントはあっているのですが、逆光で被写体がクリアに見えません。そのためもっとしっかり見たいと思います。しかし影の中にあったり強い光に包まれていて、その細部は記憶に残るような形で意識に残りません。見えるようで見えないものは、誰かでもあり誰でもなく、誰でもなく誰でもあるものになってい

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Matt Stuart氏の写真に衝撃を受けました

Matt Stuart氏の写真に衝撃を受けました

Leica Store Los Angeles, Leica Store Boston, Leica Store Las Vegas, Leica Akademie USA, Leica Store DC, Leica Camera合同主催の”Street Photography and Beyond: A Conversation with Matt Stuart”というウェビナーに参加しました

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You make me happy when skies are gray

You make me happy when skies are gray

今年3月前半までは例年通りのペースで写真を撮っていました。
しかし3月からCOVID-19に翻弄され、仕事に必死で大好きな写真にも向き合えませんでした。

「これじゃだめだ、写真を撮ろう!」と8月には意識してカメラを持ち出し、仕事用の商品撮影もしてみましたが、9月にはまたスローペースに戻ってしまいました・・・

しかし9月末、妻にカメラをプレゼントされてからは毎日写真を撮っています。
8月のような

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