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タスマニアの決意

私は、今月から一年間タスマニアに留学する。
長いようで短いような、この一年間への決意をここに表明したいと思う。


一つ、生活者であること

私は今までいくつかの国や地域を、自転車や徒歩や電車など様々な方法で旅をしてきた。
いくつもの街を通り過ぎ、たくさんの人と景色に出会った。
それらは刺激的で、多くの学びに満ちていた。
しかし、旅が移動という性質を伴う以上、その土地の人々の暮らしに深く近づくことは難しい。
新しい風景に出会う度、私はこの風景を眺めることはできても、風景になることはできないのだという寂しさをぼんやりと抱いていた。

留学を通して、私は生活者となることができる。
風景になれるのだ。
パン屋に並ぶ列や、朝の騒めき、バスに揺られる乗客、この街の日常を構成する一部になるのだ。
しかも異国、異文化ときた。これからの生活は私の今までの生活との違いに満ちていることだろう。
私は、旅では得られることのできない、より深い発見や驚きが生活を通して得られると信じている。
それらをつぶさに観察し、実践し、吸収していきたい。


二つ、探究者であること

私がタスマニアを選んだ理由は、その特異的な地理条件にある。
島は、地理的に隔離されていることから固有の生態系が生まれやすい。
タスマニアにも独自の生態系が繰り広げられていて、島の大部分が国立公園に指定されている。
私は、この島にうごめく生物の営みを可能な限り知りたいと思う。
植物、動物、菌、、それらの形態は、生き様は、どのようなものなのだろうか。

探究の分野は自然に留まらない。
タスマニアに暮らしていたアボリジニや、植民地支配の歴史、文化や生活、知りたいことは山ほどある。
私の探究は、知識と実践の両輪で回すことが理想だ。
授業や読書を通じて知識を得ながら、実際に自分の足で様々なフィールドを訪れ、自分の五感を活用して自分の世界に落とし込んでいく。
そしてまた考えて、知って、足を動かす。その繰り返し。
このサイクルを通じてタスマニアを理解し、世界の解像度を上げていきたい。


三つ、挑戦者であること

私は性根がすごく臆病なので、見知らぬ何かに取り組むのには勇気と勢いと好奇心が必要な人間だ。
しかも英語力が高くないので、授業も会話も何を言っているのか分からないときが多い。
英語が話せないこと、圧倒的欧米人の中の日本人であること、マイノリティの要素が多く大変な環境ではあるが、挑戦する姿勢を失わずにいたい。
話さないと分からないことはきっとたくさんある。
なにより私は成長するために日本を出ることを選んだ。
目の前に現れる機会を逃さず、やらないことで後悔することがないように。
大変なことがあると、さっさと思い出にしてしまいたくなるが、今この瞬間に全力を尽くしていきたい。


四つ、創作者であること

私は何よりも自分の感性を信じている。
私がこれから知るであろうこと、見るであろう景色、出会う価値観、それら全てを自分の感性を通して受けとめ、何かを創りたい。
言葉なり、絵なり、音なり、フォーマットは何でもいい。
私がタスマニアから見えたものを表現したい。
そしてそれが誰かに新しい発見や驚き、次なる創作のヒントをもたらすことを願って発信したい。


以上!




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