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一棚オーナー制の「とまり木」「Cの辺り」を訪ねる

見学ツアーから4日後の1月16日、今度は茅ヶ崎市で一棚オーナー制の本屋と図書館をやっているお店を調べて、アポイントなく夫婦二人で訪れてみました。

最初に行ったのは、「話せるシェア本屋」と謳っている一棚書店の「とまり木」(トップの写真は「とまり木」さんの棚)です。突然の訪問にも、店長の大西さん(ジミーさん)はこころよく対応してくれて、僕たちが今計画していることをじっくりと聞いて、いろいろと話をしてくれました。

「とまり木」は「本をきっかけに人と話をしたり、新しい人とつながることで、心の中を整理できたり、前を向くきっかけをもらったりできる場所」というコンセプトで、ジミーさんは「事務所をまちに開いている感じ」とおっしゃていました。

僕は「コミュニティスペースの箱だけ作っても、誰も来てくれないんじゃないか」という不安を抱いていたのですが、ジミーさんは準備に3年かかったことなども教えてくれました。60以上ある棚がほとんど埋まっていましたが、ジミーさんは一棚のオーナーさんたちを「とまり木オーナー」と呼んでいて、みんなで「とまり木」を運営しているという感覚だといいます。

次に伺ったのは「Cの辺り」です。サザンビーチの砂浜にある「C」のモニュメントの目の前にあるコワーキングスペース&一棚ライブラリーで、池田一彦さん、美砂子さん夫妻がオーナーです。こちらも突然伺ったにも関わらず、いらっしゃった美砂子さんが話を聞いてくれました。「Cの辺り」は「とまり木」とは違い、一棚ライブラリーです。

一棚オーナーは月に2000円を払って、おすすめの本を読んでもらう機会を提供するという制度です。本の売上としての儲けはなく、オーナーはお金は支払うだけです。それでも、棚はほぼ埋まっていました。美砂子さんは「価値観の逆転」という言葉で説明してくれました。

「Cの辺り」を訪れる前に、HPで一彦さんが綴っていた「関係資本主義」や「茅ヶ崎カンパニー」といった社会を舞台にした試みについて読んでいたので、非常に興味深く感じていました。美紗子さんが語る「価値観の逆転」も「関係資本主義」に通じるものだと思いました。

また、池田夫妻が大切にする株式会社 beの「5つの be」(つくる、つながる、もちよる、たすけられる、おもしろがる)についても、聞かせてもらいました。

この日、訪れた二つの一棚オーナー制の本屋と図書館、どちらもオーナーさんの個性がそのまま店の個性となっていて、とても心地よい空間でした。自分たちにこんな場所がつくれるのだろうかという不安というか、そんな場が実現できるイメージは全然、湧きませんでした。ただただ、ジミーさん、池田夫妻を仰ぎ見るばかりでした。

その3日後の19日は、先日の見学ツアーを経て、丸山アーバンの西山社長、一級建築士の長村さん、ユーミーclassの海沼さん、相続税の概算などを出してくれた中俣さんとの打ち合わせでした。

この日は、これまでにまちづくりで様々な物件を手掛けてきた西山さんがたくさんの実例とともに、コミュニティづくりなどについて話をしてくれました。その中で印象に残ったのは「賃貸物件の運営は我慢が大事」ということでした。そして、候補地の駐車場近くにも父名義の月極駐車場やマンションがあることを話すと、西山さんから「それらも含めて一体で賑わいをつくり出していくこともできるのではないか」という提案もありました。

”なりわい暮らし”のアパートも一案だろうし、いろいろ考えられるので、次回の打ち合わせでは、今回出たアイデアをもとに、長村さんが大まかな構想図を出してくれることになりました。

また、1月28日、書店にあった雑誌で「家づくり学校」というのを見つけて、鵠沼に湘南校があったので、アポを取って今回は一人でセミナーに行ってきました。行ってみると、セミナーといよりも1対1の面談形式だったのですが、家づくりに必要な知識を教えつつ、こちらの求めに応じて優良な住宅会社や工務店を紹介する仕組みのようでした。

エネルギー消費など環境負荷の少ないエコな家を建てたいという考えがあったこともあり、「家づくり学校」では高断熱・高気密住宅のUA値、C値、Q値がいくつ以下だといいといった話が中心でした。面談の最後には、それを実現できる工務店ということで茅ヶ崎にモデルハウスのある工務店を紹介してもらいました。

雪の降った2月5日にその工務店を見学し、また別の建築会社の藤沢での新築見学会も2月10日に訪ねました。それぞれの会社のこだわりの家づくりについて話を聞き、コミュニティ賃貸ではないですが、これもサステナブルな住宅として、今後の参考としようと思いました。

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