立冬をちょっと過ぎて。
インバウンドにおける個人旅行の解禁や、全国旅行支援などにより、観光都市である高山はなんとなくソワソワしている気がする。
知り合いには観光業に関わる人たちも多いし、経済活動によってまちが元気になるのは有難いのだが、いまいちもろ手を挙げて喜べないのはなぜなのかを考えてみる。
どうしてもアイロニカルな視点になってしまうのは、自分の店に観光客が来るという恩恵がないから、というのも勿論あるだろうけど、本屋としての立場をはっきりさせておきたいという思いもある。
めまぐるしく状況が変わるなかで、ちょっと立ち止まって考えを巡らせたり、違った考え方を差し込むことが本屋の役割だと感じる。
そして、同じような役割を持つ場所として喫茶店、銭湯、駄菓子屋などが思い浮かぶけれども、得てしてそういう場所は儲からない商売なところもおもしろい。
このような場所はまちづくり、サードプレイスのような文脈において注目されることは多い。
注目だけされて、その後が見えにくかったりするのがとても残念ではあるけれど、そもそも注目されるためにやっている訳ではないだろうからまあええか、という感じ。自分もおんなじやし。
まず、おんなじことやってへん?
という感覚がある。
私が高山に来たのは2018年なので、その辺りからの知識で話すという前提があるものの、目に見えてオーバーツーリズムの問題や、観光を語る上で業態間、地域間の温度差がありすぎることがとても気になっていた。
コロナ禍は、誰にとってもハードな期間だったと思う。
だいたいにおいて、しんどい思いをすれば次はこう改善する、避けて通る、といったことをするもんだと思うのだが、3年近いこの期間、何が変わったのか誰か教えてほしい(市長は変わったけど)
こういうことも、マクロな視点で話すとどうしても見えにくくなるけど、個人と話すとしっかり変わってる人もいて、その点では安心する。お店であれば業態を変えたり、人で見ると考え方が変わっていたり。
何が言いたいか分からなくなってきたので、ここでひとつ具体的な話を
私のシェアハウスに興味を持った方とのお話。
高山が好きで、数年前から移住を検討しつつ都市部から通っているという方で、普段はビジネスホテルなどに滞在していたが、全国旅行支援の便乗値上げで、とても滞在できる値段ではなかった。(様々な理由で旅行支援が受けられない場合もありますよね。7泊までの縛りとか)そこで白羽の矢が立ったのが、Go Toなんちゃら辺りから完全に時代に取り残されていた住職書房だったという訳だ。
マジメにやってたらちゃんと見つけてもらえるんやなぁ、と本当に感謝した出来事でした。
もちろん、全国旅行支援がなければ…なんて人もおられたでしょうから、簡単に済ませられる話ではないけれども、そんなんに振り回されるためにお店やってんのかいな、と思ってしまうのも事実。
移住、という言葉が出てきましたが、この中では移住と観光が切り離されて考えられているように思えます。
私は、観光の先に移住があると思っているし、移住者が観光を盛り上げる、といった例もたくさんあるので、この二つは切っても切れない関係なはずです。
じゃあ移住の前段階の観光ってどういうものだ、とか。そもそも私自身、移住について語ることが既にナンセンスだと感じているところもあります。
だいぶまとまりのない文章になりましたが、今後の叩き台というか、キーワードを蓄積させていく作業としてとりあえず人前に出すか、という思いで書いているのでその辺はご容赦ください。
合掌
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