「ニューコミュニティ」の時代
2016年に中国最大のECサイトであるアリババのCEOであるジャック・マーが「ニューリテール」という概念を打ち出しました。
「ニューリテール」とは、簡単に言うとオンラインとオフラインを融合して相乗効果を図るO2Oビジネスモデルである。
元々「EC」、つまりオンラインでの購入のみだったのが、オフラインも融合して顧客と向き合っていくという宣言でもあります。
先日実施したCMC MeetupのB2C分科会が終わった後の電車でコミュニティについて話している時に、ふとこの「オンラインとオフラインの融合」は、コミュニティにもそのまま当てはまる重要な要素なんじゃないかと思ったんですね。
CMC Meetupの主催である小島さんはコミュニティマーケティングで重要な3要素として下記を挙げています。
アウトプットファースト、オフラインファースト、コンテキストファースト引用;https://nipponmkt.net/2017/11/15/takurami51_ojima03/
また、オフラインが重要な理由を下記のように挙げています。
オフラインの場で情報交換を行い、オンラインの場で情報を拡散する。そして拡散によって、新たな人がオフラインの場に入ってくる。そのサイクルを作りたいので、ベースはオフラインの場だと考えています。
引用;https://nipponmkt.net/2017/11/15/takurami51_ojima03/
やはり、実際に会った方が熱は伝播しやすいです。そしてオンラインは、オフラインで熱くなった気持ちを維持するものとして重要。オンラインで拡散させ、情報の流通量を上げたいと思うなら、オフラインの場がある方が絶対にいい
引用;https://nipponmkt.net/2017/11/15/takurami51_ojima03/
つまりオフラインファーストではありつつも、情報交換や熱量を維持するためにオンラインも重要だということですね。
元々SNSが盛り上がった時期は「オフラインコミュニティ」をどうにかしようと企業も個人も必死になっていました。
しかし、やっぱり実際に会ったほうがそのコミュニティの熱量が上がると気づき始めているフェーズなのかなと思います。
このコミュニティのあり方は、ニューリテールをもじって「ニューコミュニティ」といえるのではないでしょうか。
ただ
そもそもコミュニティはオフラインが前提のものだったはずです。
例えばキリスト教で言えば「教会」、仏教でいえば「お寺」等のリアルな場所に集まることで、オフラインのコミュニティが生まれていきました。
学校もそう。校舎という場所で集まるオフラインのコミュニティです。商店街なんかも、オフラインのコミュニティですね。
コマースでもそうです。
元々、「オフラインの店舗で売る」ことが商いの基本であり原点です。
それを「オンラインとオフラインの融合」ということでオフラインをもてはやしています。
新しさが無さそうなのに、なぜコマースでは「ニューコマース」と言われているのでしょうか。
これは元々のオフラインの役割がオンラインによって「拡張」したために、「ニュー」という接頭辞が付いたんじゃないかなと私は考えています。
例えば「earth music & ecology」等のブランドでも有名なストライプインターナショナルは、オンラインで必要な「データ」をオフラインの店舗にて獲得することを目指しています。
これからの店舗は「売る場所」じゃなくて「データを取る場所」
引用:https://forbesjapan.com/articles/detail/20987
オンラインによって売るチャネルが増え、同時に売り方や売るための課題が明確になった。その課題がオフラインで解決すると分かり、オフラインに新しい役割が付加された。
そこが「新しい」ということです。
これをコミュニティに当てはめると、オンラインでは分からなかったことがオフラインでは分かるようになります。
例えば「このアカウントの人は男性なのか、女性なのか」「年齢は何歳くらいなのか」「どういうバックグラウンドがあるのか」「コミュニケーションスキルはどれくらいなのか」etc...。
これをデータとして把握することで、オンラインでのコミュニティの質を最適化していくことが可能になるわけです。
オンラインが全てでもないし、オフラインが全てでもない。
それぞれどういうことが得意で、逆に不得意なのか。
そこを考えた上で、適切に「場の使い分け」をしていく。
今後の「ニューコミュニティ」を作り運営していく中で、そういう考えが重要なのだと私は思っています。
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