見出し画像

2024.04.03【Report】高円寺マシタ×100♡KOENJI「みんなで育てるパブリックアート」企画 通路をキャンバスにしちゃいマシタ!

「高円寺」に暮らす人々が紡いできた文化を大切にしながら、「高円寺らしさ」をこれからもつないでいく場所でありたいという想いを込め、JR中央線・総武線高円寺駅高架下の商業施設「高円寺マシタ(東京都杉並区)」は2023年3月31日(金)に開業しました。
今回、アートを通じて高円寺のまちづくりに取り組む団体「みんなのまちアート実験室」が主催する「100♡KOENJI(one hundred love koenji)」プロジェクトに協力し、高円寺マシタの通路が最初のキャンバスになりました。高円寺らしさを未来へつないでいくプロジェクトのアートができるまでをお届けします。

高円寺への愛が着地するプロジェクトとともに

2022年、開業100周年を迎えたJR高円寺駅。 変化する激動の時代、高円寺には「高円寺らしい」としか言いようのない様々なカルチャーや多様な価値観がミックスした魅力が育っています。「100♡KOENJI」は、まちの今を未来まで届けるため、守りながら進化し続けていくため、高円寺を愛する高円寺住民が立ち上げたプロジェクトです。込められた想いは、このまちに愛着が生まれる、愛が着地するという願いから、LOVEをたくさん集めること、そしてその愛が続いていくこと。タイミングとしても高円寺駅が開業100周年を迎えたこともあり、これまでと、向こう100年にまで届くような大きいスケールで考えた時に、今このまちがどのような状況にあって、今後どうなっていくことが理想なのかを時間軸でも見ていく意味も込めたプロジェクト名とのことです。その最初の舞台として2023年9月より高円寺マシタでアートイベントを展開しています。

誰もが気軽に参加できる住民参加型アートイベント

2023年9月17日(日)に最初の参加型イベント「100♡KOENJI まちに絵を描こう 楽書きマシタ!」を開催。高円寺マシタは、誰もが気軽に参加できるアートの遊び場になりました。通路では自由にチョークで絵を描いたり、参加された方のスケッチやインタビューを動画にしたりと、地域住民の方々を中心に総勢200名もの方にご参加いただき、多様な年代の方が足を止め、他国にルーツを持つ方なども楽しんでいました。印象的だったことは、高円寺というと若い単身の来街者が多いイメージもありますが、予想以上にお子さま連れ家族の参加者が多かったことです。盛況となった本イベントを通じて、高円寺マシタを初めて知った方、知っていたが初めて来たという方も多く、認知度向上につながる機会にもなりました。

これからの高円寺を考えるまちづくり会議

続いて2023年9月24日(日)には、高円寺・阿佐ケ谷駅間高架下にある多目的スペース高架下空き倉庫にて、まちの魅力やこれからのまちづくりについてトークセッションをする「オープンフォーラム 100♡KOENJI まちづくりアート会議」を開催。ゲストは高円寺に住む人、商う人、好きな人たちで、高円寺と言えばという方々。トークセッションの中では「アートを継続的にみんなで付け足していくことで常にアップデートしていく」、「参加型で思いのままに描いてもらうことで地域住民と育てていく」、「子どもたちにも描いてもらうことで将来、自分たちが関わった場所として認識してもらえる」といった、まさに“まちづくり”の視点で様々なディスカッションが繰り広げられました。高架下空き倉庫内の奥半分にはお絵描きコーナーや風船・シャボン玉を設け、たまたま通りかかったお子さま連れの方なども気軽に立ち寄りやすいイベントとなりました。

通路に描いたアートを楽しむ完成お披露目イベント

2回の公開イベント「楽書きマシタ」や「まちづくりアート会議」で出たアイデアを反映したアート空間が、2024年3月9日(土)のイベント「100♡KOENJIで踊っちゃいマシタ」にて、ついにお披露目。高円寺マシタの通路の床面にはチョークの楽書きで印象的だった「人型」が、公募で集まった地域の子どもたち6名の姿でアートに取り込まれ、「地域の皆さまが関わり、育て続けるパブリックアート」のコンセプトが体言化されました。お披露目イベント当日は、楽しく日常使いする通路になることを狙って、DJブースが出現。高円寺と言えば阿波踊りということで特別公演のご協力もあり、アートを楽しむイベントは大盛況で終えました。ちなみにアートのデザインは
Takaomi Yoshida
さんによるもので、ショッピングセンター「ビーンズ阿佐ヶ谷」もりのこみち西側の壁面アートを以前に制作されており、偶然ですが隣駅とのつながりもできました。

まちとの共生続けていくまちづくり

これからの高円寺、高円寺マシタの展望について、みんなのまちアート実験室 代表 大黒だいこく 健嗣けんじさん、当社担当のぎゅう 鴻華こうかさんにお話を伺いました。
大黒:まちづくりは続けていくということ、アクションがあり続けることが大事。だからこそアートにも余白を残し、今後も増やしていく可能性を残しました。みんなのまちアート実験室においても、頼まれてその場所に行って、やって終わりではなく、「100♡KOENJI」を通じて自分たちの住んでいるまち「高円寺」の毎日の暮らしや環境を、具体的に良くしたいという想いが芯になっています。
牛:高架下の再開発をするにあたって高円寺ストリートの古き良き部分をどう残すか、高架下のネガティブなイメージをどうポジティブに変えていくかというミッションがありました。高円寺のまちと一緒に歩んでいきたいので、今回のようにストリートライブ・ストリートアートという形で地域のみなさまと高円寺の文化を新しく表現したり、高円寺四大祭り(びっくり大道芸、阿波おどり、高円寺フェス、演芸まつり)の会場の一部にしていただいたりと、これからもまちとの共生を目指していきます。

※本プロジェクト動画はこちらからご覧ください!

・施設名称:高円寺マシタ
・所  在:東京都杉並区高円寺南三丁目70番1号
・アクセス: JR高円寺駅 高架下

取材編集/くらしづくり・まちづくり室



「みんなのまちアート実験室」 代表 大黒だいこく 健嗣けんじ

プロジェクトアーティスト。(プランナー / プロデューサー)
現代の都市を舞台にしたアートプロジェクトを通じて、あたらしい価値観やライフスタイルを提案し実践する。高円寺で2008年にオルタナティブスペース”AMPcafe”を立ち上げ運営、2016 年にBnAhotel Koenjiをスタート、のち秋葉原、京都、日本橋にアートディレクターとしてホテル展開。並行して、都市の外壁に壁画(MURAL)を描くまちづくりプロジェクトを高円寺(2016~)、虎ノ門(2018)、中野(2021~)などで展開。2021 年 大黒株式会社設立。コミュニティスペース、パブリックアート、イベント、アートフェスの企画制作などに取り組んでいる。

株式会社ジェイアール東日本都市開発 開発事業本部 マーケティング・開発部 ぎゅう 鴻華こうか

2018年入社。埼京支社にて高架下開発管理業務に従事後、開発事業本部にて収支計画管理業務を担いながら、社内部署横断で歩きたくなる高架下を目指す阿佐ヶ谷・高円寺プロジェクトに参加。その後、高円寺マシタ等の商業施設運営を担当。
各商業施設を運営するにあたり、テナント様だけではなく地域の皆さまと共にまちづくりを実施することにも重点をおいた取り組みを目指している。様々なジャンルにアンテナを張り、活用できることはないかを日々模索中。

(この記事は当社webサイトから再掲したものです)