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Goodbyeライブハウス・GoodByeアーティスト

相変わらず灼熱の暑さと突然襲ってくるゲリラ豪雨に悩まされる日々が続いています。皆さんはいかがお過ごしですか?

ニュースやTVでは相変わらずコロナ渦という言葉を聞かない日はありませんが、私や周囲の人々の関心はもはやそんなところにはありません。日々の仕事、分刻みのスケジュールに帆走し、やりたいこともやりたくないこともただ黙々と、そして慎重に作業をする日々が続きます。

気が付かないうちに外の空気はすっかり秋色に変わってきました。どことなしか雲の様子もイワシ雲が増えてきて、雰囲気的にはもう秋ってことでいいのかな。そんな中でも私は音楽のことが頭を離れません。

先日、SNSを見ていたら立て続けにライブハウスが閉鎖するというニュースが飛び込んできました。ツイッターのトレンドには上がることはありませんが、東京で音楽をやっている人、音楽を愛する人ならだれもが知っているライブハウスです。

一方でアーティストの解散もちょこちょこと耳に入ってきます。私が今までお世話になった東京のガールズバンドの一つ「凸凹凸凹(ルリロリ)」と「絶対クラブ」がこの秋に解散します。両バンドともガールズバンドとしてはこれからの飛躍を期待していた矢先です。見た目の可愛さだけではない、楽曲とエネルギッシュなパフォーマンスは、海外のミュージックコミュニティでも定評があり、毎年彼女たちのパフォーマンスを見るために、アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリアなどから、J-Rockを好き海外のファンたちがやってきていました。

発表はどちらも突然やってきます。解散コンサートはどちらも配信のみで行われます。コロナ渦なので、無観客コンサートをやって解散するのです。

ファンから見れば、最後にせめて一言だけでも直に積もる思いを伝えたいのでしょうが、それすらも叶いません。コロナの前では、誰も思うように事をはこぶことができないのです。

一方ライブハウスも急転直下の展開を見せてきています。コロナの問題が取りざたされた2020年前半、多くのライブハウスが生き残りのためにクラウドファンディングで資金を募りました。一時的なクラウドファンディングで資金は調達できたのですが、生き残れるか残れないかは、その後の動きによって決まってきます。残念ながら、生き残れないライブハウスも続々と出てきてしまいました。六本木morph、赤坂TENJIKUなど長年多くのファンに愛されてきたライブハウスも今年中に業界から撤退することを決めています。さらにライブハウス閉鎖の動きは今後も続くと思われます。

このような日本のインディーミュージックシーンにおける解散と閉鎖の流れが何をもたらすのでしょうか?そろそろこのことを体系的に考える記事が出てきてもいいのでは?と思いますが、大してPVも取れそうにない話題なのか、誰もそのことに触れようとはしないようです。私はこの逆境下で、ライブハウスやアーティストがどうすれば復活ができるかを考えてみたいと思います。

私は、海外の音楽ファンと多くのコミュニティで繋がっています。BabymetalやBandMaidのファンから始まり、CrossfaithやCrystalLake、AlexsandorsやOneOkRockのファン、PerfumeやAKB48のようなJ-Pop、アイドルのファン層、ジャンルは様々ですが、彼らが東京にやって来た時、真っ先にライブを見に行く際のガイドをしています。彼らは日本のインディーシーンの多様さと質の高さに必ず驚き、そして称賛して帰ります。中には何度もリピートしてくれる方もおり、それほどに日本のインディーシーンは世界の人々から見ても非常に珍しく、かつレベルの高いということがわかります。

しかし、日本に住んでいると、それは小さな出来事のようです。悲しいかな、ロックもポップスもインディーシーンはそれほどホットな音楽シーンではないようです。だからどのバンドが解散しようが、どのライブハウスが閉鎖しようが、世の中的には大したニュースにはならないのです。

果たしてこれは何を意味するのでしょうか?私は、世界における日本の音楽文化の明らかなる低落と捉えています。日本のインディー界隈にはとんでもなく素晴らしい技術を持った演者さん、パフォーマー、スタッフたちがいます。すべてとは言いませんが、このように「まだ日の目を見たことがない人々」が経済的な理由から、あるいは音楽に対する情熱の喪失から、世間からの冷たい視線に耐えられずにその活動をやめていかざるを得ません。

将来アニメの大作やヒット曲に曲を提供しるかもしれない埋もれた才能たちが、次々とその活動をやめてしまっては日本のサブカル文化も衰退せざるを得ません。なぜならアニメの主題歌などの多くはこのようなインディーシーンで活躍する人々が制作した楽曲を使うことが多いからです。

ほんの一例ですが、幼女戦記を歌ったねおきまこさんや、戦隊ものドゲンジャーズに楽曲を提供している元Bridearの美弦さん、遊☆戯☆王VRAINSなど数々のアニメで活躍する沢城みゆきさんの弟沢城千春さん、ケンガンアシュラというアニメでは知っているだけでも実に四組ものインディーズアーティスト(Fate Gear、Bridear、爆弾幸気圧FrozenCakeBar)が楽曲を提供しています。N.I.C.KのボーカルであるYuyoyuppeさんはあのBabymetalの名曲megitsuneやKarateの歌詞を提供したことでも知られています。

日本のサブカルチャーというとおそらく皆さんはワンピースとか鬼滅の刃などのアニメを想像するかもしれませんが、そんな大舞台で活躍されるアーティストさんの陰にはこんなにも素晴らしいアーティストがいるっていう事を知っている人などほとんどいないんじゃないでしょうか。そんな素晴らしいアーティストたちの曲を一度は聴いて欲しいと思う今日この頃です。

話が脱線しました。次回は、このような優れた才能たちを根絶やしにしないための施策について、私の見解を述べてみようと思います。


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