<こびないナビ>勤務医が誰にも媚びずに本音で語るCOVID19 #3-2既感染者のワクチン接種は必要か?

(1)自然感染による免疫は優れている 
 自然感染による免疫は、ワクチンによる免疫より優れているという論文は数多く投稿されています(論文の簡潔な内容は別記事で紹介します)。
 以下にそのいくつかをご紹介します。 
https://www.nature.com/articles/s41586-020-2550-z
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8253687/ 
https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2021.06.01.21258176v2 
https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2021.03.06.21253051v1
Comparing SARS-CoV-2 natural immunity to vaccine-induced immunity: reinfections versus breakthrough infections | medRxiv
https://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/309762 
https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2021.11.15.21265753v1.full.pdf
https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2022.02.19.22271221v1.full.pdf
 
 これはワクチンによる免疫が、スパイク蛋白への免疫に限定しているのに対し、自然感染による免疫では、ウイルス全体(N蛋白、E蛋白、M蛋白など)に免疫ができるからと考えられます。
 
 (2)ワクチン接種により武漢株スパイク蛋白への免疫に偏る(抗原原罪)
 
 既感染者にワクチンを接種すると、変異体への反応性が低下したという論文が報告されています。
https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2021.08.12.21261952v1.full.pdf

 図は、2回目接種により武漢株と比較し、α株に対する反応性が低下しているのに対し、既感染者(patients2021,2021)の反応性は、接種者より有意に高いことを示しています。
免疫の専門家の見解を伺ったところ、2回目の接種で反応性が低下することから、「抗原原罪」を示唆していると考えられるとのことです。
(武漢株用のワクチンを打つと、変異株に暴露しても武漢株に対する抗体を産生する現象)

 (3)既感染者は副反応が強く生じる

 さらに重要なことは、既感染者はすでに新型コロナに対する免疫を有するために、ワクチンを接種すると全身性の副反応が出やすいことです。
Vaccine side-effects and SARS-CoV-2 infection after vaccination in users of the COVID Symptom Study app in the UK: a prospective observational study - PubMed (nih.gov)
 実際に、強い副反応を経験している方々もおられるでしょう。
 mRNAワクチン接種によってスパイク蛋白が産生されると、身体はウイルスが入ってきたと認識し、リンパ球による自己組織への攻撃が始まり、副反応が強くなります。既に免疫を成立させている既感染者が1回目から強い副反応を呈するのは、リンパ球が即座に反応するからです。
  
 
 Lancet Rheumatologyには、以下の見解が投稿されています。
『既感染の医療従事者はワクチン接種義務の対象から除外されるべきである』

①  効果が減弱するワクチン接種より、感染回復後の自然免疫の方が優れている。

②  ワクチンでは粘膜免疫を誘導できないので、接種しても人にうつす可能性がある。あくまでワクチンは、接種する個人の重症化を予防するためのものである。

③  既感染者にワクチンを接種すると、高い抗体価やT細胞応答を誘導するが、この長期的な臨床効果は証明されておらず、ベネフィットはほとんどないという研究報告が増えてきている。接種者の抗体価が高いから既感染の免疫より優れているという考えは誤りである。

④ドイツを含めた一部の国々では既感染の医療従事者は90日間ワクチン接種が免除される。しかし、90日という科学的根拠は不明で、無期限とすべきである。

⑤ワクチン接種義務により医療従事者が不足している。自然免疫の効力を政治家に認識させるべきである。
 
※詳細は、荒川央先生のnoteでも紹介されています。
SARS-CoV-2自然感染から回復した医療従事者は、ワクチン接種の義務化の対象から除外されるべきである: Lancet Rheumatolに掲載された記事から|荒川央 (あらかわ ひろし)|note

 
まとめ
・自然感染による免疫のほうが、ワクチンによる免疫よりも変異体への反応性や持続性に優れている。
 
・ワクチンを打つと武漢株に対する免疫が強化され、変異株への対応幅が減弱する(抗原原罪)
 
・既感染者は副反応が強く出る
 
 以上より、既感染者に対するワクチン接種は、強い副反応というデメリットに比してメリットも少ないため、不要と考えます。

  自然感染による免疫が優れていることを、今一度認識することが大切だと思います。


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