「1on1」に込められた想い
本日訪れたのは、ジョイゾーの公式noteメディアチームのジョイゾー編集部員T。今回は、社員一人ひとりと行っている「1on1」のなかで、琴絵さんの大切にしている想いについて話していただきました。
社内における「個人の自律と成長」について、仕事の背景にある「根拠」を伝える大切さとは?また、ストレスフリーな仕事の秘訣など、琴絵さんの社員に対する想いを紐解いていきます。
社員との「1on1」から見えてくるもの
--琴絵さんは、チームのなかで「1on1」の時間を大切にしていますよね。そのなかで特に大事にしているところはありますか?
「1on1」は、社員一人ひとりのコンディションの確認の場だと思っています。「最近なんか困っていることない?」とか「何ができるようになった?」など、社員にとっても「自分を客観視して、自分で考えて回答する」といったアウトプットの場になっていたら良いなと思います。
割と自分のことって「できなかったこと」のほうにフォーカスされやすいと思っていて。話をしていても「できなかったことを何とかしよう」というのは、よく聞くんです。でも、どちらかというと私は「自分が自然にできたことって何?」というところを知りたい。「当たり前にできていること」って当たり前すぎて、なかなか自分で気付けないんですよね。
また「できなかったこと」についても、無理に頑張る必要はないと思っていて。仕事の内容によって向き不向きもあるので、チームのなかでも適性に応じた役割を大切にしています。
--自分のネガティブな面って、すぐ答えられますよね(笑)。他にも「1on1」で、よく気付く点などあれば教えてください。
あとは「やりたいこと」と「やれること」の違いで悩んでいる人もいますね。「やりたいこと」はあるけど、「やれること」のほうがニーズがある。だから「やれること」をやるけど、本当は「やりたいこと」が他にある、みたいな(笑)。
私は基本、社員が何かやりたいと言えば「自分自身のキャパシティが許す範囲内ならやってみたら?」という感じなんです。そう思ってはいるけど、自由度があまりにも高いと実は、不自由だったりするんですよね。そうした悩ましいところもあります。
ジレンマをポジティブに変えていく「問い」について
例えば「何かやろう!」となって、意思決定を早く回していくサイクルに入ったとき、どちらかというと「意思決定が早くできるタイプ」と「慎重なタイプ」、さらには「意思決定が苦手なタイプ」といったような人がいると思います。
それぞれの良さはあるのですが、プロジェクトを遂行するときに「意思決定が遅い、苦手なタイプ」は、先に意思決定されていることが多いので、結果的に「自分で考えることなくプロジェクトが先に進む」といったことが多くなりがちです。
それって「意思決定が早いタイプ」にとっては、「自分で決めてくれない」と感じてストレスになることもある。でも、どちらも前へ進めようとしているだけで、ただスピード感が違うんですよね。
--経験の差もあるように感じますね。
そうですね。でも、そのままだとチームとしても困るので「ゆっくりのペースでも確実に成長してもらって、一緒にやれることを増やす」という進め方が良いのかなと思っています。
実際にジョイゾーも新人が多いので、意思決定できる人たちがメインで仕事を回していて、成長している人たちを同時にサポートするときもある。そうすると人数はそれなりにいるのに、意思決定できる人たちのキャパシティが増えなくて「やりたいことができない」というジレンマが出てくるんです。
でも、本業のシステム開発ができる社員を増やさないと、会社のキャパシティが増えないし、新人たちが成長するまで待たないと仕事のボリュームも増えない。なので成長期間をサポートしつつ、意思決定できるタイプの人たちは「別の手段で稼ぐことを考える」という方向へシフトするようになってきました。
--「やりたい」ができないジレンマを「何で稼ぐか?」という問いで、ポジティブな方向へ向かっていくのはとても良いですね!
はい。社員が成長しているときの教育期間って、ビジネスの中だと停滞しているように見えちゃうこともあるんですよね。それって誰が悪いとかじゃなくて、そうした雰囲気はモチベーションの低下につながりやすいので「よーし!何か稼げることはないか?」みたいな、ワクワクする空気感をつくってディスカッションしたりしてます(笑)
一番のインプットは、自分自身で出した答え
--お話を聞いていると「1on1」をすることで社員一人ひとりの課題が見つかり、その課題を解決することで会社もパワーアップする感じがします。
そうですね。でも、意思決定できないことが決してダメではなくて、「指示されたことを確実にこなす」ということは大切なことだし、それが得意な人もいるんですよね。「1on1」では、そうした面も含めて「どうなりたいの?」、「何が得意なの?」といった感じで、私はずっと問い続けてますね(笑)。自分自身で出した言葉じゃないと、本人って納得できないですから。
--なるほど。そうして問われたときに脳内で出した答えが一番のインプットになる...?
そうなんです。いくら私が「これ、あなたに合うと思うからやってみたらいいよ」 と言っても、本人の中で腹落ちしないと伸びないと思うんです。もちろん「それ、すごいいいと思うよ」とか言うけど「いいと思ってやるかどうかは、自分で決めること」だと思うんです。
「琴絵さんがいいと言ってたからやったのに、ダメだったじゃないですか?」と言われても責任はとれないです(笑)。「すべての決定権は、あなたにあるんだよ」と。「自分で決めて答えを出すこと」って実は難しいんですよね。でも、自分で決めないと納得できない。
--「決められたことを黙ってやっていればいい」みたいな会社もあると思いますが、それって本人の成長につながるのかな?と思うときがあります。
それを伝えるって、すごい難しいんですよね。「成長を望む人」と、別に「成長を望んでない人」もいると思っているので。それと、会社をやっていて難しいなと思うところは「成長したいと思っている人だけを集めればそれでいいのか?」という点もあって、たぶんそうでもない。
いろんな価値観の人が組織にいるというのが当たり前の環境の中で、成長したい人はモチベーションを損なわずにいられること。成長を特に望んでいない人も、成長したい人のやる気を妨げないことや素直に応援してあげること。なおかつ、どちらもストレスを溜めないことが大切ですね。
成長していく人を見ることで考えが変わり、成長したくなることもあると思うので、相互の影響を良い方向に与え合えたらいいなと思います。
仕事の背景にある「根拠」を大切に
--そこまで幅広く社員の一人ひとりを見てくれていることって、なかなか無いと思うんですが...(笑)。
そうですかね(笑)。でも、だからこそ「常に決めない」ですね。私が何かを決めることは、ほとんどないんです。「みんながどう考えているか」を常に聞きたいと思っています。
もし決めていることがあるとしたら、よっぽど「決まらない」か「方向性が違っている」ことだと社員は認識したほうがいいかもしれないです(笑)
私が「こうしてほしい」とか「こうだ」といったものがないからこそ「自律」してもらいたい。自律できないタイプの人は、逆に窮屈になってしまうかもしれないですけどね(笑)。
--自律することや個人が尊重される会社って、まだまだ少ないのかなと思います。「いいからやりなさい」って言われるイメージが強いです(笑)。
それ、私にはできないんですよね(笑)。逆に、こちらが気を使ってしまうので。そうした「理不尽にダメ」とか、感情的に伝えることが今までの組織って多かったから「古い体質」とか言われてきたのかなと思うんですよね。
私自身が、納得する理由や根拠もなく、上から言われるということが当たり前の時代に生きてきて、それは本当に嫌だったので。今の若い世代の人たちだって、同じように嫌だと思います。「なぜ」の根拠がほしかったし、それを示してくれる人とは議論ができたので、私が何か指摘するときも根拠を持って言うようにしていますね。
なので「なぜこうなのか?」といったところまで伝えたうえで、やるかやらないかを決めてもらう。あとは本当にやるかやらないか、最後に決めるのは本人だと思うんですよね。
本人が「嫌だという選択肢もあって嫌だ」と言うのなら尊重します。尊重した上で、「仕方ないか」と理解することにしています。
ここまで対話を重ねて「やらない」ということは、そこまでの成長を見込めなかったし、やらせてあげられなかったことでもあるので。「やらないあなたが、どう成長するか一緒に考えよう」と、こちらが切り替えることになりますね。
--もう愛しか感じられないですね...(笑)。
私がそうじゃないとダメなんです(笑)。根拠を持って言ったことも拒否されるなら、それ以上のことをさせようと思わないですよね?先ほどの私自身が「いいからやれ」と言われてやっていたときは「何を思って、それを言ってくれていたか?」といった背景まで、よく知らなかったなと。
その背景が分からない、あやふやな伝え方は「感情的に言っている」と捉えられるし、実際に感情を乗せている人は思考停止していると思われます。伝える側が説明できない「とりあえずやってくれたらいいよ」みたいな発言では、社員の「嫌」になってしまう。
「お互いにちゃんと根拠を持って付き合う」ということができていたら、ストレスにならないと思うんです。いろんな場面で必要となる「なぜ?」の部分、いわゆる「根拠や目的」を明確にすることを大切にしていきたいですね。
ジョイゾーは、エンジニアリングで新しい波を広げます
ジョイゾーは、サイボウズ社の「kintone」(キントーン)を専門に、コンサルティングやシステム開発を行うSIerです。すべての人生を楽しくするために、SIerとしてエンジニアリングの可能性を追求しています。
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