kintone専門の会社を立ち上げたワケ 〜SIerは世界を、もっと楽しくできる〜
仕事=楽しいもの。
そんな価値観が、世の中に少しずつ広まりつつあるように思います。
「好きなことで生きていく」がキャッチコピーのYouTuber、ライフスタイルを重視する働き方改革、「個」のスキルで対価を得るクラウドソーシングサービスなどなど。
そんな変化を、私はうれしく思っています。
ジョイゾー社長のブログ、始めます
はじめまして。
ジョイゾーの代表取締役社長・四宮靖隆(しのみや・やすたか)と申します。
ジョイゾーは、サイボウズ社の「kintone」(キントーン)を専門にコンサルティングやシステム開発を行うSIerです。
経営者として、SIerとして、私は、仕事とは、自分が生涯かけて情熱をもって取り組むものだと思っています。
2010年12月に立ち上げた会社ジョイゾーも、創業して以来ずっと、「楽しく働くこと」を大きなテーマに掲げてきました。
「SIerは、ITは、世界は、もっと楽しくできる」と確信しています。
そのために、どんなことを実践しているのか。語れたらと思います。
私がkintone専門の会社を立ち上げたワケ
ジョイゾーのメインコピーは、「ENJOY YOUR WORLD.」です。
もう少し具体的に言えば、すべての人の人生を楽しくするために、エンジニアリングの可能性を追求することで、社会に新しい波を広げていこう、というもの。
人生は本来、楽しくあるべきです。
にもかかわらず、大人になるほど「楽しいことばかりじゃないよ!」などと難しい顔をしがち。
自分や他人の足を引っ張ったり、批判したりするようになってしまう人もいます。
ジョイゾーでは、個々が仕事も人生も主体的に楽しんでこそ、社員自身はもちろん、会社にもお客様にもプラスになると考えています。
マネジメントはしない
プロなら、アウトプットを求められれば自然と成長したくなるし、努力するもの。
だから私は、代表取締役でありながら、マネジメントらしいことをほぼしません。
管理されて結果を出しても、楽しくありません。
仕事の内容や進め方は、各人が決めていい。決めたほうがいいはずです。
少し前に、すでに生まれていた文化を制度化した「ワーケーション手当」をつくりました。旅行先で仕事をするワーケーションをした場合に、旅行費の一定金額を補助するという制度です。
新型コロナの感染拡大でリモートワークが広まる前から、ジョイゾーではフルリモートで働いている社員がたくさんいました。リモート環境で仕事をすることに慣れていましたし、私もメンバーも、もともとワーケーションを取り入れていました。
北海道に行って仕事をしてもいいし、海外に行って仕事をしてもいい。実際に、コロナ前にはドバイでワーケーションをした社員もいます。
旅行先では各々が、自由なタイミングとやり方で働いています。
それでパフォーマンスが下がったら問題ですが、私の経験上、環境が変わることで新しい刺激を得られ、アウトプットの質が上がります。
働く時間の使い方が会社に委ねられているよりも、自分の元にあったほうが幸せ度も上がりますからね。
ただ、単に制度化しても面白くありませんから、「何でもいいからうちのお客様の事業に関わることをしてくる」という支給の条件を加えました。
鉄道会社との取引があるなら、その鉄道に乗って旅をする。クライアントが建設会社なら、その会社が建てた橋を渡るでもよし。
「支給条件をどうクリアしよう?」と、ゲーム感覚で制度を利用してもらえたらと思っています。
社会人になると、人生の半分以上は仕事で占められます。
仕事が楽しめていないのは、人生の半分以上が楽しくないことになってしまいます。
経営者として、一緒に働いているメンバーが「仕事って楽しい!」と実感できることを何よりも大切にしています。
安心して楽しめていたら、あとは自ずと「やりたくなる」のです。
「オレ、何のためにやってんだろ?」
業界を知っている人からすれば、SIerの仕事とは、深夜まで残業するのも当たり前の過酷なもの。
SIerの社長が楽しく働こうと言うと、「なんだか胡散くさいな」「キレイごとだ」と思う人も多いかもしれません。
私もかつて、SIerで会社勤めをしていました。
SIer業界が抱える「闇」とでも言うべき慣例や常識に、問題意識はありました。
エンジニアは、「一生懸命作ったシステムなのに、運用に入ると使われない機能が多いな…」と思う。一方のでお客様側は、「あんなに時間とお金をかけたのに、業務を改善するようなシステムになってないな…」と思う。
双方が不満を抱えていることがありました。
毎日「オレ、何のためにやってんだろ?」と、悶々としながら開発をしているエンジニアが周りに少なくありませんでした。
しかも、たいていのプロジェクトの報酬は、1人のエンジニアが1日8時間、1ヵ月で20日稼働すると仮定して計算されます(人月計算)。
一流エンジニアが短期間でシステムを組み上げると安く済むのに、駆け出しのエンジニアが2ヵ月も3ヵ月もかけて作ったシステムの方が高くついてしまう。
お世辞にも、健全な業界だとは言えません。
そこで出会ったのがkintoneです。
サイボウズとは長い付き合いがあったので、kintoneのリリース前からスタートするクラウドサービスについては聞いていました。
極めてシンプルなシステム構築プロセス、高いユーザビリティ……。
これを使えば、SIerビジネスを今とは違う健全なものにできるかもしれない!
雷に打たれたような感動がありました。
そこから生まれたのが、ジョイゾーが提供している定額制対面開発サービス「システム39」です。
このサービスでは全3回(うち1回は無料)、1回あたり2時間のお客様とのセッションのなかで、お客様の目の前で業務改善のためのシステムをつくります。
単に、お客様の要望に沿って即席でシステムをつくるのではありません。
お客様が抱える問題が、そもそも本当に課題なのかというところから議論をスタートさせます。
お客様と同じ目線で、本当に解決するべき課題と、そのために最適な方法は何かを共有する。そこから、開発が始まるわけです。
エンジニアは「持ち帰らない」
システム39のこの方法だと、長く課題に感じていたSIerとクライアントの認識のズレは生まれません。
料金も人月計算ではなく定額(システム39は39万円)です。エンジニアの腕による結果とコストのズレも生まれません。
初回は開発が無料。
お客様自身に実際に作ったものを見ていただけます。39万の開発費用をかけてつくる価値があるシステムかどうか。判断することもできます。
エンジニアが持ち帰って、開発することもしません。
開発プロセスを1から10まで、全てお客様の前で終えます。クライアントが、システムの全貌を把握できないブラックボックス化を解消するためのルールです。
お客様にとってみれば、自分たちの要望が目の前で形になっていきます。開発の過程でも、実際にデータを登録してシステムが動くところまで見られます。
エンジニアにとっても、従来のSIer業界では常態化していた「せっかく作ったものが使ってもらえない」との悩みや、「クライアントに必要以上のお金をかけさせてしまっている」といった負い目がなくなります。
システム39は、SIerにとってもお客様にとっても、従来のシステム開発の問題を解消してくれるサービスなのです。
だから私は、このサービスこそ「幸せなシステム開発」だと自信を持っています。
このブログでは、私たちのジョイゾーという会社が、「楽しく働く」という哲学を追求しながら、SIerとしても成果を出す。
「楽しさ」とビジネスをいかにして両立させているか。その試行錯誤をつづっていきます。
(株)ジョイゾー代表取締役社長・四宮靖隆。サイボウズのkintoneビジネスにコミットし、Mr.kintoneとの呼び名も。SIを再定義し、仕事も人生も「楽しい」世界を実践中。
編集協力/コルクラボギルド
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