見出し画像

第5回交流会レポート

■ 日時 :2024年2月17日(土)20:00~21:00
■ 参加者:19名


1.獣医の池田先生のヤギの健康管理講座② 「蹄の手入れ」

(1)冬場の餌の注意ポイント 

【硝酸塩中毒に注意】

堆肥置き場近くの青々とした雑草は硝酸を多く含むことがある。それをヤギが食べると硝酸塩中毒を起こし、1晩で死亡するケースもある。要注意! 

【餌が野菜ばかりになるのも要注意】

野菜は水分が多くて、ヤギの栄養となる繊維が少ない 
野菜だけにかたよらずいろいろな餌を与えることが重要

【サイレージづくりがおすすめ】 

家庭で作れるサイレージ

夏の間に、冬場の餌づくり。
夏場のトウモロコシの茎などを活用。
1日干して、半切りで裁断。
厚手のビニール袋に袋詰め。
掃除機を使って空気を抜いて嫌気性発酵をさせる。
袋あけた際に、酸っぱいお漬物のようなにおいがしていると成功。
腐敗していないか、カビが生えていたら失敗。

【濃厚飼料を与える場合】

狂牛病予防のため、動物性のものが含まれるB飼料を使わない。

(2)蹄の手入れ

蹄の伸び方は飼う環境によって異なる。
放牧で岩などがある環境だど自然に蹄も削れ、あまり伸びない。
まずは蹄の状態を観察して、異常がないか知るのが重要。
蹄が巻いてしまうなど、蹄が変形してしまうと歩き方に影響し、筋肉の付き方も変わってしまう。ヤギの生活の質に影響する。

巻いてしまった爪

蹄を切る時は剪定ばさみを使う。
蹄を切る時にヤギを柵などに繋いで固定するが、つなぎ方に注意。
首を高い位置で固定すると、後ろ足の蹄を切っている時に夢中になり、ヤギが前足を折り、首吊りになってしまう危険性がある。
1回1足だけでもよいので、無理をせずやっていくのがおすすめ。
無理であれば、獣医師等に依頼することもできる。

削蹄の方法は以下ホームページを参照。

独立行政法人 家畜改良センター茨城牧場長野支場 ホームページ参照
山羊飼養にかかる技術情報(山羊の削蹄) (nlbc.go.jp)
 
 

2.事例報告 「ヤギ除草の可能性(神戸市)」

現役高校生が学校の課題研究の成果を発表してくれました。

①大型のヤギと小型のヤギによる係牧による除草の比較実験。

【結果】
大型のヤギの方が1日当たりの除草量は多い。除草の仕上がりもよい。
小型のヤギは除草量も少なく、固い茎は残すのでまだらに雑草が残る。
一方で、小型のヤギの方が扱いやすいというメリットもある。
 

②9人のヤギ除草導入者にアンケートを実施

【結果】
・きっかけ 知り合いからの紹介が多い
・入手方法 知り合いからが多い
・効果 3頭以上だと広範囲の除草ができる
    堆肥ができる。
    コミュニティ形成 癒しの効果がある
・課題 ヤギのことを相談できる相手がいない 
     獣医師がいない 
・解決策 全国山羊ネットワークに情報を手に入れる
 
最期に、ヤギ除草普及に向けてどんなことをしたらいいかの質問に対して
「高校で発表したとき、ヤギが草食べることすら知らない人がいた。
 もっと動画とかインスタとかで、高校生が目に触れる媒体で紹介されれば、知る人が増えて関心が高まるかも。」
という提案がありました。
現役高校生ならではの提案!
もっと若い人にも関心持ってもらえるような工夫ができそう。
 

3.ヤギ飼育の情報交流会  

(1)ヤギの保険どうしてる?


(1)ヤギが人や物に危害を与えた場合の保険
・JA農業者責任保険共済 農業者以外は農地の規模に応じて適用されるかケースバイケースで変わってくるので個別相談になる。
・個人賠償責任保険 保険会社によって適用されるかどうか判断が分かれる。個別に応相談
(2)疾病への備え
・ペット保険はヤギ用のものは存在しない 
・農業共済はヤギは適用外

(2)可動式の簡易な放牧柵が欲しい!


簡易に設置できるものとして電気柵がある。
はじめにヤギが怖さを知れば、電柵に近寄ることはない。
 


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?