【詩】真綿の約束
真綿はあたたかい
真綿は蚕が生み出す命の結晶
蚕の口から吐き出された美しい一本の絹糸で自身のからだを覆い、繭をつくる
本来の自然界には存在せずに、古来より人間に飼われてきた蚕
蚕は人間に守られながら美しい糸を生み出すために存在してきた
蚕と人間の命の契約
蚕は人間に豊かさをもたらしてくれた
私も蚕のようになれるだろうか
蚕は人間に守られているから安心して美しい糸を生み出せる
蚕のように、私も何かと命の契約を交わして私になったのならば、その何かにきっと守られているだろう
ならば、安心して美しい糸を生み出してから私の命を終えていきたい
生まれる前に交わしてきた真綿の約束があるからきっとできる
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お風呂の湯船に浸かっている時に「真綿」という単語が唐突に頭に浮かんだことがきっかけで書くことになった作品です。
生まれる前に交わしてきた約束、覚えていますか?
📖日だまり一首📖
あなたとの 約束きっと 果たします
私の糸を あなたに贈る