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約束

駅の階段を上り

ふっと息を吐く

あなたは駆けてくる

息を切らし 頬染めて

なんのためなの?

なぜ 走るの?

陳腐な問いかけに空を見る

なんだろな。
もっと ゆっくり
生きてもいいのだけどね。
習い性かな
守りたいものが
あるからかな

クスッと笑う目が愛しい
あのね
いつか癖になったんだ
こうして 駅を出て
空を見上げることがさ

ほら
朝の白みゆく空。
ひかり溢れる空。
そして この夕空さ。
電線の向こうに広がる
まだ明るいこの夕空さ。

ああ
季節の贈り物ね

なぜか 昏くなると
こころが沈むから
今がいいのときみも
いったじゃないか

このまばゆさはなんだろうね
薄むらさきを帯びて
純粋に白いひかりだけを放つ
茜色を置いてきたのかい
まぶしさだけの空の白さよ

なあ
その光りより強いこの想いを
受け止めてくれないかい
淡い桃色と薄いブルーの帯の空が
浮かぶその懐にさ
雲のビーナスよ

虹の欠片かい?
雲よ
ちぎれて迷ったのかい?

ああ
ふんわり浮かんだピンクの雲は 
風に運ばれ 遥か遠くの
あのこの元へ行くんだね
しあわせにって
伝えておくれ

いつか約束したよね
やさしくいようって
そう
あの雲のようにさ








もし 心に留まって下さったら、、、本を出すと言う夢に使わせていただきます。