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ラディカルってどういう意味?

 シュラミス・ファイアーストーンって知ってる?

 身分差別に反対。身分をなくせ。これはできる。 階級差別に反対。階級をなくせ。これもできる。 民族差別・宗教差別は?これも、どちらも「一つしかない状態」を考えることはできる。 じゃ性差別は?

 身分や階級と同じように、性もなくしちゃえばそりゃ性差別もなくなるけどねー。 ムチャだと思う? でもこれファイアーストーンはほんとに主張してたんだよね。この人が1970年代、ラディカル・フェミニズムの旗手なんていわれてた。
 生殖はどうすんのかというと、テクノロジーの進歩にたよると。 文化的・心理的に性がなくなっちゃえばとうぜん男女の普通の性欲もなくなり、生殖もなくなるだろうから、とうぜんそういう結論になる。
 こーゆーのがラディカルって言われてたわけで・・・ これに反対して文化的な性差=男女の相反補足的なセクシュアリティは維持すべきだっていうのは、比べりゃたしかに保守的だ。
 セクハラって言葉はすっかり定着した。日本じゃ1989年に流行語大賞大賞・金賞を受賞(;^_^A。 これももともとアメリカのラディカル・フェミニストが言い出したんだそうだけど・・・こういう概念を言語化して社会に認知させるのはもちろんいいんだけど・・・大問題になったのは法律的な問題で・・・ 「被害者がセクハラと言ったらぜんぶセクハラ」てムチャいいだしたんだよね。アメリカの、あくまで一部のフェミニストが、なんだけど。 これには世界中が(まあ日米欧、いわゆる先進国だけだとおもうけど)騒然となった。
 このとき、イタリア最大のフェミニスト団体が新聞に意見広告を出した。(このへん記憶に頼って書いてるんで不正確かもしれませんが) そのタイトルが「誘惑をやめないで」。
 フェミニストがこんな艶っぽい、オトコが喜ぶようなこと言うなんて信じられない!・・・て人がおおいんだろうな。 フェミといえばとにかくオトコが嫌がるような主張をすればいいと思ってる人が多いから(爆)
 この団体の主張はこうだ。 少なくとも今ある性の文化は男が女を誘惑することで成立している。この文化に基づいた男の行動をサベツだと威嚇して、男が委縮してしまったら、性の文化はなくなってしまう。
 われわれはそのような危険な主張には同意できない。 こんな感じだった。 ま、もともとアメリカのフェミニストなんてタンサイボーで権力志向でってヨーロッパのフェミさんたち馬鹿にしてたからね。内心。(爆)

 男女の相反補足的な(非対称的な)性。 これは選挙権だの私有財産権だの争議権だのとはぜんぜんちがう水準の問題だってのは誰でもわかると思うけど・・・ これが性差別の根源だとして、コレあるかぎり性差別はなくならないとして・・・コレ廃止しますか?
 そもそもこれは廃止できるのか。 廃止していいのか。 廃止したら人類はどうなるのか。
 
 「世界は滅ぶとも、正義は行わざるべからず」 有名な言葉だ。 もちろん、性差別の完全な消滅は絶対的正義であるから、そのために人類が滅んでも良いという考えを、人は持つことができる。 でもそうなったらもう社会思想じゃねーよなあ。
 まあファイアーストーンもそれはわかってたから生殖テクノロジーの進歩に賭けたんだろーけどね。 実際、かなり進歩した。人工子宮がどーのってさいきんニュースになってたけど。

 ま、昔は一部のラディカルなフェミがこんなことを言っていた。いまはトラジェンがぶっ飛んだこといっててフェミが攻撃されてると。
 「性のグラデーション」なんて事が言われてるけど・・・そりゃ個人の自認は人の数だけありうる。 自分はどの程度男(女)「らしい」かって程度の問題なら。 でもそれは男女それぞれの「らしさ」ていう中心的な概念からどれだけズレてるかって話だ。
 もともと人類は人を男と女のふたつにわけたのではないのか。これは必要なことなのじゃないのか。 この性の文化は人類にとって不可欠の規範じゃないのか。 なぜだかこーゆー視点からの議論がぜんぜん見えない。(ツイッター上。)
 トラジェンに反撃したいフェミさんたちがなんでコレが言えないのかというと・・・ 「これは必要なサベツだから肯定せざるを得ない」 これがどーしても言えないからだろーね。

追記。
いっときエコロジカル・フェミニズムってのが流行ったことがある。もちろん反近代・反産業社会の、ある意味、過激な思想のエコロジーとフェミニズムを融合させた思想なんだけど、これは近代主義の極北みたいなファイアーストーンと正反対で「男女は自然な相反補足性のうちに生きるべし」て立場だった・・・はず。(;^_^A
まあいろいろある。

 

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