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【ゲーム感想文】『Coffee Talk Episode 2 Hibiscus & Butterfly』

※ネタバレ要素があるため、『Coffee Talk Episode 2 Hibiscus & Butterfly』をプレイする可能性が少しでもある人はプレイ後に閲覧することを推奨します。気にしない方はそのままどうぞ。


『Coffee Talk Episode 2 Hibiscus & Butterfly』(以降:コーヒートーク2)の1週目をクリアした。
リリースして1年以上経っていることからだいぶ話題に乗り遅れている自覚はあるが、やっぱり今回も素晴らしい作品だった。
まだ全てを見たわけではないが、1週プレイ後の感想を述べてみたい。
誰かに伝えるためというよりも、自分の考えを整理するためだけのものなので読みづらいうえ痛々しいところが多々あるかと思う。
それにご了承いただける方は、このまま読み進めてどうぞ。





きっかけ

プレイしようと思ったきっかけは、コラボカフェの告知だった。

一作目を数年前にプレイして以来、コーヒートークは私の大好きなゲームタイトルである。世界観やストーリー、魅力的なキャラクター達、ゲームのビジュアル、音楽と全てに魅了された。サントラはことあるごとに聴いている。
そのコーヒートークのコラボカフェが開催されるとなっては行かない選択肢などなく、しかし2作目をプレイしていない状態で行く選択肢もまた無かったため今回プレイするに至った。

だが一番最初に続編の情報を知ったとき、私は純粋に喜べなかった。というのも、続編のことを知ったきっかけが開発元のToge ProductionsらがPQubeを告発したニュースだったからである。
結果無事に合意がまとまり、また今こうして無事に遊べてとても嬉しく思っている。

少し話が逸れた気がするので戻ろう。
コーヒートーク2が無事リリースされ、私はとうとう諸手を挙げて喜んだ。
しかしここ数年私は、日々を生きるのに必死になりすぎるあまりゲームに手を出せなくなっており、大好きなこの作品もウィッシュリストに入れるだけで購入することはしなかった。
今では後悔するばかりである。


プレイ結果

私が迎えたエンドは、

・シルバー&アマンダ:グッド(ver.2)
・ハイド:ノーマル
・ルア&ベイリース:グッド
・ジョルジ:未達成
・ルーカス&リオナ:グッド
・ジョルジ&ルーカス&リオナ:グッド
・レイチェル:スイートハートラテend
・マートル&アクア:仲直り
といった感じだ。

ハイドについては、ブルービスカス・パイを出すことができなかったことが原因だと考えている。どれだけ頑張っても攻略サイトを見てもハイドにブルービスカス・パイを出すことが出来ず、一瞬バグを疑ったがその後10月1日では無事リオナに出すことができたので、こういう仕様だったのかなと自分を勝手に納得させた(間違っていたらご指摘願いたい)。何はともあれ、この出来事が2週目で取り返そうという気持ちに火を付けたのは間違いない。

ジョルジについては、私のプレイスタイルが問題だったと思う。私は登場人物達の笑顔が見たい一心で、正解の一杯を出せるまで何度もロードしてやり直したり、時には途中離脱してフリーサーブモードで全ての組み合わせを当たってみるということをやっていた。そのため、「不完全でも最後まで見届ける」に引っかからなかったのではないかと考えている。2週目以降は我慢強く最後まで見届けたいと思う。

感想

やっと!という感じで感想に入っていこうと思う。
結論としては前作に続き最高の作品だった。

ビジュアルノベルでありながらというべきか、ビジュアルノベルという形態だからこそ活きたことなのか分からないが、プレイヤーが主体的に登場人物達に関わっていくのではなく、みんなが喫茶店に来てくれた時だけ、カウンターを挟み、朗らかな会話と特別な一杯という手段で関わるというスタイルがコーヒートークシリーズの魅力の1つである。
このほどよい距離感が心地良かった。

それぞれ人生(?)の転機を迎えていた登場人物達の、内に秘めた決意や迷いの吐露は共感出来るところも多かった。現状から次に踏み出していくためにどうするべきか、今後の自分にとってヒントになるようなことも少なからずあったように思う。
また、ストーリーの端々に現代の諸問題に重なるような要素が散りばめられていて、そういった点でも考えさせられることが多かった。前作もそうだったように思うが今作はより現実の問題を連想する回数が多かったように思う(あくまで私の場合)。


レイチェルの言葉

ここからは、私が特に"沁みた"2つの場面を語っていきたい。
最初はレイチェルの言葉である。
前作では父親に反抗するおてんば少女といった感じだったが、今作では芸能の道を突き進みながら大人へと成長し、より深みのあるキャラクターになっていた。
そんなレイチェルが発したこの台詞が、私に大層刺さったのである。

子どもの頃って、”いろんなもの”になりたかったじゃん?
でも大人へと成長する中で、自分が戦ってく場所を選ばなきゃならない。
あたしの場合は歌と踊りね。それが自分で曲を書くことよりも、ずっと自然にできちゃったわけ。
けど、今はもう違う!
だって、一人でできなきゃ…できる人と一緒にやればいいんだもん!

『Coffee Talk Episode 2 Hibiscus & Butterfly』 

こんな事を言ってのけるようになったのかレイチェル…!と感動してしまった。連作の良いところはこういうところにあると思う。意図せず親目線だ。

"いろんなもの"になりたかった純粋さを、戦うべき場所を選ばなければいけないという現実で丁寧に説き伏せたことやそれに似た経験は誰にだってあるだろうと思う。それは人によってポジティブなことだったかもしれないしネガティブなことだったかもしれない。
レイチェルの場合は、自身の得意なことから見出して、歌と踊りで戦っていた。それが今作では、自身のやりたいことである作曲に舵を切り、結果毎日を楽しみながら過ごせているようである。

私が感動したのは、得意なこと=できることの中から自身のこれからを見出すのではなく、やりたいことを純粋に追求していた点である。とても眩しく理想の生き方だが、現実問題これを遂行することは険しい道のりを行くことであるとも言える。それに対してレイチェルはできる人の力を借りれば良いと言う。当たり前すぎて「どうしてこんなところで?」と疑問に思う方も多いと思うが、頼ることを苦手とする私にとって、レイチェルの言葉は私をハッとさせ、勇気をくれるものだったのである。


リオナの葛藤

もう一つの場面は、終盤でリオナが自身を見つめ直し、今までとこれかことについての葛藤を吐露する場面である。

リオナは、常連客達と関わる中で自身のことを客観的に捉えられるようになった。この場面ではオペラ歌手に選ばれたい思いと自分の努力量の齟齬、自身がバンシーであるがゆえの障害にぶつかっていかなければいけないことへの恐怖、それから目を背けていたことなど、彼女の苦悩が語られた。その後語られた彼女の母の話も踏まえると、バンシーである彼女が偏見に耐えながら道を切り拓いていくことのプレッシャーは想像に難くない。
この後はルーカスのポジティブパワーも借りつつ、メディアの力で道を切り拓いていって欲しいと切に願っている。

私はこの場面において、リオナの葛藤にとても共感した。特に、現状にあぐらをかいて努力を怠っていた、"必死に"頑張ってきたかと言われると疑問が残るのだといった言葉には自分の急所を貫かれるような思いだった。
リオナの悩みにおいて多くを占めるのは種族への偏見の方であろうし、私自身これほどの偏見に晒されているわけではないから同じだなどとは気軽に言えない。しかしこの言葉にたるんでいた自分をつつかれたように思い、私は自分を見つめ直すことをしてみるかと思い立ったのである。



冗長ではあったが、プレイ後の感想をまとめさせていただいた。
他にも良い場面は多々あったが、一度のプレイでは自分の中に拾いきれなかったのが惜しいところである。
全エンド全実績を回収した後、改めて感想を綴りたいと思う。
とりあえず今月中にコラボカフェ行きたい。

ここまで拙い文章を読んでくださった優しくも物好きなあなたに、女神の涙が降り注ぎますように。

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