金融リテラシー教育の必要性
みなさまこんにちは。よこちょうです。
師走を迎え、いつもながらに慌ただしい季節となりました。1年が過ぎるのって本当に早いですよね。。。今年もあとわずかですが、こちらのブログもしっかり続けて参りたいと存じます。よろしくお願いします。
さて、今回は昨今話題になっている「●●の壁」などにも関連する、将来に向けての金融リテラシーの教育の必要性について、少々考察して参りたいと思います。ぜひお付き合いください。
(ちなみに、106万円の壁については、以前の記事にて触れていますので、併せてご参照下さい。)
【今回のご紹介記事】
帝国データバンクの記事として、以下の調査結果が記事として掲載されていました。
「金融リテラシー教育、企業の6割が内容を認識するも、取り組み企業は4社に1社にとどまる」
こちらの記事を要約しますと、以下の事項にまとめられるかと思います。
金融リテラシー教育を知っている企業は6割を超えていても、実施に前向きな企業は4社に1社程度
従業員数が多い企業ほど実施に前向き、逆に100名以下の企業は実施が3割以下
課題として、ニーズのばらつき、時間がない、費用面の問題が3大要因
帝国データバンクの調査だけあり、調査対象企業は約27,000社、回答数は11,100社余りと母数が多く、実態をある程度反映しているものと考えます。
ただ、この記事自体は、調査の結果を示しているだけで、これからどうすべきかは本記事を見た方々の事後のアクション次第という事ですね。
【そもそも金融リテラシー教育とは何なのか? ー前提として必要と思われる事ー】
こちらの記事にある、最初の質問(金融経済教育について知っていますか?)ですが、そもそもこの「金融経済教育」って何でしょうね?
帝国データバンクの調査レポート自体のURLを辿って調べてみましたが、以下の注がついていました。
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金融経済教育とは、最低限身につけておきたいお金の知識と判断力を意味する金融リテラシーを得るための教育のこと。学生や社会人はもとより、国民一人一人が、社会で生きていくために必要な金融やその背景となる経済についての基礎知識を高めていくことを目的としている。
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この文書自体がかなり抽象的なので、受け取り方も様々になるように思えます。
お金自体をベースに考えると、「収入として得る」「使う」「貯める」の3つの機能があると思います。したがって、それぞれの要素について各個人それぞれの状況に基づいた知識習得が必要になりますが、それを最低限補完するベースとなる知識を習得する機会と私は理解しました。
いずれにしても、内容云々以前に、教育の前提として以下の検証が各個人それぞれに必要なのではないでしょうか。
正確な現状把握(各月毎の収支状況、資産状況)
今後の人生設計
この前提を全く把握せずに単に表面的な教育を行っても、正直教育内容を活かす事は難しいと考えます。
逆に、この前提を考えてもらうこと自体を教育として行うことも大きな意味があると思います。そのうえで、3つの機能に関する知識を、重要度に応じて説明していく形で展開する形になるかと思いますが、いずれにしろ内容や時間など制約もあるかと思いますので、そういった状況下でどうプランを設計し、展開していくかがカギですね。いずれにしろ、標準化が非常に難しいものです。
【企業が考えるべき事は何なのか】
企業側からすると、先に私の考えとして示した「人生設計」の部分で大きな要素となる「退職金」の主体となります。
したがって、この制度を軸にした金融経済教育を進めていくという考えは妥当かと思います。
また、昨今は「確定拠出年金」を導入される企業が増えてきたこともあり、こういった制度の導入に際し行われる金融商品などの説明と共に、将来に向けて「貯める(運用)」事の意味も併せて説明するような教育を行うことで、従業員の金融リテラシーを上げていく事ができるかと思います。
ただ、こういった教育はえてして「実施する事が目的」になってしまう事もあり得ます。確定拠出年金とかその金融商品の説明などに終始してしまう教育ってあまり意味がないと思うんですよね。。。
本来の目的は「自身の状況に教育の内容をどう活かすか」であり、
ポイントは、「自身の現状を把握する」という事です。
たとえばですが、自身(ご家庭)の資産状況も分からない、月々の収支も分からない、こういった方が教育を受けた場合、どうでしょうか?
企業で言えば、自社のB/S、PLも分からないで企業数字の教育を受けても意味がないのと同じだと思うんですよね。
家計/資産管理は奥様に任せっきりの方も結構いらっしゃるような気もしますが、気のせいでしょうか?
いずれにしろ、従業員の皆様に事前にどれだけ「意識づけ」ができるかが、教育成功のポイントになるのかなと思います。
【その他もろもろ雑感】
この記事は、企業の方向けに行った調査の結果を報じたものですが、こういった金融関連の知識は学生のうち、というか子供の頃から身に付けるべきものでもあるかと思います。
自分の事を考えても、例えば子供の頃、お年玉をもらった時は、親に預けて貯金してもらうという習慣で、自分でどう使うかを考える事は一切なかったと思います。(無駄遣いをしないメリットはありますが(笑))
お金をどう得るか、どう使うか、どう貯めるか、この3つは早いうちから知識として習得する機会を作る事は非常に意義があると思います。
また、今現状で自分も伝える側になりうる立場となり、よりお役に立てるように、動いてまいりたいと思う次第です。
いかがでしたでしょうか。今回話題とさせていただきました、金融リテラシー系のご相談/教育なども含め、退職後の年金系の話題、そして働き方、人事労務関連など、相談先にお困りでしたら、ぜひ社労士法人JOYのお問い合わせからご相談下さい。
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次回もお楽しみに!