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まぶしさの、さびしさに、ふりそそぐ

ホテル暮らしごっこも4日目、最終日となった。東京最後の夜である。写真は、窓からの夜景。

今日は夕方、地域猫たちの溜まり場に出かけていった。この交換日記に何度か登場している猫たちだ。彼らに差し入れるために買ってたいなばのちゅ〜るとだしカップと、モンプチのカリカリおやつが大量に部屋に残っていたので、それらを全部、彼らをお世話しているおじいさんに託したかった。夕方になるといつもボランティアのおじいさんが、駐車場の影にあるエサ場にカリカリごはんを補充しにやって来るからそれを待つ算段だ。時間を取れるのは今日が最後なので、何としてでも託しておきたかった。

車止めに腰掛けて何をするでもなくおじいさんのやってくるのを待ち構えていると、サビ猫のかおるちゃんが「ニャニャーン」と鳴き声高らかにやってきた。名前はボランティアのおじいさんがつけたもの。

とってもかわいいお顔をしているでしょう。いつもこうしてニャーンと挨拶をしながら、どこからともなくやって来る。たちまちちゅ〜るを2本と、カリカリおやつを平らげてくれた。眉間や背中を撫でさせてもくれた。一通り食べて満足したのか、顔を洗ってごろんと横になってしまった。そのまましばらく一緒にボンヤリ過ごしていると、気づいたら背後にこわがりさんのロシアンブルーがいた。この子の名前はくまちゃんと言うらしい。

キリッと撮れた。とってもかわいい。ロシアンブルーの地域猫という、ちょっと訳ありで珍しい存在だ。いつも車の下に隠れているこわがりさんで、一度引っ掻かれたこともあったけれど、かおるちゃんと私ののんびりしたやり取りを見ていたのか今日初めて出てきてくれた。こんなに近づいたのは初めてだった。カリカリおやつと、いなばのだしカップを差し上げたら恐る恐るだけど美味しそうに食べてくれた。そのままかおるちゃんとくまちゃんと私の3人で、付かず離れずの距離を保ちながら駐車場でぼうっと過ごした。

おじいさんがなかなかやって来ないので、また別の猫の溜まり場も見にいってみると、そこで居眠りをしてるのはオッドちゃんである。オッドアイだからオッドという名がついたらしい。

オッドちゃんもいなばのだしカップが大好きなので、差し出すとそろりそろりと近づいて食べてくれた。

夕暮れ時に、猫たちと一緒になって何をするでもなくぼうっと過ごす、非常に充実した時間が流れた。そのうちにおじいさんがやって来て、引っ越すことになった旨とおやつをみんなに食べてもらいたい旨を伝えると、おじいさんはおやつを全て快く引き取ってくださり、二、三世間話をして別れた。

その後もしばらく待ったけれども、一番仲良くしてくれていた茶トラのしまちゃんはだけは最後まで現れなかった。会えなかったことがすごく心残りで、いつまでも尾を引いた。

みんな、どうか、いつまでも元気で。(kanisanland)