見出し画像

【前編】ブランドデザインを怠る会社はモテない〜カオナビのオフィスデザインを事例に解説〜

ブランドデザインに神経を使えない会社は、今後モテなくなると思います。

いま「働き方に対する価値観」が変わり、起業や転職が身近な時代になりました。その中で、会社は優秀な人材を確保したり、長い期間働いてもらうことが困難になってきたと思います。これからの時代を生き抜くためには、従業員をはじめとするステークホルダーに好かれなければいけません。

そこで必要になってくるのが「ブランドデザイン」です。

株式会社カオナビは、本社オフィスを虎ノ門駅直結の「東京虎ノ門グローバルスクエア」にリニューアルオープンしました。コロナ渦でオフィスを無くしたり、オンラインを中心とした出社をしない働き方が普及している中、床面積を約2倍にしオフィス移転に踏み切ったのです。私はプロジェクトリーダーとして、カオナビのオフィスデザインに携わりました。

この記事では、カオナビのオフィスが出来上がるまでのストーリーを事例に、私がブランドデザインにおいて大切にしていることをお話していきます。

モテる会社とは?

突然ですが、あなたの経営している会社、または勤めている会社は外の世界からモテていると思いますか?

ーそもそもモテる会社とはどんな会社でしょうか。

会社がモテる方法は色々あり、例えば、就業規則や福利厚生、給料。企業理念や従業員の人柄。オフィスの場所や快適さ。会議が短かったり、服装に規定がなくおしゃれができるなど。従業員をはじめとするステークホルダーがその会社を好きになる理由は、様々あります。

上記で挙げた理由は、あくまでもモテるための手段の1つと仮定していますが、モテるための戦術を考えるために鍵になるのが、「ブランドデザイン」だと思うのです。

プロジェクトスタート時はコンセプトがなかった

さて、今回カオナビの新オフィスは、カオナビのブランド(ポリシー)に一貫して創ったわけですが、オフィスプロジェクトがスタートした当初は、カオナビのブランドに沿ってプロジェクトが進んでいたわけではありませんでした。

デザイナー以外の方が中心となって進行をし、オフィスデザインのコンセプトは、ほぼゼロの状態だったのです。

時系列で言うと2019年1月〜従業員増加のためオフィス移転を決意し、プロジェクトメンバーは総務部とデザイナー1人で始動しました。私がこのオフィスプロジェクトに参画したのは、2019年11月〜です。

図面Before

(当時の平面図はこちらです。 ※画像の転載はご遠慮ください)

机と椅子が並んだだけの普通のオフィスです。この図面を見たとき、正直このオフィスで働きたくないと思いました(笑)

このオフィスデザインに、従業員やお客様が来たくなる仕掛けがあれば納得できるのですが、特にそうではなく、コンセプトもロジックも無かったのです。

デザインを1から作り直し、再スタート

ブランドブック

(※画像の転載はご遠慮ください)

2019年11月〜私はカオナビの従業員ではなく、外部のコンサルタントとして業務を開始しました。
その頃は、カオナビのブランドを再定義するための「Kaonavi Future Deck」の製作をリードしていました。

https://speakerdeck.com/kaonavi/kaonavi-future-deck-20201001

これはカオナビがこれからどこに向かっていくのかを表した、非常に非常に重要な会社の設計図のようなものです。

この業務を進めているときにオフィス移転の話を聞いたのですが、2つのプロジェクトがまるで切り離されたように語られていたことに疑問を感じました。丸切りコンセプトが一貫していなかったのです。

カオナビのポリシーは、「従業員と会社が選び選ばれる対等な関係」であること。会社が在宅ワークもしくは出社のどちらかを決めるのではなく、従業員が勤務スタイルを選択する権利を持っています。

出社しても、しなくてもいいと言っているのに、出社したくないオフィスを作ることは本末転倒です。そこで、「社員が行きたくなるオフィスって何だろう?」を1番に考え、デザインを作り直しました。

図面after

こちらが変更した平面図です。(※画像の転載はご遠慮ください)

画像4

15F オフィスイメージ(※画像の転載はご遠慮ください)

画像5

16F オフィスイメージ(※画像の転載はご遠慮ください)

オフィスのコンセプトは(T)OWNとしました。個々の多用的なライフスタイルに合わせた空間が、いくつも組み合わせた街のような設計です。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。


オフィスのコンセプトが決まり、これから進めていこう!と思った矢先・・・コロナパンデミックが起こりました。

後編に続きます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?